【解説】奨学金返済 4割が「厳しい」(解説 2019-09-12付)
道若者生活実態調査結果報告書によると、大学生の半数以上が奨学金を利用し、利用者の約4割が「返済できない」「返済は相当きつく感じる」と回答していることが分かった。若者支援の政策として求めること(複数回答)として、大学生と働く若者は「子育て費用の軽減」、求職中の若者は「職場環境の改善」を多く挙げている。
高校卒業後の若者世代の進学や就労の状況など、生活の状況や環境と経済状況との関係を把握し、今後の子どもの貧困対策などに反映する基礎資料とすることが目的。道が北海道大学大学院教育学研究院、札幌学院大学と共同で調査した。
調査の対象は、道内の大学・短大12校の学生、求職中の若者(ジョブカフェ利用者)、道内の事業所などで働く39歳以下の若者。
調査対象のうち、中学3年生のころの家族形態が「両親世帯」と答えた割合は、大学生、求職中の若者、働く若者いずれも6割を上回った。一方、「母子のみ世帯」と回答したのは大学生11・2%、求職中の若者9・8%、働く若者6・2%となった。
現在の暮らし向きを「苦しい」と回答した割合は、求職中の若者の半数を占め、大学生と働く若者が約27%。大学生と求職中の若者では、母子のみ世帯の方が「苦しい」と答えた割合が高かった。
奨学金の利用状況をみると、大学生の約5割、求職中の若者の約4割、働く若者の約3割が「利用ある」と回答。奨学金が「返済できない」「返済は相当きつく感じる」と回答した割合は、大学生が38・5%、求職中の若者が44・2%、働く若者が17・3%。
仕送りについて「やりとりは全くない」と回答した割合は、大学生が63・7%。求職中の若者は86・8%。このうち、母子のみ世帯では100%だった。
(解説 2019-09-12付)
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