道立美術館30年度運営状況 三岸美術館―高評価に 函館美術館―文化振興等で全施設初A 道教委まとめ(道・道教委 2019-08-23付)
道教委は、道立美術館の運営状況に関する平成30年度評価結果を公表した。三岸好太郎美術館は、基本的運営方針の2項目で「A」、その他4項目で「B」を達成。特別展示のブリヂストン美術館展では、開館以来最高の入場者数を記録するなど、対象5館で最も高い評価を得た。函館美術館は「豊かな人間性を育む学習の場と美術情報の提供」「地域文化の振興」の2項目で「A」を獲得するなど、前年度から評価が大幅に上昇した。結果、全施設の評価項目で「C」以上となっている。
道教委は、道立美術館の基本的運営方針に基づく事業成果を検証するため、28年度から運営状況を評価。29年度運営状況から評価結果を公表している。
基本的運営方針として「優れた作品の収集と保管」「多彩で特色ある展示活動の充実」「豊かな人間性を育む学習の場と美術情報の提供」「活動の基礎となる調査・研究の推進」「地域文化の振興」「良好な滞在環境の提供」の6点を設定。
各方針のもとに評価項目と評価指標を定め、採点の合計値によって「A」(優れた成果を上げている)、「B」(目標、計画を達成)、「C」(目標、計画をほぼ達成)、「D」(目標、計画を達成できていない)、「E」(方法の再検討が必要)の5段階で評価している。
▼近代美術館
「地域文化の振興」を除く5点の基本的運営方針で評価「B」を達成。コレクションの活用、充実、保管状況の適切化に優れた成果を上げたことが評価され、常設展示や特別展示の充実や入場者の拡充などの観点においても目標を達成し、評価された。
学校と連携して実施している「出張アート教室」については、遠隔地に重点を置き全道8校で開催。担当する石狩管内での開催が2校だったため、実績値が減少したことなどから、「地域文化の振興」は「C」となった。
▼三岸好太郎美術館
「優れた作品の収集と保管」「多彩で特色ある展示活動の充実」で「A」、そのほかの4点で「B」を達成した。
特別展のブリヂストン美術館展では、目標人数の4万8000人を大きく上回る約5万6000人が来場。昭和58年の開館以来最高の入場者数となった。「優れた作品の収集と保管」では、コレクションの稼働率の高さ、個人収蔵作品1点の寄贈を受けたことが評価された。
▼旭川美術館
コレクションの活用、保管状況の適切化に一定の成果を上げるなど、「優れた作品の収集と保管」で「B」となった。常設展示、特別展示ともに観覧者数は指標値に届かなかったものの、充実した展示内容によって満足度、リピート率は目標を達成。調査研究や資料収集の成果を展覧会の展示や開設などに反映させるなど展示内容の充実によって「活動の基礎となる調査・研究の推進」で「B」となった。
▼函館美術館
前年度と比べ評価が大きく改善し、「豊かな人間性を育む学習の場と美術情報の提供」「地域文化の振興」では全施設初となる「A」を獲得。展覧会の内容に応じた多彩な教育プログラムを実施して高い成果を挙げ、情報発信の充実度の高さが評価された。学校教育活動への対応数や積極的な働きかけなど、地域・学校との連携・協働の取組でも大きな効果を上げている。
▼帯広美術館
多彩な展覧会の企画によって、常設展示では指標値の2万2000人に対し約3万6000人、特別展示では指標値3万7000人に対し約5万5000人と、目標を大きく上回る人数が来場。年間観覧者数9万人超えは平成6年度以来となる。
地元作家や関係団体と連携して教育プログラムの内容の充実を図り、積極的に情報を提供。教育プログラムの数、参加者の人数、満足度いずれも目標値を上回り、「豊かな人間性を育む学習の場と美術情報の提供」で「B」を達成した。
(道・道教委 2019-08-23付)
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