2ヵ年で学力向上学習習慣定着事業―釧路市教委 宿題提出率向上が向上 3校指定し学習推進員配置(市町村 2019-01-21付)
第2回会合には研究指定校の学習推進員らが参加した
【釧路発】釧路市教委は、本年度から「学力向上学習習慣定着推進事業」を進めている。研究指定校三校に学習推進員を配置し、児童生徒に毎日配布している宿題プリントを採点。学校全体で取り組むことによる宿題の提出率向上、採点コメントが学習意欲につながるなど成果が表れているという。第二回会合が十六日に釧路教育研究センターで開かれ、事業の効果的な推進方策などについて話し合った。
市教委は本年度から、子どもたちの確かな学力の確立と家庭における学習習慣定着のため、モデル校における新たな復習教材の導入と学習推進員の配置等による効果を検証。全市に波及し得る仕組みづくりに取り組むことによって、基礎的・基本的な学力の確保を目指している。
二ヵ年計画で進めている研究の指定校は、東雲小学校、美原小学校、美原中学校の三校。各校に退職教員や大学院生などからなる学習推進員を四時間配置し、宿題の家庭学習プリントの点検・採点などを行っている。
平日に毎日渡しているこのプリントは、東京書籍㈱の問題データベース(算数・数学)を活用。同事業は小学三年生から中学二年生を対象としているが、小学校では全校的な取組とするため、一・二年生でも取り組んでいる。
学習推進員の効果的な活用と、担任、教科担任とのかかわり方などについて各校の取組を交流するため、事業にかかる交流会兼研修会を年三回行うこととしている。
十六日の第二回会合では、担任、教科担任との連携について話し合い、東雲小では「付せん紙のメモで担任に、子どもの弱点を伝えている。それを踏まえて同じプリントを宿題に出している」と報告。
次いで、子どもや教員、保護者の様子について交流。学習推進員が採点する際にコメントも付けていることについて美原小の飯屋崎修教頭は「子どもが改善してつぎに生かせる視点で書かれている。子どもも楽しみにしている」と述べた。
また、東雲小、美原小では宿題を忘れても中休みまでにやることが、学校全体で「必ず宿題はやるもの」という意識付けとなり、提出率が上がったこと、美原小では教職員向けのアンケート結果を職員会議で取り上げ、共通理解を図ったことを報告した。
事業の取組を自主学習にまで前進させようと考えている東雲小では、自主学習ノートの紹介コーナーの設置、保護者会における家庭学習に関する交流などを実施。
美原中では、学習推進員が放課後学習に入ることで生徒の状況を把握しているという。
課題として、宿題を提出しない子どもの固定化や、宿題が難しく空欄で提出する子どもがいることを挙げた。学習推進員の配置が教職員の負担軽減につながっていることから、事業の継続を求める声もあった。
第三回会合は三月に予定している。
(市町村 2019-01-21付)
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