留萌市31年度教育行政執行方針 9年間見通し学校間連携 ICT活用で授業改善(市町村 2019-04-18付)
留萌市教委・武田浩一教育長
【留萌市】留萌市教委の武田浩一教育長は、31年度教育行政執行方針において、中学校教諭による小学校への乗り入れ授業など学校間の連携・接続を通して、9年間を見通した組織的・計画的・継続的な取組を着実に進めていく方針を打ち出した。また、ICTを効果的に活用した授業改善を進めていく考えを示した。執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育の充実】
▼確かな学力を身に付けるための教育の充実
学校間の連携・接続の推進については、各中学校区における交流授業や中学校教諭による小学校への乗り入れ授業の実施、小・中学校共通の学習規律の定着など、9年間を見通した組織的・計画的・継続的な取組を着実に推進していく。
ICT教育については、新学習指導要領の実施に向けた教育の情報化に対応するため、市ICT整備計画に基づき、前年度、すべての小・中学校において更新したICT機器を安心して活用できる環境整備を進め、指導用のデジタル教科書の整備や各校への定期的なICT支援員の派遣を行うなど、ICTを効果的に活用した授業改善や指導方法の工夫改善、情報化社会に主体的に対応していく教育を推進していく。
外国語教育の充実については、2人の英語指導助手を活用し、小学校においては、新学習指導要領の全面実施に向け、校内の指導体制を確立し、中学校においては、小学校の学習内容を踏まえ、授業改善を図る。
児童生徒の確かな学力の育成については、昨年の全国学力・学習状況調査において半数の教科が全国平均を上回り、大きな成果を上げていることから、今後も検証・改善の確立に取り組み、組織的に主体的・対話的で深い学びの視点を大切にした授業改善や、学校と家庭が連携した望ましい生活習慣の確立に向けた取組の充実に努めていく。
また、児童生徒の実情に応じた学びの支援については、特別な教育的支援を必要とする児童生徒に対し、関係機関と連携を図り、個別の教育支援計画の充実に努めるとともに、特別支援教育支援員を適切に配置し、個に応じたきめ細やかな指導に引き続き取り組んでいく。
▼豊かな心の育成
郷土に愛着と誇りをもつ教育については、「留萌人(るもいびと)」の生き方にふれる機会の充実や地域資源を活用したふるさと学習の機会の充実を図り、特に日本一の生産量を誇るかずの子について学ぶ授業の充実や、かずの子給食の取組を進めていく。
道徳教育の充実については、特に「特別の教科 道徳」が中学校においても本年度から全面実施となり、考え、議論する道徳の授業実践や評価の在り方も含めた指導方法の一層の充実に努めていく。
▼教職員の資質・能力の総合的な向上
教職員としての必要な資質・能力の向上のために、自主的に参加する研修に対する予算の措置や小学校における英語の教科化による新たな教科課題などの研究を市教育研究協議会に委託するなど、教育水準向上のための調査研究に対し、支援していく。
▼信頼される学校づくりの推進
導入から2年目を迎えるコミュニティ・スクールについては、今後より一層地域全体で子どもたちの成長を支える学校と地域の連携・協働体制の構築・強化に向けた取組を進める。
学校力の向上については、学校力向上に関する総合実践事業の取組の成果を踏まえ、管理職のリーダーシップのもと、全校が1つのチームとなった包括的な学校改善を推進し、若手職員や将来のスクールリーダーを継続的に育成する仕組みを構築していく。
特色ある学校づくりについては、校長裁量予算を配分し、それぞれの学校が創意工夫によって学校運営を積極的に取り組めるよう支援していく。
教職員の時間外縮減については、市独自の学校事務補助員の配置の継続や道が運用する統合型校務支援システムの本格導入などを進めていく中で、子どもたちと向き合う時間の確保に努めていく。
また、学校における働き方改革「留萌市アクションプラン」に基づき、教職員が健康で生き生きとやりがいをもって勤務しながら、学校教育の質を高めていくことのできる環境の整備に取り組んでいく。
【教育環境の充実】
▼児童生徒の安全対策の充実
スクールガードリーダーの配置や市通学路安全推進協議会を中心とした関係機関による情報共有や合同点検、中学校への防犯カメラ設置など、交通安全や防犯、防災の観点から地域ぐるみで児童生徒の安全確保に取り組んでいく。
▼教育環境の維持向上
学校の適正規模化については、市内のほとんどの学校が標準的な学校規模に満たない状況であることから、市立小・中学校の適正規模等に関する基本方針に基づき、子どもたちの望ましい教育環境を最優先に考えた教育環境の整備に努めていく。
(市町村 2019-04-18付)
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