道教委が移動教育委員会　遠隔授業　早急に拡大　釧路市で１５年ぶりに開催

（道・道教委 2019-08-29付）

教育関係者、市民ら約６０人が傍聴した

　【釧路発】道教委は２７日、道立釧路芸術館で移動教育委員会を開いた。佐藤嘉大教育長と委員５人が出席。道教委の活動状況に関する点検・評価報告書案を審議したほか、学校耐震化状況や高校の遠隔授業などをテーマに話し合った。佐藤教育長は、遠隔授業について、スピード感をもって拡大する考えを示した。

　移動教育委員会は、道民に開かれた教育行政を推進するため、年１回、札幌市以外の地域で開いている。釧路市での開催は１５年ぶりで、教育関係者や市民ら約６０人が傍聴した。

　会議では、前年度の道教委活動状況に関する点検・評価報告書案について審議した。

　報告書案は、道教委の施策３１項目について、設定した目標指標の進捗率に応じ「ａ」「ｂ」「ｃ」「ｄ」の４段階で評価した。

　委員は、施策項目「理数教育の充実」の目標指標のうち、「数学の授業で学習したことを生活の中で活用できないか考えることがある中学３年生」の評価が最低の「ｄ」となっていることを指摘。指標の令和４年度の目標値が１００％となっていることについて、「全員が数学のことを考えるというのは、実態と合っていない」と述べ、適切な目標値の設定を期待した。

　また、施策項目「食育の推進」については、「朝食を毎日食べている中学３年生」が「ｄ」評価となったことを指摘。学校の取組だけでは克服が難しい課題となっていることにふれた。

　これに対し、佐藤教育長は、課題解決には家庭への意識啓発が必要なことから、報告書についても分かりやすく解説したパンフレットを作成するなど、工夫の余地があるとの考えを示した。

　このあと、担当者が「公立学校施設の耐震改修状況調査結果」「高校における遠隔授業」「釧路の教育状況」を報告。特に、遠隔授業に関しては、地元を離れて管外に進学する中学生が多い学区があるため、委員から「地元で学習できる環境を一日も早く整備してほしい」との声が上がった。

　佐藤教育長は「スピード感をもって拡大していく」と応じた。

(道・道教委 2019-08-29付)