道内小学校の専科指導加配（札幌市除く）―道教委まとめ　本年度は４教科・１８１校　学力向上や業務改善等で成果

（道・道教委 2019-11-27付）

小学校専科指導に関する加配校数（クリックすると拡大表示されます）

　道教委は、札幌市を除く道内小学校における国による専科指導の加配状況をまとめた。本年度は４教科合わせて延べ１８１校となり、制度開始時の平成２４年度から約３０倍に増加。教科別では半数以上が英語と大きな割合を占めている。加配校における成果として、学力・体力や学習意欲の向上、業務改善などが報告されている。

　文部科学省は、２４年度から小学校における専科指導教員の加配を開始。道内では、理科専科の６校にはじまり、加配校数を徐々に増加。２５年度に体育、２６年度に英語、３０年度に算数を対象教科に加えている。

　本年度の加配校数は、４教科合わせて延べ１８１校となり、前年度と比べ５８校の増。加配を開始した２４年度の約３０倍となっている。教科別では英語が４３校増の９５校と半数以上を占めている。

　配置校における成果をみると、理科専科教員の配置校では、全国学力・学習状況調査の標準化得点が高いなど、学力向上への効果が報告されている。

　英語専科では、校内アンケートで「外国語の授業が楽しい」と回答する児童が増加し、学習意欲が向上。専科教員が指導している間、学級担任が教材研究、学級事務、校務分掌の業務を行うことができるなど、業務改善の効果が報告されている。

　体育専科教員配置校における３０年度全国体力・運動能力、運動習慣等調調査結果をみると、小学校の男子６種目、女子４種目で全国平均以上となり、体力合計点の平均値は男子・女子いずれも全国平均を上回った。

　児童質問紙調査では「授業の始めに授業の目標が示されている」「授業の最後に振り返る活動を行っている」「友達同士やチームの中で話し合う活動を行っている」と回答した割合が、男女ともに全国以上となっている。

　なお、文科省は来年度予算概算要求において、小学校専科指導の充実に３０９０人の増員を求めており、道教委はこれを踏まえ、来年度は専科指導の対象教科に国語を追加し、専門性を生かした質の高い指導の充実を図っていくとしている。

(道・道教委 2019-11-27付)