千歳市教委が本年度学力・学習状況調査結果公表　小学校全国との差縮小　中学英語「聞くこと」平均以上に

（市町村 2019-10-02付）

千歳市の令和元年度全国学力・学習状況調査結果（クリックすると拡大表示されます）

　千歳市教委は、本年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。教科に関する調査結果をみると、小学校の国語「伝統的な言語文化と国語に関する事項」、中学校の英語「聞くこと」で全国平均を上回った。市教委は、家庭での学習時間を増やす取組や、市独自で実施しているＮＲＴ標準学力検査とハイパーＱＵ検査の活用などを引き続き行っていくとしている。

　本年度の調査は、市内の小学校１６校の６年生８６０人、中学校８校の３年生８０５人を対象に実施。

　小学校は、国語・算数ともに全国平均に届かなかったものの、４領域すべてで前年度の成績を上回り、全国平均との差を縮めた。国語では、「伝統的な言語文化と国語に関する事項」で全国平均を上回った。算数では「図形」領域が２年連続で上昇し、全国とほぼ同様の水準となっている。

　中学校は、国語・数学ともに全国との差が広がっており、英語も全国平均を下回った。英語の領域をみると、「書くこと」「読むこと」に課題がみられるものの、「聞くこと」は全国平均を上回った。

　児童生徒対象の質問紙調査をみると、小学校で「普段、１時間以上２時間未満勉強する」児童の割合が全国を大きく上回った一方、中学校では「平日２時間以上３時間未満勉強する」と回答した生徒の割合は全国より低い状況が続いている。

　市教委は「各学校が取組んできた“学年×１０分＋１０分の家庭学習”が定着している」とした上で、引き続き「授業と連動する家庭学習の仕方を指導したり、生徒の努力を積極的に認め称賛したりするなどの取組を通して、主体的に学習しようとする態度を育む必要がある」と分析している。

　学校質問紙では、検証改善サイクルの確立について「よくしている」と回答した学校が小・中学校ともに全国を大きく上回った。市教委は、市独自で実施しているＮＲＴ標準学力検査とハイパーＱＵ検査の分析結果から課題を整理し、具体的な方策を全校一体となって実践するなど、検証改善サイクルの確実な運用を図っていくとしている。

　また、ＩＣＴ機器の活用について「ほぼ毎日」と回答した学校は小学校で８７・５％、中学校で１００％と、全国と比較して積極的に活用されていることが分かった。市教委は、その要因として全普通教室などで電子黒板・実物投影機などが置かれ、小・中学校にデジタル教科書が配備されていることを挙げる。今後、「より効果的な活用方法などの研修を充実させ、授業改善に生かす取組を進める」としている。

(市町村 2019-10-02付)