道小が全道会長研修会開く 働き方改革など説明 開会あいさつで大石会長(関係団体 2019-06-20付)
大石幸志会長
道小学校長会(大石幸志会長)は14日、ホテルライフォート札幌で令和元年度全道会長研修会を開いた。大石会長は、全連小の活動や文部科学省の行政説明について述べ、学校における働き方改革や小学校教員採用試験の倍率などにふれた。また、学習指導要領や学力・体力の向上など、6つのテーマに基づき20地区の代表者が発表。教育の質を確保した上で学校の働き方改革を進めるため、校長のリーダーシップ、マネジメント、創意工夫の必要性を確認した。
大石会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
▼全連小の活動
全連小の活動は、対策部、調査研究部、庶務部、会計部、広報部の5部構成となっており、特に、対策部、調査研究部では、国に対する要望活動やエビデンスのための調査活動を行っている。例えば、標準法委員会は、教職員定数の改善などについて全国調査を実施して、その結果を研究紀要にまとめる。
研究紀要は、文部科学省もエビデンスとして活用している。このような調査活動は、他の委員会でも行っている。道小の幹事が標準法委員会をはじめ、6つの委員会に所属して活動している。
全連小が国会議員や文科省・中教審に提出した意見書では、「働き方改革答申素案に関する意見」が出ているが、取組に自治体格差や首長の考え方が根底にあることを意見として出している。これは、各地区の取組状況の意見交流や調査などから明らかになったことである。
全連小と道小のつながりが、このような部分に表れている。
▼文部科学省の行政説明
文科省初等中等教育局の滝波泰教育課程課長が、柴山文科大臣が中教審に諮問した新しい時代の初等中等教育の在り方(諮問概要)について講演した。
義務教育9年間を見通した学級担任制、教科担任制という言葉が使われている。小中の境を越えた人事的な配置を示唆している。
働き方改革に関する総合的な方策についての答申では、上限のガイドライン月45時間、年360時間という目安が出ている。道教委では、このガイドラインをもとにアクション・プランの見直しが始まっている。
学校のやるべきことも示されており、校長が業務を大胆に削減すること、その例として、夏季休業中のプール指導、勝利至上主義の早朝練習、内発的な研究意欲がない形式的な研究指定校、運動会の過剰な準備などが示されている。
工程表から、本年度は、留守電の設置、行事の見直し、休み時間・清掃時間の役割分担・適正化、総合的な学習の時間の一定割合について、学校外での学習を一部授業として位置付けることの検討などが予定されている。
「学校の働き方改革」公式プロモーション動画と「公立学校の校長先生のためのやさしい勤務時間管理講座」を見てほしいと話していた。
初等中等教育局・合田哲雄財務課長の行政説明では、学校の働き方改革、学習指導要領の全面実施など教育の質の向上、4月17日に示された「新しい時代の初等中等教育の在り方」の総合的見直しに関する諮問などについて話があった。
学校の働き方改革について、勤務時間のガイドライン、月45時間・年360時間という上限を、そのトリガーとして示したこと、続いて、民間企業の現状を言及した。
働き方改革推進法が成立し、この4月から大企業では、罰則付きで月45時間・年360時間の上限規定になったことで、文科省として、このような環境と大きく異なる環境の職場、つまり学校には人が集まらなくなるという大きな危機感を抱いていると述べている。
働き方改革の答申にある学校の行事等の削減について、登下校時の見回り、給食費の徴収など教師でなくてもできる仕事だと明確に整理したことに加えて、地域の保護者の期待に応えることを重視した運動会の過剰な準備、入場行進のためにあれほど時間をかけなくてもよいのではないかと述べていた。
また、本来家庭が担うべき休日の地域行事の参加の取りまとめなどは大胆に削減すべきとし、「昨年こうだったから、ことしもやらなければならない」とか、「地域から求められているので自分の代でやめることはできない」などの考えではなく、これからは限られた貴重な資源である時間を何に優先させて使っていくかを真正面から考えて大胆に削減していただきたいと求めている。
小学校の教員採用倍率急落について、2000年には12・5倍が、2018年には3・3倍になっている現状を、新聞報道では学校がブラックだから志願者が減っていると書いてある。
これは間違いと指摘し、2000年に比べて志願者は実に6000人増えていて、倍率が低下しているのは、分子の問題ではなく分母の問題と指摘している。採用者数が4000人から、実に4倍の1万6000人に増えているとのことである。
学校の教員の年齢構成にふれ、一部の自治体では、この事態を見通して、再任用を積極的に進める、ミドルリーダーを外から取っており、そのような自治体は、倍率はそれほど下がっていないこと、急落している所は、退職した数をそのまま新卒に回していっているとのこと。
小学校高学年の心身の発達や指導内容の高度化は、担任が一人で朝から晩まで面倒をみることが難しくなっているという指摘があり、対応するためには、定数改善に加えて、基礎自治体を越えてでも、小中学校を超えた教職員配置による小学校高学年の完全な教科担任制の実施も必要であることにふれている。
(関係団体 2019-06-20付)
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