【解説】子どもの学習・生活支援事業
(解説 2019-01-23付)

 国は、昨年十月の生活困窮者自立支援法改正に伴い、ことし十月一日から生活困窮世帯における子どもを支援する「子どもの学習支援事業」を「子どもの学習・生活支援事業」に拡充して実施する。従来の学習支援に加え、生活習慣・育成環境の改善に関する助言を行うほか、高校生世代に対する教育・就労(進路選択等)に関する情報提供、助言、関係機関との連絡調整などに取り組む。

 生活困窮者自立支援法に基づく子どもの学習支援事業は、各自治体においてこれまで、学習支援を中心として居場所の提供、相互交流、家庭訪問など地域の実情に応じた取組が実施されている。

 一方「生活習慣・環境の向上などの取組も事業内容に明確化すべき」との意見や、高校中退者、高校へ行っていない子どもなど、高校生世代への支援を念頭に「学習支援だけでなく、自立に向けた支援が必要」との指摘がなされてきた。

 このため、昨年十月に国は生活困窮者自立支援法を改正。ことし十月一日から事業を「子どもの学習・生活支援事業」として、子どもの学習支援事業を強化する方針を示した。

 具体的には、生活困窮世帯における子どもに対する従来の学習支援に、①生活習慣・育成環境の改善に関する助言②教育・就労(進路選択等)に対する情報提供、助言、関係機関との連絡調整―の事業を追加。

 ①では、学校・家庭以外の居場所づくり、生活習慣の形成・改善支援、小学生等の家族に対する巡回支援の強化など、親への養育支援を通じた家庭全体への支援などを示した。

 ②では、「進路を考えるきっかけづくりに資する情報提供」「関係機関との連携による多様な進路選択に向けた助言」など、高校生世代に対する支援を強化するとしている。

(解説 2019-01-23付)

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