プログラミング教育の授業づくり 考え方学び指導力向上 愛国小5年生に示範授業 釧路市教委(市町村 2020-01-08付)
芳賀均講師
【釧路発】釧路市教委は昨年12月下旬、市立愛国小学校で地域連携研修「プログラミング教育の授業づくり研修会」を開いた。管内小・中学校の教員約80人が参加。示範授業や講演会を通して、授業づくりのポイントや、目的に応じた手順などを学んだ。
地域連携研修事業の一環。プログラミング教育に焦点を当てた研修を通して、教職員の指導力向上を図ることをねらいとしている。講師は、道教育大学旭川校の芳賀均講師、道教育大学釧路校の森健一郎教授が務めた。
示範授業では、芳賀講師が愛国小5年生の音楽科「電子機器を使用した音楽づくり~警報機をつくろう」を公開。本時の目標を「簡単なプログラミングのツールを組み合わせる作業を通して、これからの社会に必要とされている資質・能力を育むための素地をつくる」と設定した。
児童を10班に分けたあと、芳賀講師は電子工作キット「リトルビッツ」を使っていろいろな警報機をつくるという本時の課題を示した。
警報機が作動する仕組みや、センサー、スイッチなどについて説明。シーケンサを使って4つの音を決めることや1つは休符を入れることなどを確認し、警報機づくりに取り組んだ。
テーマに沿った警報機にするため、児童は音色やリズムを考え、音、光、温度などの条件との組み合わせにも配慮しながら、意見を交わし作業を進めた。
「お風呂」をテーマに警報機を作成した班は、水圧でスイッチが入り、お湯の温度が適温になるとセンサーが反応し警報音が鳴るという仕組みを考案。つなぎ方や条件の組み合わせを工夫することで、様々なプログラム回路が存在することに気づいた。
最後に10通りの警報音を聞き、音やリズム、光や温度などの条件の組み合わせ方で多くの警報機がつくられることを体験した。
示範授業のあと、芳賀講師と森教授が「プログラミング教育の考え方」と題して講演。プログラミング教育とは、目的に応じ、どのような手順が必要か計画することとし、プログラミング分野における目標を示した。
また、実践事例の紹介や評価についても説明し、プログラミング教育への理解に期待を寄せた。
研修に参加した昭和小学校の齊藤崇教頭は「実践事例や考え方などを聞くことができ有意義な研修会だった。プログラミング的思考の育成が大切と感じた」と話していた。
最後に、愛国小の種市文彦校長が「プログラミング教育の必要性や意義などを日常の授業とも関連させながら、今後の教育活動に生かしたい」と述べた。
(市町村 2020-01-08付)
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