石狩小学校校舎利活用検討委　歴史施設として保存を　市教委に意見書提出

（市町村 2019-06-27付）

特徴的な円形校舎の石狩小学校

　石狩小学校校舎利活用検討委員会は２１日、石狩市教委の鎌田英暢教育長に意見書を提出した。学校統合に伴い、歴史館的施設として保存・活用する石狩市立石狩小学校の今後の方向性を提示。特徴である円形校舎を生かすことや、多言語表記に対応することなど４点を要望した。

　石狩小は明治６年開校し、昭和３１年に現校舎建設。円形校舎、増築校舎、屋内運動場から成り立つ。特徴的な円形校舎を有し、「缶詰校舎」の愛称で長く地域住民から親しまれてきた。

　市教委は令和２年４月に石狩小と八幡小学校の統合を予定。統合後は、石狩小の生徒は八幡小の校舎を使用する。

　学校統合に向けた地域との話し合いの際、校舎の保存を望む意見が多数挙がった。市教委は平成３０年７月、石狩小学校校舎利活用検討委員会を設置。統合後の石狩小校舎を、まちの歴史文化を後世に伝える歴史館的な施設として保存・活用する方向性を打ち出した。

　６回にわたる会議と一般からの意見募集、意見交換会を経て意見書を作成。２１日、鎌田教育長へ提出した。

　意見書は、①珍しい円形校舎の特徴を十分に生かす②鮭に関する展示については、歴史・文化だけでなく、生物としての観点からも検討する③円形校舎の企画展示室においては、石狩ゆかりの芸術作品の展示にも対応できる設備とする④館内案内や解説パネルなどを多言語表記とする―の４点を要望。

　また、既存の「いしかり砂丘の風資料館」との２館１セットで石狩の歴史・自然を伝えることを提案した。いしかり砂丘の風資料館には、本町地区の歴史展示と本町地区ガイダンスの機能を導入。石狩小校舎には講座の開催などの教育普及や、博物館活動の拠点としての利用を検討している。

(市町村 2019-06-27付)