学校の働き方改革取組調査―文科省まとめ 道内 方針等策定進む 勤務時間の客観的把握遅滞(市町村 2019-12-26付)
文部科学省は、令和元年度教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査結果をまとめた。札幌市を含む道内市町村でICカード、タイムカードなどで在校等時間を客観的に把握している割合は24%と全国平均の約半分。一方、文科省「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を踏まえた方針等の策定割合は34%と2倍以上だった。学校閉庁日の設定割合は99%で、15日以上に設定しているのは留萌市のみとなっている。
調査は、47都道府県、20指定都市、1721市区町村の教委を対象に、学校の働き方改革の取組状況を調べたもの。調査基準日はことし7月1日。
今回、新たに各教委の取組状況を公表。全国の教委が「在校等時間の縮減効果が大きいと考える取組」として選んだ上位10件の取組状況や好事例を紹介している。
学校における在校等時間等の把握方法(複数回答)をみると、「ICカードやタイムカード、パソコンの使用時間」と回答した道内市町村の割合は24・4%で、全国の48・2%を下回った。「校長等の現認」が34・4%、「庶務事務システムやエクセルなどによる本人の入力」が14・4%などと続き、「把握していない」が38・3%と全都道府県で2番目に高い。
一方、文科省の「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を踏まえた方針等の策定割合は34・4%で、全国の15・3%を大きく上回った。
全国の教委が選んだ「在校等時間の縮減効果が大きいと考える取組」で最多だった「部活動のガイドラインの実効性を担保する取組」は「実施または実施中」が76・1%。学校閉庁日の設定割合は99・4%で、その設定期間は「5~10日未満」が67・6%と最多。「15日以上」は留萌市のみとなっている。
「保護者や地域・社会に対する働き方改革への理解や協力を求める取組」「学校に向けた調査・統計業務の削減」を実施している割合はそれぞれ75・6%、71・1%で全国平均以上。
文科省は、来年度からすべての地域で客観的な方法による勤務実態の把握が行われるよう、進ちょく状況のフォローアップを行うほか、来年度の教職員の加配の配分、外部人材の補助金交付の際に、客観的な勤務実態の把握を前提条件とするなど、各教委の取組を促すとしている。
(市町村 2019-12-26付)
その他の記事( 市町村)
プログラミング教育の授業づくり 考え方学び指導力向上 愛国小5年生に示範授業 釧路市教委
【釧路発】釧路市教委は昨年12月下旬、市立愛国小学校で地域連携研修「プログラミング教育の授業づくり研修会」を開いた。管内小・中学校の教員約80人が参加。示範授業や講演会を通して、授業づくり...(2020-01-08) 全て読む
札幌市幼児教育センター 幼保小連携推進協議会開く スタートカリキュラム重要
札幌市幼児教育センターは昨年12月下旬、市内ちえりあで令和元年度札幌市幼保小連携推進協議会を開いた。関係者34人が参加。元年度の成果と課題などについて協議したほか、三里塚小学校における実践...(2020-01-08) 全て読む
札幌市教委・長谷川教育長あいさつ 結果のイメージ共有を 仕事始めに当たり意気込み
札幌市教委の長谷川雅英教育長は6日、市教委で仕事始めに当たって職員に年頭のあいさつを述べた。東京オリンピック・パラリンピックの開催や小学校の学習指導要領の全面実施など重要な年となると強調し...(2020-01-07) 全て読む
札幌市小・中 学校事務の共同実施 2年度から全校に拡大 業務平準化し人材育成
札幌市教委は、学校事務の共同実施について令和2年度、対象を現在の小・中学校60校から全市立小・中学校へと拡大する。市立学校事務職員が対応している人事・給与や経理・財産管理等の業務を事務職員...(2020-01-06) 全て読む
新春インタビュー 札幌市教委・長谷川雅英教育長に聞く
新年を迎え、札幌市教委の長谷川雅英教育長に札幌市の教育の現状や課題、働き方改革についての取組などについて聞いた。 ◆防災教育など様々な取組展開 ―札幌市の教育の現状と課題、今後の対応に...(2020-01-01) 全て読む
会計年度任用職員の勤務条件 一部職給与を月額制に 札幌市教委が規則案作成
札幌市教委は、会計年度任用職員の勤務条件に関する規則案を作成した。地方公務員および地方自治法の改正に伴い、新たに会計年度任用職員が設けられたことを踏まえ、勤務時間・休暇等についての必要事項...(2019-12-26) 全て読む
優秀館に斜里町公民館 文科省の優良公民館表彰
文部科学省は、令和元年度優良公民館表彰(文部科学大臣表彰)の受賞館を決定した。道内関係では、斜里町公民館ゆめホール知床が特に優れた活動を行った優秀館の栄誉に輝いた。また、浦幌町吉野公民館、...(2019-12-25) 全て読む
札幌市内の全国体力等調査結果 小学校男女握力など全国平均超 50m走等 差が縮まる
スポーツ庁は23日、令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果を公表した。札幌市では、体力合計点について全国平均を下回ったものの、小学校男子の「握力」「ソフトボール投げ」、小学校女子...(2019-12-25) 全て読む
文科省の社会教育功労者表彰 本道から4人が受賞 2月14日に表彰式
文部科学省は、令和元年度社会教育功労者表彰(文部科学大臣表彰)を決定した。本道関係では、地域における社会教育振興功労者として、青少年教育分野で1人、社会教育計画分野で2人、また、文科省所管...(2019-12-25) 全て読む
札幌市アイヌ文化体験プログラム 来年度は130校程度で 施設見学等で歴史理解
札幌市市民文化局は、アイヌ伝統文化振興事業のアイヌ文化体験プログラムについて、来年度は小・中・高校合わせ130校程度での実施を目指している。児童生徒にアイヌ文化や歴史の理解を深めてもらい、...(2019-12-24) 全て読む