道造形教育連盟が研究大会 造形活動の在り方探究(関係団体 2019-08-06付)
道内各地から350人が参加し、研鑚を積んだ
【旭川発】第69回全道造形教育研究大会道北ブロック大会が7月30日、旭川市立永山中学校を主会場に開かれた。道造形教育連盟主催。道内各地から約350人が参加。研究テーマ「“わたし”を映す」のもと、公開授業と、それに連動した分科会を実施。あすの授業につながる大会に向け、日ごろの実践を交流し、図工・美術教育の専門性を高め合った
道造形教育連盟では、研究主題を「“わたし”を創る~今を生きる、共に生きる造形教育」と設定。①“今”“わたし”が生きる造形活動の在り方とは②“わたし”が高まる“共に生きる”造形活動の在り方とは―の2点の研究に取り組んでいる。
開会式であいさつに立った森長弘美会長は、新学習指導要領の内容にふれ、「私たちが進めてきた造形教育はまさに“主体的・対話的で深い学び”を形にしたもの」と強調。
また、幼保小中高の美術にかかわる指導要領で共通する理念は「創造性」「創造する力」であるとした。
また、「私たちが培ってきた研究が授業に生かされるときであり、子どもたちの個性に合わせた的確な支援・指導によって、創造性を豊かにする造形教育をさらに深めていかなければならない」と呼びかけた。
続いて、上川教育局の河野秀平局長と旭川市教委の黒蕨真一教育長が祝辞に立った。
河野局長は「具体的な子どもの姿や手立てを通して、幼稚園、小・中学校、高校での公開授業や研究協議を行い、造形教育の今日的な課題解決に向けて研究を深められるのは大変意義深い」と述べた。
黒蕨教育長は「道造形教育連盟の実践研究の成果が全道に向け、旭川から発信されることは大きな喜び」と述べ、大会の成果に期待を寄せた。
開会式終了後、札幌市造形教育連盟や十勝造形サークルなどによる「造形まつりin全道造形」を開催したほか、公開授業に関連した11の分科会で日常の実践について交流した。
また、道立旭川美術館において10年以上続いている中学校美術部による鑑賞会を公開。
旭川地域連携アートプロジェクトによる美術館と大学、上川旭川美術部連携協議会との連携の一端を披露した。
◆感性と想像力働かせ 旭川市北門中2年「CM鑑賞」
旭川市立永山中学校を主会場に開かれた第69回全道造形教育研究大会道北ブロック大会では、幼稚園4本、小学校5本、中学校4本、高校1本の授業を公開した。
うち、旭川市立北門中学校の鳥本匡洋教諭が指導する2年4組(生徒数37人)の授業では、「CMを鑑賞しよう」を展開。CMの映像から、美的感覚を働かせて主題や表現の意図と演出の工夫などについて考えさせた。
導入では、静止画と動画の違いについて考えさせるため、絵画とビタミン炭酸飲料のCMを鑑賞。また、CMによる演出の工夫に気付かせるようタブレットPCを活用してシーンごとに、相手に何を伝えたいのか考えさせた。
その上で、課題として「CMの魅力と造形的な工夫について考えよう」を提示し、3人グループになって、気付いたことをプリントに記入させながら意見を交流した。
全体発表では、「若い人を起用することで、青春っぽさが演出されていた」「走り続けている主人公から、急いでいるシーンであることが予測できる」「宣伝したい飲み物のイメージと、演出を連想させている」などの意見が挙がった。
最後に、鳥本教諭は映像には相手に伝えるために様々な情報と工夫があることを説明。
「これからどんな工夫がされているのか考えながら見てみてほしい」とまとめ、映像から自身の感性と想像力を働かせて楽しみながら鑑賞することを生徒に伝えた。
(関係団体 2019-08-06付)
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