道小の本間会長 最新の教育情勢解説 学習評価、英語専科指導など
(関係団体 2019-02-27付)

道小第5回理事研会長あいさつ
中教審部会内容など説明する本間会長

 二十二日に開かれた道小学校長会第五回理事研修会における本間達志会長のあいさつ概要はつぎのとおり。

 教育情勢について、三点話をする。

 一点目は、学校における働き方改革に関する総合的な方策の答申について。

 昨年十二月六日に「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」の素案が出された。素案に対して、全連小は十二月二十一日に、種村会長名で中教審会長あてに意見書を提出している。

 各団体および有識者から出された意見を参考に、一月二十五日に答申が出た。文部科学省のホームページで見ることができる。確認してほしい。

 二点目は、児童生徒の学習評価の在り方について。

 昨年十二月三日に「児童生徒の学習評価の在り方について」の整理案が出された。整理案についても全連小として種村会長名でまとめ、一月九日に中教審の教育課程部会児童生徒の学習評価に関するワーキンググループあてに意見書を提出した。

 学習評価の改善の基本的な方向性についてでは、「挙手の回数やノートのとり方で評価するのは、“主体的に取り組む態度”の評価として適切でないと言い切るのはいかがか」や「主体的に学習に取り組む態度」の評価について「“学習に関する自己調整にかかわるスキル”という文言があり、意志的側面を評価する中で、“スキル”という言葉が使われると混乱してしまうのではなないか」。また、「英語科や総合的な学習の時間、“特別の教科 道徳”の評価についても、評価の観点に即して学習状況の要点を箇条書きとするなど、記述欄を簡略化できるようにしてほしい」など、現場の実態を大切にした内容となっている。

 これらの意見を受け、一月二十一日に中教審教育課程部会から「児童生徒の学習評価の在り方について」の報告が出された。報告書は二十七ページ。二月十五日に行われた全連小理事会において、その資料をもとに、文科省初等中等教育局の松永教育課程課長から詳しい説明があった。

 説明の中では、指導要録の「指導に関する記録」を大幅に簡素化し、文章記述欄は、要点を端的に箇条書きとするなど、必要最小限にとどめる、とあった。道徳の記述についても「端的に」と説明していたので、全連小の意見も考慮されていると考える。

 三点目は、質の高い小学校英語教育の推進のための小学校英語専科指導にかかる加配定数の取扱いについて。

 「教職員定数については、三十年度に引き続き加配定数の改善(プラス一千人で合計二千人)を二〇一九年度予算案に計上した。また、公立小学校においてより質の高い英語教育を行う観点から、別添のとおり“小学校英語専科指導にかかる加配定数の取扱い”を定めた」とある。

 小学校英語専科指導にかかる加配定数を活用する場合の条件として、小学校英語専科教員に求める一定の英語力を四つ挙げている。

 ①中学校または高校英語の免許状を有する者②二年以上のALT(外国語指導助手)の経験者③英検準一級などのCEFRB2相当以上の英語力を有する者④海外大学、または青年海外協力隊もしくは在外教育施設等で、二年以上の英語を使用した海外留学・勤務経験のある者―の四点。

 「実際の専科教員の配置に際しては、より質の高い英語教育を推進する観点から、できる限り教員免許状を有する者の中でも②~④に示す一定の英語力を有した者の配置が望ましいと考えている。

 このため、小学校専科指導にかかる加配定数の配分については、都道府県教育委員会等からの申請に基づき、上記②~④に示す一定の英語力を有した専科教員の配置を計画する際に必要な加配定数を優先的に配分する」とある。

 小学校教員の新規採用における一定の英語力を有する教員の採用を促進する都道府県の取組についてでは、小学校教員の新規採用者について、できる限り上記に掲げた①から④に示す一定の英語力を有する教員の採用を促進する都道府県教育委員会等の取組が重要とあり、第三期教育振興基本計画で都道府県教育委員会等に策定することとされている英語教育改善プランにおいて、「一定の英語力を有する小学校教員の新規採用にかかる取組を盛り込むこと、また、その計画の達成に向けた取組を推進することを小学校英語専科指導にかかる加配定数を活用する場合の条件とする」とあり、英語教育改善プランにおいて、遅くとも二〇二五年度における小学校教員の新規採用者の五〇%以上が①から④に示す一定の英語力を有した者となるよう目標を定めることとして、当該プランを二〇一九年度内に改訂してもらうこととなっている。

(関係団体 2019-02-27付)

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