道研所内アカデミー 佐藤教育長講義 ICTスタンダード確立を 新時代の教育 在り方説く(道・道教委 2020-01-20付)
佐藤教育長と北村所長のトークセッションも行った
道立教育研究所は17日、同所で所内アカデミーを開いた。道教委の佐藤嘉大教育長が「北海道教育の発展に向けた思いと道研に期待すること」と題して講義。今後整備が進むICT環境を踏まえ、新しい時代の教育の在り方を伝える役割の重要性を伝え、教育施策を共につくる意識をもつよう呼びかけた。北村善春所長と対談し、本道の特性を踏まえたICT活用の「北海道スタンダード」の確立を提唱した。
本庁施策の方向性に対する道研の役割をより明確化し、同所が掲げる理念「現場第一主義と未来教育の創造」の具現化に必要な資質・能力の向上を図ることが目的。
道研所員、本庁各課の職員合わせ約80人が受講した。
北村所長があいさつ。「一人ひとりがこれからの教育改革に果たす役割を自覚し、自分たちの仕事とどうつながるかを考えてほしい」と呼びかけた。
続いて、佐藤教育長が講義。少子・高齢化が進む本道において、ICTの活用が大きなテーマになるとし、学校の小規模化に伴い、先輩教員から仕事の方法を学ぶOJTの機会が失われていると現状を分析。遠隔授業を通し、ベテラン教員の効果的な指導から学ぶことが重要になるとした。
また、全公立学校における校内LANやパソコン端末の1人1台環境の整備を目指す国のGIGAスクール構想を踏まえ、新しい時代の教育の在り方やその学習効果を地域・学校・保護者へと分かりやすく伝える教育行政の役割の重要性を指摘。未来の教育について考え、説明することが施策立案にもつながるとし「施策は本庁から下りるものでなく、共につくるものと考えてほしい」と呼びかけた。
つぎに、佐藤教育長と北村所長がトークセッション。北村所長は、時代の変化に伴って既存の組織の存在価値が問われているとした。
一方、佐藤教育長は好奇心とともに、仕事の質を上げるための批判精神の大切さを伝えた。
また、ICTを駆使した教育の推進に当たって佐藤教育長は、国の研究事業の成果や既存資料などを活用することにとどまらず、北海道の特性を踏まえた道独自の「北海道スタンダード」の確立を提唱した。
受講者は「自分が携わる仕事の大切さをあらためて自覚した」「現場の教員が使ってくれるコンテンツを増やしていきたい」などと感想を。外国人児童生徒の増加を見据えた学校への支援の在り方、学校同士が遠隔で交流するための条件などについても意見を交わした。
(道・道教委 2020-01-20付)
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