自殺予防等に関する研究開発事業―札幌市教委　ストレス管理など重点に　北大共同研究の指導資料活用

（市町村 2019-04-17付）

　札幌市教委は本年度、研究開発事業「自殺予防等、生命を尊重する心の育成」について、ストレスマネジメントや「ＳＯＳの出し方教育」などをテーマに研究を進める。北海道大学との自殺予防対策共同研究事業の成果を踏まえて行う。授業公開などを実施し、自殺予防に関する教育の普及・啓発を図る。

　実践研究は、札幌市学校教育の重点における豊かな心の育成の中の「命を大切にする教育」として実施するもの。互いに尊重し、支え合いながら、ともにより良く生きようとする態度を子どもたちに身に付けさせることを目指して研究を進める。

　市教委は27年度から3年間、北大との「自殺予防対策共同研究事業」を実施。自殺未遂者への面談やその要因分析などを通して、授業の指導案、指導資料を作成した。

　前年度は、共同研究の成果を踏まえ、「ストレスコーピング（対処）」「ＳＯＳの出し方教育」をテーマに実践研究を実施した。

　本年度のテーマについては、「ＳＯＳの出し方教育」を継続する一方で、「ストレスコーピング」を発展させ「ストレスマネジメント」を設定。ストレスに対処し軽減させる方法だけではなく、心身を良好に保つための管理方法を研究する。

　研究は、市内小・中学校の教職員や道教育大学札幌校教授、札幌市スクールカウンセラースーパーバイザーなどで構成する実践研究会を中心に行う。研究の成果は、公開授業などを通じて、広く普及・啓発していく。

(市町村 2019-04-17付)