生徒指導に関する調査報告書―道中　授業改善が自己肯定感に　いじめ防止の取組など

（関係団体 2019-02-21付）

　道中学校長会（橋本直樹会長）は、三十年度『新・生徒指導に関する調査報告書』をまとめた。道内二十地区におけるいじめの防止、早期発見・早期解決や関係機関等と連携した取組を紹介。道徳授業の改善が自己肯定感に、生徒全体によるいじめ根絶の取組が自尊感情の育成につながったことなどの成果を報告する一方、ＳＮＳ上のトラブルが増加していることから、情報収集の手段の工夫、保護者の意識改革の必要性を指摘している。

　道中学校長会は二十九年度に従来実施していた「生徒指導に関する調査」を見直し、「新・生徒指導に関する調査」を開始。二十九年度は不登校、三十年度はいじめ、三十一年度はネットトラブルをテーマに、三ヵ年計画で調査を進めている。

　学校が抱える生徒指導上の課題に校長がどのようなリーダーシップを発揮して課題解決に取り組んできたかを調べることで、今後の学校経営の一助とすることが目的。

　三十年度の報告書では、石狩、札幌市など二十地区におけるいじめの状況、地区内の中学校で行われている対応や取組などを報告。組織的に対応する校内体制や児童生徒のコミュニケーションスキルを測定する子ども理解支援ツール「ほっと」の活用など、各校長が学校経営の立場で参考となる取組を紹介している。

　まとめでは、調査結果をもとに、いじめの未然防止、早期発見・早期解決や、関係機関・家庭・地域と連携した取組について紹介。

　成果として「道徳授業の改善が自己肯定感に、生徒全体のいじめ根絶の取組が自尊感情の育成につながった」「小学校との連携を進める上で、生徒の状況や人間関係、性格などを早めに知ることができ、指導上の対応が迅速だった」などを報告している。

　一方、課題としてパソコンやスマートフォンなどによるＳＮＳ上のトラブルの割合が増加していることを挙げ、情報を素早く収集する手段の工夫、保護者の意識改革の必要性を指摘した。　

(関係団体 2019-02-21付)