特別支援文教施策要望への道教委回答
(道・道教委 2019-10-10付)

 7日に開かれた道教委と道特別支援学校長会(木村浩紀会長)、道特別支援学校副校長・教頭会(野戸谷睦会長)、道公立学校事務長会(坂井秀昭会長)との令和2年度道文教施策に関する教育懇談会(9日付1面既報)における3団体の要望に対する道教委の回答はつぎのとおり。

1 本道のインクルーシブ教育の推進―重点

(1)各地域におけるインクルーシブ教育の進展

 各地域の状況に応じたインクルーシブ教育の進展に向け、市町村の主体的な取組を促しながら継続・新規の各事業を推進することを要望する。

【回答】

 基本方針については、各校長会などの会議や各種研修会などにおいて広く周知しており、校長会はもとより各関係機関から広く意見を聴きながら、基本方針に掲げる方策等を着実に推進していく。

 各管内で実施している連携協議会の概要を各市町村や小・中学校等に送付する取組のほか、道教委と保健福祉部が連携して実施している発達障がい支援成果普及事業では、発達障がいのある子どもやその保護者への早期からの教育相談や支援体制の充実を積極的に推進する市町村を推進地域に指定し事業を展開しており、関係機関との連携にかかわる効果的な取組事例をWebに掲載している。今後も市町村の取組が一層促進されるよう事業の成果を発信していく。

 連携協議会には、各教育局に配置している特別支援教育スーパーバイザーも参加し、各市町村の取組について説明する機会を設けており、今後も、各市町村の取組を把握していく。

 各管内の取組の成果と課題については、特別支援教育スーパーバイザー等研究協議会において情報共有し、課題解決に向けた協議を行っている。今後も各管内の取組について効果的な報告方法を検討していく。

(2)適切な学びの場の決定の促進と充実

 より適切な学びの場の決定に向けて、教育支援委員会や特別支援連携協議会の活性化など、市町村における体制づくりと取組の充実を図る具体的な施策を進めることを要望する。

【回答】

 障がいのある子どもについて、障がいの状態や必要な支援の内容、地域における体制整備の状況、保護者および専門家の意見などを勘案して総合的な観点から適切な就学先・転学先を決定する仕組みを確立するため、全管内で市町村教委就学事務担当者等研修会を開催し、早期からの教育相談・支援体制の構築や、就学後の支援内容および学びの場の見直しの必要性について説明し、市町村の理解促進を図っている。

 また、道の保健福祉部との連携によって、全管内に推進地域を指定し、発達支援センターや児童デイサービスなど保健福祉分野の部署や機関との連携の充実を図るとともに、早期からの教育相談や支援体制の充実を図る取組を推進している。

 今後も、保健福祉部や各教育局と連携し、市町村における特別支援教育の一層の充実に努めていく。

 また、教育局ごとに実施している専門家チーム会議、巡回相談については、引き続き必要な予算の確保に努めていく。

(3)中学校における特別支援教育の理解促進と適切な進路指導の推進

 中学校の進路指導において、適切な進路選択が行われるよう、中学校長会への情報提供とともに、中学校の進路指導のための資料の充実と教育局ごとの説明会の実施を要望する。

【回答】

 障がいのある生徒やその保護者が適切に進路選択が行えるよう、特別支援学級担当者や保護者などを対象とした特別支援教育進路指導協議会を全管内で開催し、進路指導の充実に向けた取組を行っている。

 今後も進路指導の充実に資する取組を進めるため、高校教育課や校長会との連携に努めていく。

(4)高校における特別支援教育の推進

 高校における特別支援教育の充実のため、国の動向を踏まえながら、特別支援学校と連携した指導や支援、実践研究の充実を図ることを要望する。

【回答】

 現在、道立特別支援教育センターや各管内で実施している特別支援教育関係の研修会に、高校長の参加を可能とするものがあるほか、特別支援教育センターにおいて、高校の教職員を対象とした研修講座を設定している。

 また、高校の教員を対象とする道立教育研究所の講座に特別支援教育センターの職員を派遣し、講義などを行っている。

 今後も、後期中等教育における特別支援教育の充実に向け、関係機関との連携強化を図りながら、研修機会の充実や理解啓発資料の作成を検討していく。

 教育上特別な支援を必要とする生徒については、例年実施している調査の結果を踏まえ、各校の要請に応じてスーパーバイザー(SV)やパートナー・ティーチャー(PT)を派遣したり、学習面、生活面等の支援をするための特別支援教育支援員を配置したりしている。

