釧路で道高校理科研究会が大会 新たな未来を拓く理科(関係団体 2019-08-02付)
全道各校から理科系の専科教諭らが参加した
【釧路発】道高校理科研究会(=北理研、尾崎寿春会長)は、きょう2日までの3日間、釧路市生涯学習センターなどで研究大会を開いている。全道から理科系の専科教諭を中心に約120人が参加。講演会や研究発表などを通して、大会主題「新たな未来を拓く理科教育」に迫った。
62回目となる全道大会は、釧根支部が主管。大会の副主題には、「科学的に探究する力を育む授業の研究と実践」「知識・技能を活用する授業の研究と実践」など5つを設定した。
初日の開会式では、尾崎会長(市立札幌平岸高校長)があいさつ。近年の教育を取り巻く状況の変化にふれた上で、「生徒がどのように学びたいかが授業改善の指針」と指摘し、社会における価値観の変化に伴い、学校や理科教育も変わっていく必要性を説いた。
大会事務局を代表してあいさつした釧路明輝高校の吉田光利校長は、釧路の豊かな自然環境や多様な食文化にふれた上で「思う存分研究協議していただき、実りある3日間にしてほしい」と呼びかけた。
理科教育功労賞などの受賞者を表彰したあと、総会を開催。2年後に札幌市で開かれる全国大会に向けて準備を進めることなどを確認した。
講演会では、釧路湿原自然再生協議会の矢部敦子氏が「釧路湿原の保全と再生」について解説した。引き続き、研究部報告、理科授業実践交流、研究発表を実施。最後に懇話会を行い、初日を終えた。
2日目は研究協議を行ったあと巡検。テーマ「釧路市周辺の環境保全と持続可能な開発」のもと、白糠町内の太陽光発電所や釧路市内の阿寒国際ツルセンターを視察した。
3日目も巡検を予定しており、阿寒湖でまりもを観察。釧路市教委阿寒生涯学習課の尾山陽一主任から説明を受け、その生態を学ぶ。
◆5分科会が研究発表など
大会では、物理、化学、生物、地学、理科総合の5つの分科会に分かれて研究発表等を行った。
各分科会4~5人が研究成果を発表し、共有。また、理科総合以外の分科会では、研究協議を実施。実験を効果的に取り入れる方法や、主体的・対話的で深い学びの推進について活発に議論した。
各分科会の研究発表の発表者、研究協議の進行・提言者はつぎのとおり。=敬称略=
【物理分科会】
▼研究発表
▽河田淳一(滝川)=音速・超音速測定実験
▽李家健(中標津)=ルーブリック評価を用いた確認レポートの実施
▽山田高嗣(札幌第一)=ICT機器を用いた物理実験動画の測定・分析授業
▽佐々木徹(紋別)=ラズベリーパイと距離センサーを用いた単振動の周期測定方法
▼研究協議
▽佐藤革馬(札幌山の手)、稲子寛信(札幌南)=実験や演習を効果的に取り入れた魅力ある授業デザインⅡ
【化学分科会】
▼研究発表
▽杉山剛英(立命館慶祥)=蒸気圧降下を見る実験
▽五十嵐美野莉(静内)=化学基礎導入における実践をした1年後
▽藤田啓太郎(室蘭栄)=金属の単位格子模型の教材開発
▽=谷成樹(石狩南)=寒天接触型電池を用いたイオン化傾向の探究
▼研究協議
▽伊藤宇飛(帯広柏葉)=知識・技能と活用する科学の授業
【生物分科会】
▼研究発表
▽高田将寛(標津)=標津高校・自然環境系科目の取り組み
▽堀口人士(帯広三条)=生徒が主体的に学び、思考力・判断力・表現力を身につける授業方法の研究
▽中島憲(札幌稲雲)=連鎖と組換えの授業法
▽梅沢謙(札幌藻岩)=北理研の仕事を現任校の学校課題に還元する
▽梅田浩士(北広島)=「絶滅したエゾオオカミ」を題材にした生態系の学習
▼研究協議
▽村山一将(札幌創成)=生物の授業で、主体的・対話的で深い学びをどうつくるか
【地学分科会】
▼研究発表
▽武田幸大(穂別)=地学基礎における道徳の4領域を育てる実践の研究
▽林正大(富良野)=生徒のイメージを大切にした授業の実践紹介・第2報
▽飯島卓也(有朋)=生徒からの発信を逃さない授業を目指して
▽池端淳佳(釧路明輝)=人工衛星データ解析ソフトの活用
▼研究協議
▽佐藤誠(札幌西)=生徒の深い学びを促す発問や問題作成について
【理科総合分科会】
▼研究発表
▽河端将史(標茶)=問いを生み出す授業の実践について
▽安東周作(北見北斗)=科学リテラシーテストを用いた学びのデザイン
▽中道洋友(札幌北)=理科部指導のノウハウと総合的な探究の時間での課題研究
▽佐々木淳(北見北斗)=惑星表を使ったデータ活用トレーニング
(関係団体 2019-08-02付)
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