道内視覚特別支援4校が遠隔TVシステムを活用 地場産物使った給食で交流 子育てで保護者が意見交換(学校 2019-12-20付)
6日は保護者がPTA茶話会で子育てに関して交流
札幌視覚支援学校(木村浩紀校長)、函館盲学校(辻山しのぶ校長)、旭川盲学校(坂下浩寿校長)、帯広盲学校(佐古勝利校長)の4校を遠隔TVシステムで結んだ給食交流が5日、行われた。「好きな給食は何」などと、積極的に会話を楽しんだり、モニターに向かって手を振り続けたりと、学校の枠を越えた児童間の活発な交流が生まれた。
4校は、学校における働き方改革の推進や、障がいの特性に応じた支援・指導力の向上を図ることを目的に、本年度から遠隔TVシステムを導入。同時中継・双方向通信によって各校や道立特別支援教育センターなどと接続することが可能となり、各校からの要望やアイデアをもとに、これまで会議や授業、研究大会や競技大会などで活用してきた。
システムを活用した初の給食交流を実施。札幌視覚支援の児童17人、函館盲の児童2人、旭川盲の幼児児童12人、帯広盲の児童7人が学校の枠を越えて交流を図った。
道内各地域の地場産物を知るとともに、給食を通して社会性を身に付けることをねらったほか、栄養教諭間の研修機会としても活用した。
給食は、カレーライスを共通の献立に、地域の地場産物などを入れたオリジナルのカレーを学校ごとに提供。2ヵ月前から各校の栄養教諭間で内容を打ち合わせてきた。
給食交流に先立ち、各学校がそれぞれのカレーに入っている食材などを紹介。旭川盲はトマトジュース「オオカミの桃」、帯広盲は十勝で育った長いも、函館盲はたまふくら大豆などの地場産物について、工夫しながら説明した。札幌視覚支援は、タマネギ「札幌黄」をはじめ、児童が食べたいものをすべて入れた具だくさんカレーを劇で紹介した。
食事中も、引き続き遠隔TVシステムを接続して交流。小規模校・少人数学級で、普段多くの人と接する機会が少ない児童たちからは「○○学校のみんな、おいしい」「私たちの発表はどうだった」「好きな給食は何」など活発なやりとりが生まれた。接続が切れるまで画面に向かって手を振り続ける児童たちの姿があった。
札幌視覚支援の田村優衣さん(4年)は「みんなと話しながら食べて、楽しかった」と話していた。
遠隔TVシステムを活用した取組は、このあとも展開。6日には4校を接続してPTA茶話会を開催し、保護者17人が子育てに関する意見交換などを通して親睦を深めた。
10日には、札幌視覚支援、函館盲、白老町立白翔中学校弱視特別支援学級を結び、中学3年の英語科において遠隔合同授業を展開。集団での学びの場を確保することで、生徒間のコミュニケーションや主体的・対話的で深い学びの充実を図った。
12日には、札幌視覚支援と函館盲を接続して寄宿舎のクリスマス会を実施。歌や演奏などを披露し合い、交流を深めた。
(学校 2019-12-20付)
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