 通級による指導については、平成29年の「道立高校等における通級による指導にかかる基本的な考え方」の策定に続き、平成31年3月に『道立高校における“通級による指導”の手引』を作成し、通級による指導の内容や校内体制の構築などについて、すべての道立高校等に周知した。

 また、通級による指導を実施している高校4校に対して、国の加配によって特別支援教育教諭免許を有する教員を配置し、指導体制の充実を図っており、今後、実施校における取組の成果や課題などを取りまとめ、各学校に周知していくこととしているので、引き続き協力をお願いする。

 高校における要望の把握に努めるとともに、職員の配置に当たっては学校長と十分協議しながら対応していく。

2 特別支援学校の教育の充実

(1)特別支援学校の再編―重点

 特別支援学校の再編等にかかる施策については、インクルーシブ教育システムの理念を踏まえた再編のビジョンとともに具体案を提示することを要望する。また、本校長会との緊密な意見交換などを行うことを要望する。

【回答】

 特別支援学校長会などへの学校の整備等に関する情報提供や意見交換については、継続して実施していく。

 配置計画の策定に当たっては、関係課とも連携しながら小・中学校における特別支援学級の在籍者数や児童生徒の実情、高校を含めた生徒の進路動向などを十分に踏まえ、検討している。また、学科の見直しを実施する場合は、実習や就労の見通し、学科の配置バランスなど地域の状況を踏まえ、関係学校と協議しながら行っており、今後も同様に対応していく。

 夕張高等養護学校については、学校とも十分協議しながら、在り方等を検討していく。

 肢体不自由教育校の高等部の在り方については、校長会をはじめ、関係学校とも協議しながら、在り方等を検討していく。

 八雲養護学校と山の手養護学校については、道教委・札幌市教委・国立病院機構・2校の5者を構成員とする道医療センターに併設となる特別支援学校の在り方等に関する連絡調整会議において協議を行うなど、2校間の学校運営の在り方等を検討している。

(2)乳幼児・幼児教育の充実

 早期からの相談・支援や教育の充実を図るため、引き続き国への要望や関係部局と連携した予算確保に努めることを要望する。

【回答】

 聴覚障がい乳幼児療育事業については、事業の適切な実施や充実が図られるよう、毎年度、予算や定数の確保を保健福祉部に要請しているとともに、次年度の定数実配置校について予算要求を検討している。

(3)特別支援学校高等部の在り方の検討―重点

 今後の高等部の在り方の検討について、校長会と連携するとともに、高校における特別支援教育の推進を関連付けながら、早急に整理し、十分な理解啓発の実施を要望する。

【回答】

 オホーツク圏、十勝圏の高等支援学校に普通科を設置することによって、各圏域に普通科を設置した。圏域ごとの課題を解決するための管理職による会議や普通科を設置する高等支援学校の教育課程にかかわる会議の開催などについては、今後の検討課題とさせていただきたい。

 本年度から、入学者選考検査プロジェクトチーム会議を開催し、新しい形の知的障がい特別支援学校(高等部)の導入に伴う入学者選考検査の改定に向け検討している。今後も、特別支援学校長会や副校長・教頭会などから意見を徴し、総合的な見直しに向けて検討していく。

(4)センター的機能のより一層の充実を図るための施策の推進―重点

 小・中・高校等における特別支援教育のより一層の充実を図るため、これまでの支援の在り方を評価し、市町村や小・中・高校が主体的に特別支援教育を推進する施策を講じることを要望する。

【回答】

 学校によって指導内容が異なることから、一律に回数を決めることは困難である。

(5)関係機関と連携した進路支援方策の推進―重点

 障がいのある生徒が地域で自立して生活するため、関係機関と連携し卒業後のサポートを含めた積極的な施策を推進し、就労先の確保や就労継続の実現に努めることを要望する。

【回答】

 予算の配分については、全体のバランスをみて適正に配分している。

 本年度から、障がい者の就労促進・就労継続に向け、道教委と知事部局、民間団体が一体となり、生徒の職業的・社会的自立のための取組を行う障がい者就労促進地域連携事業を実施するなどしており、卒後支援の方法については、今後の検討課題とさせていただきたい。

 障がい者雇用の一層の推進については、毎年、道経済部雇用労政課、道保健福祉部障がい者保健福祉課と道教委特別支援教育課、道労働局職業対策課の幹部職員によって道内主要経済5団体に対して雇用要請を行い、各総合振興局・振興局および教育局においても、公共職業安定所と連携の上、管内主要経済団体などに対して積極的に要請している。

