道教委資料「体罰の要因分析」 感情コントロールを アンガーマネジメント有効
(道・道教委 2019-06-27付)

 道教委は、平成30年度に発生した体罰事案について分析した資料『体罰の要因分析』をまとめた。体罰に関する実態把握の調査結果をもとに、発生状況や体罰に至った要因などを分析。アンガーマネジメントを有効な手段として怒りの感情をコントロールすることを学び、指導に生かす必要性などを指摘している。

 体罰に関する実態把握の調査は、体罰に関する実態把握と体罰事故防止の徹底を図ることを目的に24年度から実施しているもの。

 資料は、30年度に発生した体罰事案について発生状況などを分析し、体罰防止に向けた今後の取組の充実につなげることをねらいに作成した。

 30年度の調査結果をみると、体罰件数は、前年度比7件減の14件と大きく減少し、今回判明分は1件のみ。被害を受けた児童生徒数は15人減の19人となった。

 体罰に至った要因について、指導の過程で自分自身の感情をコントロールできないケースが大半となっていることから、「アンガーマネジメントを有効な手段として実践し、怒り感情をコントロールすることを学び、指導に生かす必要がある」と分析。

 また、児童生徒が指導に従わない場面をなくすため、教職員がコミュニケーション能力の向上を図るなど、生徒指導の力量を高める必要性を指摘している。

 研修の実施に対する教職員の意識をみると、「アンガーマネージメント」という言葉を知っている教員の割合が95・8%、アンガーマネジメントを意識して児童生徒を指導している教職員が89・9%。これに対して「いずれの割合も毎年度上昇し、職員のアンガーマネジメントに関する意識が高まっている」とし「アンガーマネジメントについて、知識として理解するだけでなく、研修や日々の指導等を通じて身に付け、指導の場面で生かす必要がある」と分析している。

 道教委は、指導資料『望ましい指導の在り方』などを活用し、自ら体罰を起さないための感情のコントロールを身に付けるさせるため、アンガーマネージメントに関する事例研究を行う大切さなどを呼びかけている。

(道・道教委 2019-06-27付)

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