中1ギャップ未然防止事業―道教委  新規に3中学校区 全14管内で取組推進
(道・道教委 2019-06-26付)

 道教委は、本年度の中1ギャップ問題未然防止事業の推進地域、推進校を決定した。苫小牧市立明野中学校など新規3中学校区を含む15中学校区を推進地域に決定した。小・中学校が緊密に連携し、児童生徒の人間関係を築く能力の育成、学習指導や生活指導の円滑な接続を図る取組を進める。事業開始の平成26年度以降、14管内すべてで取組が進められるのは本年度が初となる。

 道内では、小学校6年生が中学校1年生に進学した際、不登校の子どもや、いじめの認知件数が増加する傾向がみられる。

 道教委は、「社会的スキルの定着が不十分など個人的・家庭的な要因などを抱えた子どもが、学習環境、生活環境などの大きな変化に適応できない」と、小・中学校間の接続の問題(中1ギャップ)が要因の一つと分析する。

 事業は、子どもの人間関係づくりの能力の育成、小・中学校間の連携の促進とともに、家庭や関係機関との情報共有を図るなど、中1ギャップ問題解消の取組を実施するもの。

 本年度は、前年度と同数の15中学校区を推進地域に決定。このうち、苫小牧市立明野中学校など4中学校区が新規となる。

 中学校区を含む域内の小学校は4校減の29校。これによって、4校減の計44校が推進校となる。

 各推進地域では、中学校区を単位とした「中1ギャップ検討委員会」を設置。推進校が連携し、校区の中1ギャップ解消プランを作成する。

 推進地域・推進校では、人間関係づくりの能力の育成を図る小・中学校の円滑な接続に向けた取組を推進する。

 具体的には、よりよい人間関係を築くための社会的スキルを育成する活動の教育課程への適切な位置付け、学校行事、児童会・生徒会活動など小中連携の取組を行う。

 また、子ども理解支援ツール「ほっと」や生活アンケートの実施と分析、教育相談や学習・生活に関する記録に基づく小中合同の事例研究・実践交流などを実施する。

 学習指導、生活指導での円滑な接続に向けては、小中一貫した学習規律・生活規律の改善、9年間を見通した指導の推進、小・中相互の授業参観や出前授業など指導方法・指導体制の充実、家庭学習の内容や方法に関する連携などの取組を進める。

 このほか、いじめ根絶に向けた小・中合同の子ども会議などの児童生徒主体による取組や、生活リズムや家庭での過ごし方に関する家庭との連携の充実などにも取り組む。

 推進地域(中学校区)および推進校はつぎのとおり。

▼空知

▽滝川市立明苑中―滝川第三小、東小

▼石狩

▽石狩市立樽川中―南線小

▼後志

▽小樽市立朝里中―朝里小、豊倉小

▽共和町立共和中―東陽小、西陵小、北辰小

▼胆振

▽苫小牧市立明野中(新)―明野小

▼日高

▽新ひだか町立静内中―静内小

▼渡島

▽長万部町立長万部中―長万部小、静狩小

▼檜山

▽江差町立江差中―江差小、南が丘小

▼上川

▽美瑛町立美瑛中(新)―美瑛小、美瑛東小、美沢小、明徳小

▼留萌

▽天塩町立天塩中―天塩小、啓徳小

▼宗谷

▽浜頓別町立浜頓別中(新)―浜頓別小、頓別小

▼オホーツク

▽斜里町立斜里中―斜里小、朝日小

▼十勝

▽音更町立下音更中―下音更小、鈴蘭小

▼釧路

▽釧路町立遠矢中―遠矢小

▼根室

▽中標津町立中標津中―中標津小、丸山小

(道・道教委 2019-06-26付)

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