 また、本年度から新たに実施する事業において実践交流会を開催するなど成果の普及に努めていく。

(6)修学旅行等の引率者数の増

 安全な修学旅行等の実施のため、必要な引率者数の確保と旅費の増額を要望する。

【回答】

 配分基準の見直しについては、知的障がい特別支援学校高等部(職業学科設置校)の学科再編を踏まえ、引き続き検討していく。

 特別な事情については、これまでと同様に、個別に協議の上、対応していく。

(7)スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカー活用事業の拡充

 スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカーの配置を希望する学校すべてに配置できるよう要望する。

【回答】

 スクールカウンセラーの配置については、国のスクールカウンセラー活用事業(国庫補助事業)を活用し、札幌市立を除く道内の公立学校(主に中学校を対象)に配置している。

 また、緊急に児童生徒の心のケア等が必要な場合は、配置校以外にもスクールカウンセラーを緊急派遣している。特別支援学校については、平成26年度から、学校の状況を鑑みスクールカウンセラーを配置することとしており、令和元年度は9校に通年配置している。

 道教委では、スクールカウンセラーの活用がいじめや不登校等への対応として効果的であり、学校の教育相談体制の充実を図る上で重要であると考えており、引き続き、国に対して、補助率の引き上げなど、事業の充実を要望していく。

 道財政は極めて厳しい状況にあるが、引き続き、必要な予算の確保に努めていく。

 スクールカウンセラーなどの人材の確保については、毎年度、高度に専門的な知識および経験をもつ人をスクールカウンセラー候補者として募集後、適当と認める人を任用候補者名簿に登録するとともに、任用を行う各教育局に情報提供する取組を行っており、引き続き、人材の育成や人材の確保に努めていく。

3 教職員の資質向上および専門性の確保

(1)教員の資質向上

 教員の資質向上のために、特別支援学校教諭免許状の取得機会拡充をはじめ、必要な人材確保および教員免許所有者の確保を要望する。

【回答】

 免許法認定講習については、これまで検討を行い、会場や定員の拡充等に努めてきており、障害種別に応じて、知的障がい・肢体不自由・病弱については毎年実施とし、視覚、聴覚については隔年で実施している。今後も道教育大学などと協議を進めながら、免許状の取得を一層促進するよう努めていく。

 なお、遠隔での講習実施については、国の課程認定を受けている指導大学において、免許法の内容を満たすよう、大学の授業科目の内容を勘案し定めている。現状での実施は困難であるが、大学での遠隔授業の導入状況など、必要な情報把握に努めていく。

 各教員が免許状更新手続きを確実に行うことができるよう、免許管理者等が各教員の免許状保有状況などを把握するため、平成29年度から全国規模で所有免許状調査を実施している。

 今後、保有状況の情報を整備するとともに、更新時期の確認など、必要な情報提供に努めていく。

 道教委としては、教職カリキュラムに教員育成指標の内容が反映されるよう、道内の各教員養成大学に働きかけていく。

(2)専門性向上のための研修事業の充実および校内研修への支援―重点

 特別支援教育の専門性の向上を図るため、道立特別支援教育センター等の研修事業の充実、全国規模の専門的な研修機会の確保のための予算措置、各学校で実施する校内研修への支援などの施策を講じることを要望する。

【回答】

 教員の研修は、平成31年3月に改定した31年度道教職員研修計画に基づき各種研修を実施している。

 生徒指導の実践的研究・研修の充実については、特別支援教育センターにおいて、自立活動研修講座、特別支援学校専門コースなどを実施している。

 ICTを活用した遠隔研修については、道立教育研究所において、学校ホームページ作成研修などを実施しているほか、特別支援教育センターにおいて、テレビ会議システム等による研修支援を行っている。今後は、アンケート等を通じて研修の効果を評価・検証し、必要な見直しを行うなど、研修内容や研修方法の工夫改善に努めていく。

 ことし6月に公布・施行された学校教育の情報化の推進に関する法律によって、各地方公共団体は「施策を総合的かつ計画的に策定し、実施する責務を有する」とされた。ハード面の強化やICT支援員の配置など学校教育の情報化の推進に向けた各種施策の充実に努めていく。

