札幌市西園小 実践を確かめる会 多角的に考え意見交流 6年道徳 「誠実とは何か」(学校 2019-11-28付)
ネームプレートを貼ることで考えを明確にした
札幌市立西園小学校(山吹明範校長)は21日、同校で第9回実践を確かめる会を開いた。約100人が参観。研究主題「対話を通して、学びを深める子ども」のもと、国語、算数、道徳、特別支援の7授業を公開した。うち、6年の道徳では、「手品師」を題材に、対話を通して「誠実とは何か」を多角的に考える授業を展開した。
同校は、研究の視点に、①対話をしたくなる手立て②対話を学びにつなげる手立て―の2点を据えている。
公開した授業のうち、長澤賢教諭が6年1組(児童数29人)道徳「自分の心に誠実に」を指導。「手品師」を題材に、内容項目「正直、誠実」について交流を通して多角的に考えさせる授業を行った。
本時のねらいを「誠実とは何か考えさせ、自分の心に誠実に向き合い、誇りをもって生きようとする実践意欲を高める」と設定。
はじめに本時のテーマ「誠実」の意味を確認した上で、課題「誠実に生きるためにはどのようなことが大切か」を提示した。
題材は、売れない手品師が、大舞台での活躍よりも小さな男の子と交わした約束を守ることを選んだ姿を通して「誠実に生きるとはどういうことか」を考えさせるもの。
本文を音読したあと、長澤教諭は、手品師が葛藤した「約束を守りたい」「ステージに立ちたい」の2つの思いを確認し、図示しながらまとめた。
視点①から、対話への意欲付けをねらい、児童の立ち位置を示すネームカードをそれぞれ表示。自分の意見をノートに記述させた。児童からは、「男の子を悲しませたくない」「チャンスを自分のために使うか、男の子のために使うか迷う」「夢に向かって努力してきたことを諦めることになる」など、活発な意見が引き出された。
視点②から、誠実について多角的に考えさせることをねらって、手品師が夢をかなえる姿と男の子との約束に揺れる葛藤の部分を焦点化。誠実に生きるために手品師が大切にしたことを確認させた。
最後に、「もしも大劇場を選んでいたらどうなっていたか」と問いかけ、真逆の行為と比較。誠実について考えを広げさせた上で、あらためて自分の考えをノートにまとめさせた。
授業公開後は、分科会を実施。
長澤教諭の授業について、「ネームカードで自分の立ち位置を示したことで、児童が意見を伝えやすかった」「最後に真逆の行為を選んでいた場合について投げかけたことで、児童の振り返りが深まっていた」などの意見が挙がった。
助言者を務めた札幌市教委児童生徒担当課の細川直久児童生徒担当係長は、ネームプレートを貼る意思表示の有効性を評価した上で、「ノートに記述させる前に意見交流すると、より考えが揺さぶられ考えが深まったのではないか」と助言した。
また、内容項目が「自分自身にかかわる視点」であることにふれ、男の子に対しての誠実さより、手品師自身の約束を守ることに対しての誠実さに着目する視点もあったことを指摘した。
(学校 2019-11-28付)
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