別海町学校施設長寿命化計画案　各校の整備時期など示す　安心・安全な学習環境提供

（市町村 2019-02-18付）

　【根室発】別海町は、町学校施設長寿命化計画案をまとめた。長期的な維持管理の視点から、構想期間を四十年、計画期間を十年間に設定。基本方針「安心・安全な学習環境を提供し、地域に親しまれる開かれた学校施設づくり」のもと、学校ごとの長寿命化改修、ＩＣＴ環境整備などの計画スケジュールを示した。別海中央小学校の長寿命化改修は二〇二〇年度に基本設計を予定している。

　計画は町内の幼稚園、小学校、中学校、教職員住宅について、建物、設備等の老朽化に対応していくために学校施設全体の状況を把握し、児童生徒などが安全で快適な学校生活を送ることができるよう、老朽改修、維持向上、環境性能向上を含め初めて策定するもの。

　長期的な維持管理の視点から、構想期間を四十年、計画期間を十年間（二〇一九～二〇二八年度）とし、社会情勢の変化、事業の進捗状況などを踏まえて、必要に応じ原則五年ごとに見直しを行う。

　各校・園などの構造、幼児児童生徒数、築年数、耐震診断結果、施設関連経費のほか、施設の劣化状況を写真入りで報告。全般的に劣化が顕著な建物のほか、屋上防水等の部位でＤ判定となる施設も多数あったことを明らかにした。

　これらの現状を踏まえ、基本方針「安心・安全な学習環境を提供し、地域に親しまれる開かれた学校施設づくり」のもと、小・中学校は、より良い教育環境の整備のため地域の実情に応じた適正な施設配置を進め、将来の児童生徒数の見込みに応じて、施設の大規模改修や改築、統合など適切な施設規模や仕様を検討。

　施設は長寿命化を図り、体育館や余裕教室はより親和性の高い機能として地域活用するなど地域コミュニティの拠点としての施設づくりを進めることとした。

　さらに、町内を八地区に分け、人口の四〇％以上が居住する別海市街地区を「長期維持管理」（構想期間四〇年は長期的に施設の維持活用を想定）、人口一〇％以上の上春別、尾岱沼地区を「中長期維持管理」（構想期間内二〇～三〇年は中長期的に施設の維持活用を想定）、人口一〇％以下の中春別、上春別、西春別、中西別、上風連地区を「維持管理」（計画期間内一〇年は施設の維持活用を想定）とし、学校施設の配置計画方針も提示。

　維持管理地区は十年ごとに活用方針を再設定し、コストの縮減を図るほか、築後二十年を経過した施設は部位ごとの改修、大規模改修とし、四十年以上を経過した施設は長寿命化改修を原則とした。

　具体的な計画スケジュールをみると、二〇一九年度に野付小学校の外壁と大規模改修、二〇二〇年度から別海中央小の長寿命化改修の設計を予定。

　別海中央中学校は二〇二五年度から長寿命化改修の設計を計画している。

　このほか、学校ごとにＩＣＴ環境整備と照明ＬＥＤ化、放送設備の更新時期を示した。

　計画案については、三月九日までパブリックコメントを受け付けている。

(市町村 2019-02-18付)