 指導等に課題のある職員などについては、今後も、各学校と連携を図り、状況の把握に努め適切に対応していく。

 信用失墜行為については、学校および学校教育に対する信頼を損なうような行為を処分の対象としており、児童生徒や保護者に多大な影響を及ぼすような教育に対する信頼を大きく損なう行為は、特に厳正に対処している。具体的にどのような行為が信用失墜行為に該当するかということについては、一般的な基準は立てがたいが、事故が発生し報告を受けた場合は、適切に対処していく。

 道立学校等の適格性を欠く職員などの分限処分に関する取扱方針第6によって、病気休職または病気休暇と短期間の出勤を繰り返してそれらの期間の累計が3年を超える職員のうち、そのような状態が今後も継続して見込まれ、職務の遂行に支障があると認められる職員については、校長は、当該職員に対して受診を命令し、事故報告書に当該受診による診断書を添付して、教育長に提出することとされている。教育長は、必要な調査を行った上で、職員賞罰等審査委員会に審査を指示し、その審査結果を踏まえ、分限処分が相当と認めるときは、教育委員会の会議に付議され、分限処分について決定することとなっている。

 教職員の配置については、標準法に準拠して配置している。現行の配置基準以上に措置するためには、国の新たな教職員定数の改善が必要であることから、国に対して要望していく。

(3)寄宿舎指導員、実習助手、介護員の研修の充実

 寄宿舎指導員、実習助手、介護員の資質向上を図るため、研修機会の確保と研修内容の充実にかかわる施策を講じることを要望する。

【回答】

 特別支援教育センターにおいて、寄宿舎指導員などを対象とした研修を実施しており、各学校の実情に応じた研修の機会の確保と内容の充実を図っていく。

 特別支援教育センターで実施する寄宿舎指導員研修講座では、寄宿舎における危機管理や生徒指導など、寄宿舎指導研修マニュアルを参考にした実践的な研修内容の充実を図っていく。

 実習助手などの研修は、特別支援教育センターの公開講義のほか、清掃業務にかかわる実務者研修会(道教委)などがある。今後とも、研修の機会の確保に努めていく。

(4)事務職員の資質向上に向けた研修機会の確保と研修内容の充実

 職務換職員をはじめ事務職員の資質向上を図るため、研修機会の確保と研修内容の充実にかかわる施策を講じることを要望する。

【回答】

 道立学校行政職員の資質向上については、従前から実施している事務長研修(新任)、事務主任研修(新任、現任)、事務職員研修(新採用、財務実務)に加え、本年度から事務職員研修(中堅)を実施しており、また、職務換職員に関しては、希望者に対し実務研修期間を延長する措置を講じている。今後も、可能な限り、研修機会の確保を図る。

 事務職員の人事については、人事異動方針に基づき、所属長との人事協議を踏まえ、適切な配置となるよう努めていく。

4 施設設備や教育環境の整備

(1)給食関連の施設設備の整備と予算の確保

 障がいの状態に対応した安全で安心な学校給食を提供するため、施設設備の早急な改善、給食関連運営予算の増額と適正配分を要望する。

【回答】

 給食関連運営予算については、学校運営費の一部として確保しており、厳しい財政状況にある。今後とも、給食が円滑に運営されるよう適正な予算の措置に努めていく。

(2)校舎や寄宿舎の改修等の計画的な推進―重点

 安全で安心な教育を行うため、老朽化や教室不足による狭あい化が進行している校舎や寄宿舎の計画的な改修等を推進することを要望する。効果的な教育を進めるため、施設設備の計画的な更新と既存の施設を活用して新設された学校の施設設備の拡充を要望する。

【回答】

 狭あい化によって、適切な教育環境が確保されていない学校については、早急に改善を図る必要があると認識しており、狭あい化の解消に向け、校舎増築のほか、高校等の空き教室を活用した整備を行うなど、可能な限り早期に対策を講じて、教育環境の改善・充実を図っていく。

 寄宿舎の整備は、校舎改築や大規模改造時などに関係課と連携を図りながら、必要な整備に努める。

 学校施設を適切に維持管理するための大規模な改修については、道の施設整備方針に基づき、築後20~35年を目処に大規模改造工事を実施するなど、安全・安心な教育環境の維持が図られるよう、計画的な事業の実施に努めているが、厳しい財政状況により必ずしも方針どおりに進んでいない。

 引き続き、大規模改造工事等の実施のほか、必要な補修を行うなどして適切な学校施設の維持管理に努めていきたい。

 避難所指定を受けている学校施設の改修等については、阪神淡路大震災を契機として、これまで、多目的トイレやシャワー室を備える防災棟を整備してきた。一方で、老朽化が著しい学校施設において速やかな改修の必要性も高まっている。

