流木処理に関する実証実験　木材腐朽菌の効果検証　寒地土木研究所など連携　帯広工業高

（学校 2019-11-27付）

木材腐朽菌を打ち込んだ木片を野外に設置した

　【帯広発】帯広工業高校（稲津誠校長）は１８日、環境土木科生徒の課題研究の一環として、流木処理に関する実証実験を行った。寒地土木研究所の研究員や十勝総合振興局帯広建設管理部（帯広建管）職員と協力して、木材腐朽菌を打ち込んだ木片を同校近隣の林に設置。野外における腐敗進行状況や菌の繁殖を観察・分析し、流木処理への効果を検証する。

　平成２８年度の十勝西部の台風被害によって発生した河川への流木の流入を地域課題として認識。十勝中流部市民協働会議と帯広建管、北海道大学、寒地土木研究所などと連携しながら、木材腐朽菌が流木にもたらす効果を検証するもの。最終的には流木に菌を打ち込むことで腐敗を進行させ、その場で川の栄養源に変化させることをねらいとしている。

　１８日には環境土木科生徒３人が、寒地土木研究所研究員、帯広建管職員と木材腐朽菌を打ち込んだ木片を野外に設置する作業を行った。

　今後は、木片の腐敗の進行状況や木片内部での菌糸類の繁殖状況などを観察・分析し、流木への利用に向けた効果を検証する。

　参加した環境土木科３年の岡林ななみさんは「進路が決定していて課題研究に打ち込める状態。木片がどのようになるかを観察していきたい」と話した。

　寒地土木研究所の布川雅典研究員は「木材腐朽菌の活用は先進的な取組であるため、北大などと連携しながら同校の研究を支援したい」と述べた。

(学校 2019-11-27付)