道教委が全国体力・運動能力等調査報告書 檜山すべて全国以上 “目標”あるほど高得点に(道・道教委 2019-02-13付)
道教委は『三十年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査北海道版結果報告書』をまとめた。体力合計点が全国平均を上回った管内は、小学校の男子で四管内、女子で五管内、中学校男女はそれぞれ一管内。特に檜山は小中男女すべて全国平均以上となった。調査結果からは、体力テストの結果や体力・運動能力の向上に関する目標を立てている児童生徒、近隣の学校間で運動やスポーツに関する連携に取り組んでいる学校ほど、体力合計点が高い傾向にあることが判明。道教委は、授業で目標や振り返りが子どもたちに十分意識されていないことや、運動習慣が十分身に付いていないことを課題とし、一層の授業改善や運動を意識した生活習慣の定着に向けた取組の充実が必要としている。
▼全道の状況
体力合計点の高い順にA~Eの五段階で評価した総合評価をみると、下位となるDE層の児童生徒の割合は依然として全国平均を上回っているものの、小学校の女子、中学校の男女で前年度よりやや減少した。
中学生の調査結果と、当該学年の生徒が小学五年生だった二十七年度調査の結果を比較した結果、男子がAB層で一・六ポイント、DE層で三・五ポイント減少してやや平均化が進行。一方、女子はAB層が一八・〇ポイント増加、DE層が一三・三ポイント減少し、改善傾向がみられた。
▼管内の状況
体力合計点が全国平均を上回った管内は、小学校の男子で後志、胆振、檜山、釧路の四管内、女子で胆振、檜山、留萌、釧路、根室の五管内、中学校男女は檜山のみとなった。
特に檜山は、小・中学校の男女すべて全道一で、いずれも全国平均を上回った。道教委は、調査対象学年以外でも新体力テストを実施して子どもたちの状況を把握していること、実態に合わせ、学校全体で体力・運動能力向上に向けた授業の工夫改善に取り組んでいることなどを要因として分析している。
▼市町村の状況
「大都市・中核都市」「その他の都市」「町村」「へき地」の都市階級区分で体力合計点が最も高いのは、小・中学校の男女いずれも「町村」。これらの要因として道教委では、授業以外の総運動時間が長い傾向にあること、スポーツや運動クラブの加入率が高いことを挙げている。
全国の体力合計点を上回った市町村数の割合は、小・中学校の男女いずれも減少。小学校の男子が前年度比〇・三ポイント減の四九・四%、女子が五・〇ポイント減の四五・八%、中学校の男子が六・五ポイント減の三六・二%、女子が三・一ポイント減の二六・〇%だった。
▼調査結果の分析
小学校の体育の授業では、目標や振り返りを意識している児童ほど、授業で主体的に活動する傾向があり、体力合計点も高いことが分かった。
目標や振り返りが「示されている、行っている」と回答した児童の体力合計点の平均は、男子五四・八五点、女子五六・一〇点といずれも全国平均以上。一方、「示されていない、行っていない」と回答した児童は男子五〇・八四点、女子五二・六三点だった。
さらに、体力テストの結果や体力・運動能力の向上に関する目標を立てている児童生徒ほど体力合計点が高く、肥満児の出現率も低いことが判明。目標を立てている児童生徒と立てていない児童生徒の体力合計点の差は、小学校の男子が六・二九点、女子が五・一七点、中学校の男子が五・八六点、女子が七・七二点となっている。
体力合計点の上位三〇%と下位三〇%の学校における取組を比べた結果をみると、対象学年以外で新体力テストを実施している小学校、近隣の学校間で運動やスポーツに関する連携に取り組んでいる小・中学校で体力合計点が高い傾向がみられた。
道教委は、体育授業で設定した目標や振り返りが子どもたちに十分意識されていないことや、運動習慣が十分身に付いていないなどの状況がみられると指摘。子どもたちが楽しさや達成感を味わうことができる指導方法の工夫や、目標をもって継続的に運動に取り組むことができる機会の創出など、一層の授業改善や運動を意識した生活習慣の定着に向けた取組の充実が必要としている。
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(道・道教委 2019-02-13付)
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