 引き続き、限られた財源の中で、学校施設の適切な維持管理に努め、避難所として必要な防災機能の充実に取り組んでいきたい。

 施設設備の補修等については、適切な教育環境の維持管理が図られるよう考えており、学校から補修調書の提出があった際は、関係書類を確認した上で、必要に応じて、学校への聴き取りを行うなどして、実態を把握し、児童生徒の安全面や運営上の面で、緊急性や優先度を判断しながら、限られた予算の範囲内で、対応を行っている。

 引き続き、必要な教育環境の維持管理が図られるよう予算の確保に努める。

(3)ICTを活用した教育の充実―重点

 本道の広域性を鑑み、ICTを活用した指導や支援の充実を図るため、遠隔授業の実施および中央と地方、在校生と訪問教育生との交流にかかわる情報通信ネットワークの整備も含めた環境整備を要望する。

 また、新スクールネットの使用にかかわる環境の充実を要望する。

【回答】

 情報教育機器拡充の対応については、道財政が厳しい中ではあるが、必要な予算確保を検討していく。

(4)安心・安全なスクールバス運行体制の確保

 安心・安全なスクールバスの運行体制を図ることを前提としたスクールバス乗降・添乗介助業務の民間委託化を図るとともに、責任の明確化を検討することを要望する。

【回答】

 道財政は極めて厳しい状況にあるが、引き続き必要な予算の確保に努めていく。

5 管理職も含めた職員の業務の適正化および管理職候補者の育成

(1)ミドルリーダーや管理職候補者の育成

 ミドルリーダーや管理職候補者の育成について、意図的・計画的な施策を講じることを要望する。

【回答】

 管理職候補者等の人材確保については、校長会などと連携を図りながら、特別支援教育センター長期研修の成果等を周知するなど、意図的・計画的な人材育成に向けた具体的な方策を検討していきたい。

 通勤手当の特例については、国の支給要件に準拠し、特別料金等が支給される職員との権衡を考慮しているものであり、今後も国の動向を注視しながら取り扱っていく。

 単身赴任手当については、国の支給要件に準拠し、部局を異にする異動に伴って住居を移転し、やむを得ない事情によって同居していた配偶者などと別居して単身で生活することとなった職員に対し支給できるものであり、今後も国の動向を注視しながら取り扱っていく。

 赴任旅費については、国の制度に準ずることを基本としながら、道において平成27年4月以降、赴任に伴う移転料の増額調整の対象拡大や、子を随伴して赴任した職員の取扱いを見直すなど、職員の赴任の実態に合うよう改正してきた。今後とも知事部局と連携を図りながら取り扱っていく。

(2)管理職の待遇改善

 管理職の人材確保のため、管理職の給与、手当を増額することや健康管理対策の充実を要望する。

【回答】

 教職員の給与については、人事委員会勧告を尊重することを基本とするとともに、国における義務教育費国庫負担金の算定基準の改正状況、他府県の状況などを踏まえ検討していく。

6 その他、具体的な要望事項

(1)人事評価制度の改善

 人事評価制度を適切に実施できるよう評価システムの改善を要望する。

【回答】

 調査の精選等は、調査の廃止や縮小、他の調査との統合など、実施の必要性を踏まえて見直しを行うとともに、各種届出や報告事項等の見直しを行い、提出書類や様式の簡素化などの取組も進めていく。

(2)期限付教員等の安定的な確保

 期限付教員等を安定的に確保するための仕組みづくりや臨時職員を正規職員として確保できるよう、北海道独自の定数加配を要望する。

【回答】

 期限付教員等の配置については、これまでも学校運営の支障とならないようハローワークやホームページ、教員採用候補者選考検査時における募集チラシ配布(東京会場含む)などの取組によって確保に努めている。今後も学校長と十分協議しながら対応していく。期限付教諭の年齢要件緩和について、道教委では、期限付教員は正規職員と同様に、年齢、職歴換算によって給与を決定しており、再任用制度との整合性を図るため、任用年齢を59歳までとしている。

 こうしたことから、60歳以上の期限付教諭の採用は難しいと考えているが、欠員の解消に向けた手立てとして、他府県の状況も勘案し検討することとし、欠員の解消に向け今後とも努力していく。

 時間講師は恒常的に授業を担当する常勤の教諭に準じた業務に対して採用している。このため、栄養教諭、養護教諭の時間講師としての採用は難しいと考える。

(道・道教委 2019-10-10付)

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