これからのへき地・小規模校教育充実研修 効果的な学級経営理解 道研と道教育大が連携
(道・道教委 2019-07-12付)

道研へき地小規模教育研修
遠隔システムで4会場を接続し、27人が受講した

 道立教育研究所は9日、道教育大学と連携してこれからのへき地・小規模校教育充実研修基礎編「少人数・複式学級における効果的な指導の進め方」を開いた。道教育大札幌駅前サテライトを主会場に、旭川校、釧路校、函館校の4会場を双方向遠隔システムで接続して開催。道教育大へき地・小規模校教育研究センターの川前あゆみ副センター長による講義・演習などを通して、少人数の良さを生かした効果的な学級経営・学習指導への理解を深めた。

 両者が共同で研修を企画・運営するのは初。

 少人数および複式学級における学級経営・学習指導をテーマに基本的な指導法への理解を深め、実践的な指導力を高めるとともに、新しい授業の改善・充実に向けた方策を考えることが目的。小規模校および複式学級を有する学校の小・中学校の教諭27人が受講した。

 グループ別に意見交流し、課題の明確化を図ったあと、川前副センター長が「少人数および複式学級の学級経営・学習指導」をテーマに講義・演習。へき地・小規模校教育の基本的な考え方や指導法を確認したほか、少人数の良さを生かした学級経営・学習指導について、人間関係づくりなどの視点から解説した。

 全国の中でも、特に本道では学校の小規模校化が進んでいることから、道内には様々な実績・実践が積み上げられていることを説明。へき地・小規模校の指導方法は都市部・大規模校にも応用できる可能性があり、あらためて注目されていることを紹介し、「道内の経験値を全国に発信できれば」と展望した。

 へき地・小規模校のマイナスイメージを協議し、あえて正反対に評価する発想の転換を行いながら、へき地・小規模校の良さを整理。「教師と子どもの信頼関係を形成しやすい」「異年齢・異世代との関係をつくりやすい」「子どもの発言機会を増やしやすい」「教師同士も意思疎通を図りやすい」などの利点を挙げた。

 また「少人数であることがマイナスであるとしたら、小規模校に合った指導を意識的に追究していないのではないか」と指摘。少人数に合った社会性の育成や協同性を意識した活動などを取り入れるよう呼びかけ、基本的な指導方法を解説した。

 つぎに、ニセコ町立近藤小学校の山田恵教諭が「効果的な学級経営・学習指導の進め方~一人ひとりが生き生きと主体的に学ぶ授業を目指して」と題して実践発表。自己肯定感を育てる学級づくりや主体的に学ぶ児童の育成など、へき地・複式学級における効果的な実践を紹介した。

 このあと、「新しい授業の改善・充実」と題して演習。各会場に配置された同大の講師陣による助言を受けながら、少人数・複式学級の良さを生かした学級経営・学習指導や、自身の授業改善・充実に向けた方策などを検討・協議した。

(道・道教委 2019-07-12付)

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