31年度石狩管内教育推進の重点 本道教育リードする気概を 小・中学校長会議で岩渕局長説明(道・道教委 2019-04-12付)
岩渕隆局長
石狩教育局は9日、札幌市内の道第2水産ビルで31年度管内小・中学校長会議を開いた。岩渕隆局長が管内教育推進の重点を説明。「社会で活きる力の育成」「豊かな人間性の育成」「健やかな体の育成」「学びを支える地域・家庭との連携・協働の推進」「学びをつなぐ学校づくりの実現」「学びを活かす地域社会の実現」の6点を掲げ、「本年度も引き続き“石狩教育が北海道教育をリードする”という気概をもって、手腕を大いに発揮していただくよう期待を申し上げる」と呼びかけた。管内における教育推進の重点はつぎのとおり。
【はじめに】
石狩教育局は、「北海道教育推進計画」の30の施策項目に示された指標を5ヵ年で達成するために、単年度ごとに重点的に取り組む項目をピックアップし、31年度は11項目を重点として示した。
この11項目について、30年度からの変更点と推進の視点を中心に説明する。
【前年度からの変更点】
31年度は目標1に「理数教育の充実」を追加し、30年度の目標2の「コミュニケーション能力の育成」と目標3の「食育の推進」を除いている。このことについて、概要を説明する。
▼「理数教育の充実」の追加
現在、日本はAIとその基礎となる数学や情報科学に関する教育の推進における教育体制の構築と人材育成が喫緊の課題となっている。
こうした国の状況を踏まえ、観察・実験を重視した探究的な学習や実社会とのかかわりを意識した数学的活動の充実を図る必要があると考えた。
以上のことを踏まえ「推進の視点」として「普段の生活との関連を意識した授業の充実」「観察、実験を重視する授業の充実」をキーワードで示した。
▼除いた項目について
▽コミュニケーション能力の育成
本年度の目標1の1つ目にある「義務教育における確かな学力の育成」の「“主体的・対話的で深い学び”の実現に向けた授業改善」において一体的に取り組むことで、より確実な推進が可能であると考えた。
▽食育の推進
本年度の目標4の「学びを支える地域・家庭との連携・協働の推進」、目標6の「学びを活かす地域社会の実現」において一体的に取り組むことで、より確実な推進が可能であると考えた。
石狩教育局としては、「コミュニケーション能力」や「食育の推進」が大切であるという認識は変わらない。こうした資質・能力の育成や教育活動の推進に当たっては、その質を向上させ、学習の効果の最大化を図る観点から、特にカリキュラム・マネジメントに努めていただくようお願いする。
つぎに、継続する項目について、特に留意いただきたい内容を「推進の視点」にふれながら説明する。
【社会で活きる力の育成】
▼義務教育における確かな学力の育成
視点「見通し、振り返りの確実な位置付け」を意識した授業改善に取り組んでいただくようお願いする。
▼特別支援教育の充実
視点「個別の教育支援計画の作成と引継ぎ等への活用」にこれまで以上に意識的に取り組んでいただくようお願いする。
▼国際理解教育の充実
各小学校において、視点の「外国語科、外国語活動に係る学級担任を中心とした指導体制の整備(小)」に取り組んでいただくようお願いする。
各中学校においては、「全国学力・学習状況調査結果の分析を踏まえた授業改善(中)」に取り組んでいただくようお願いする。
【豊かな人間性の育成】
▼道徳教育の充実
視点「“考え、議論する道徳”の実現に向けた授業改善」に向け、充実した取組を推進していただくようお願いする。
▼ふるさと教育の充実
視点「施設や人材を活用するなど体験を通した学習の実施」などの取組を確実に進めていただくようお願いする。
▼いじめの防止や不登校児童生徒への支援の取組の充実
視点「“学校いじめ防止基本方針”に基づく取組の充実」について、各学校で改訂された学校いじめ防止基本方針に基づく取組として、例えば、児童生徒がいじめの問題等について、主体的に考える場を設定するなど未然防止に取り組んでいただくようお願いする。
【健やかな体の育成】
▼体力・運動能力の向上
視点「新体力テストの全学年・全種目実施」に取り組み、小学校第1学年から新体力テストを実施することによって、経年で児童生徒一人ひとりの体力の状況を把握し、体力向上の取組を推進いただくようお願いする。
【学びを支える地域・家庭との連携・協働の推進】
▼学校と地域の連携・協働の推進
視点「家庭や地域社会との連携および協働」を、自校の育成を目指す資質・能力とのつながりを明確にした上で取り組んでいただくようお願いする。
【学びをつなぐ学校づくりの実現】
▼学校段階間の連携・接続の推進
各小学校においては、視点の「スタートカリキュラムの編成と実質化」について、幼児教育施設と連携して取り組んでいただくようお願いする。
各学校においては、「小中の教育課程に関する共通した取組の充実」として、例えば、教科の教育課程接続や教科に関する共通の目標設定などに取り組んでいただくようお願いする。
【学びを活かす地域社会の実現】
▼生涯学習の振興
視点「学んだ成果を生かした社会参画の促進」に取り組むとともに、例えば、地域づくりにつながる学習活動の機会の充実や生涯学習を推進する人材育成の取組を進めていただくようお願いする。
【むすび】
本年度も引き続き「石狩教育が北海道教育をリードする」という気概をもって、組織のトップとして、手腕を大いに発揮していただくよう期待を申し上げる。
教育局としても、市町村教育委員会や校長会、さらには、校長一人ひとりと、これまで以上に連携を密にしながら、石狩教育の質の向上に努めていくので、一層の協力をお願いする。
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(道・道教委 2019-04-12付)
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