道立教育研究所31年度研修講座 いじめ等に特化し開講 小学校外国語はJICAと連携(道・道教委 2019-03-14付)
道立教育研究所は、三十一年度に向けて、各校における今日的な課題解決に重点を置いた研修講座を計画している。いじめや自殺の防止に特化した講座や、高校における「総合的な探究の時間」に関する研修講座などを新たに追加。このほか、小学校外国語教育に関する研修では初めてJICAと連携するなど、内容の更新・拡充を図る。
◆研修後の支援体制充実
現場第一主義を掲げる道研では、各学校や地域がもつ課題や良さを共有・整理し、解決に向かう具体的な研修内容を構想している。
三十一年度は研修後の支援体制を充実。クラウドなどを活用して継続的に情報交換や相談などを行うことで、受講者間における指導案や実践の情報交換、所員との相談・助言のやりとりを共有できる環境を整える。
各校における三十一年度の研修計画に役立てることをねらって、すでに各学校には三十一年度講座一覧のポスターを配布済み。事業案内の冊子も配布する。
研修講座のうち、生徒指導の区分では、新たに、今日的な課題に対応する生徒指導研修「いじめ・自殺の未然防止に向けた組織的対応の進め方」を開設する。これまで、生徒指導の大きな枠組みの中に組み込まれていた事象について、来年度は焦点を絞って特化。喫緊の課題としていじめ・自殺の未然防止などについて取り上げ、対応の在り方について理解を深める。
道教育大学札幌校の平野直己准教授がいじめ問題の対応の在り方、函館校の本田真大准教授が自殺予防の在り方について講義・演習を行う予定。
高校における教育課程編成・実施の区分では、新規講座として、高校の管理職を対象に総合的な探究の時間充実研修「学校全体での取組に向けた副校長・教頭のリーダーシップの在り方」を開講する。
新学習指導要領における総合的な探究の時間の導入に対応。探究活動や教科等横断的な取組のねらいについて理解を深め、教育課程への位置付けや、組織的に取組を進める方策などついて研修する。國學院大學の田村学教授を講師に迎え、講義予定。
カリキュラム・マネジメント実践研修「教育活動の充実に向けた教務部長の関わり方」では、新たに高校向けに特化。教科等横断的な視点による教育課程編成・実施について理解を深め、教務部長の立場から各高校におけるカリキュラム・マネジメントに関する課題解決の方策を考える。
三年間で十四管内すべてで開催する予定。三十一年度は、後志、留萌、宗谷、オホーツク、十勝の五管内で実施。十二月の道教委の教育課程研究協議会と連動できるよう、八~九月にかけて行う。
外国語教育の区分では、小学校外国語教育充実研修「異文化理解と関連した授業づくりの進め方」、中学校外国語教育充実研修「グローバル社会を生きる力を育む授業づくりの進め方」を開設する。
今日的な国際状況を踏まえ、異文化や国際理解に焦点を充て、外国語教育の根本的な視点に立ち戻って授業づくりや進め方について理解を深める。
今回初めて、JICAと連携。三日間のうち、初日はJICA北海道で開催し、職員を講師に模擬授業を取り入れながら、教科等横断的な視点による講義を受ける。
このほか、小学校外国語教育に求められる実践的指導力向上研修「オールイングリッシュによる指導の進め方」、国際教養大学と連携した中学校・高校の外国語教育に求められる実践的指導力向上研修「五つの領域を統合する指導の進め方」では、オールイングリッシュでの授業に対応するため、五つの領域を扱った実践的な指導力や英語力を高め、授業の改善・充実に向けた方策を考える。大学の外国人講師のもと、質の高い示範授業も予定している。
(道・道教委 2019-03-14付)
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