登別明日中等教育が新規事業　地域課題解決へ学び推進　文科省指定3ヵ年計画スタート

（学校 2019-04-11付）

　【室蘭発】登別明日中等教育学校（吉村教賢校長）は、文部科学省の指定を受け、新規事業「地域との協働による高校教育改革推進事業」を3ヵ年計画でスタートさせる。研究開発構想名に「ＡＫＢ　Ｆｕｔｕｒｅ　Ｐｒｏｊｅｃｔ　2ｎｄ　Ｓｔａｇｅ～北海道と世界の明日を創る」を掲げ、地域課題の解決等の探究的な学びを実現する取組を推進。少子高齢化・防災など、地域が抱える社会的な課題の解決策を探る研究開発を通して、グローバルな視点をもってコミュニティを支える地域のリーダーを育成する。

　文科省は、高校および中等教育学校の後期課程において、地域の課題をもとに体験と実践を伴った探究的な学びを実現するため「地域との協働による高校教育改革推進事業」を本年度から開始した。

　市町村・高等教育機関・産業界等との協働によるコンソーシアムを構築し、地域課題の解決などの探究的な学びを実現する取組を行う高校等を指定校として指定。質の高いカリキュラムの開発・実践、体制整備を進める。

　実施期間は、2021年度までの3年間。取組内容に応じて、①地域魅力化型②グローカル型③プロフェッショナル型―の3つの類型を設けた。

　本道においては、グローカル型の指定校として登別明日中等教育学校が選ばれた。

　同校は、平成26年度から5年間、スーパーグローバルハイスクール（ＳＧＨ）の指定校として、グローバル・リーダーに求められる資質「国際的な対話力」「課題解決力」「情報発信力」を育成するため、「食糧問題」をテーマに探究学習プログラムを進めてきた。

　新規事業の研究開発構想名は「ＡＫＢ　Ｆｕｔｕｒｅ　Ｐｒｏｊｅｃｔ　2ｎｄ　Ｓｔａｇｅ～北海道と世界の明日を創る」。

　事業の実施に当たっては、ＳＧＨの実践をもとに、道教委、登別市、登別商工会議所などで構成するコンソーシアムを形成する。

　地域の課題として、「少子高齢化」「防災」「産業」「医療」「観光」を設定し、これらについて、持続可能な開発のための教育（ＥＳＤ）の視点をもって解決の方策を探る。

　なお、文科省では、事業の構想をより多くの学校に広めていく観点から、審査で一定の評価を得た学校を「地域協働推進校（アソシエイト）」として設置する。予算上の支援はないが、取組発表や研究協議などを行う「全国サミットへの参加」や、取組内容を分析する「評価システムの実証研究への参画」などを通して、実質的な指導助言を行う。

　アソシエイトは後日、文科省のホームページで公表する予定。

(学校 2019-04-11付)