道立図書館で全道図書館専門研修 読み聞かせのスキル習得 アイヌ語発音の基礎など学ぶ(道・道教委 2020-01-22付)
遠藤氏はアイヌ関係絵本リストを示し作品を紹介した
道図書館振興協議会と道立図書館は17日、江別市内の道立図書館で本年度全道図書館専門研修(子ども読書/地域支援)を開いた。公立図書館等職員、学校教職員、学校図書館司書など約60人が参加。テーマ「基礎から学ぼう!~アイヌの物語と絵本の読み聞かせ」のもと、講義や演習などを通して読み聞かせに関するスキルアップを図った。
読み手に適した選書方法や発声法などを基礎から学び、子どもと本を結ぶ読み聞かせのスキル習得を図るとともに、アイヌを題材にした児童書などの読み聞かせに必要なアイヌの物語のあらましや、アイヌ語の発音の基礎などを学ぶことがねらい。定員を超える応募があり、図書館関係者のほか、アイヌ文化振興の関係者や地域の読み聞かせボランティアなど約60人が参加した。
開会に当たり、協議会の会長を務める道立図書館の岩渕隆館長があいさつ。アイヌ文化への関心が高まっていることや、読み聞かせ活動における地域との連携・協働の重要性を踏まえ、参加者間の情報交換などを通して「子どもの読書活動推進のためのネットワークの輪を広げてほしい」と呼びかけた。
第1部では、「“読み聞かせ”のためのアイヌ語・アイヌ文化入門」をテーマに研修。道博物館アイヌ民族文化研究センター研究職員の遠藤志保氏が「どのような作品があるか」について講義した。
アイヌ関係の子ども向けの本について、物語だけでなくアイヌ語・文化・歴史を知るものや人物伝など、様々なジャンルのものがあることを紹介。
子ども向けのアイヌに関係する作品を一覧化した「アイヌ関係絵本リスト」を提示し、読み聞かせの参考となるよう対象年齢や内容、分類、目的などを掲載していることを伝えた。
リストに掲載されている物語の本を「アイヌの物語として楽しむ」「アイヌの物語の再話として楽しむ」「創作物語として楽しむ」の3つに分類し、読む際のポイントをそれぞれ説明。目的に合わせたお薦めの本やシリーズ、著者のほか、読み聞かせをする際の参考書などを紹介した。
続いて、道博物館アイヌ民族文化研究センター研究職員の大谷洋一氏が講師を務め、「絵本の中のアイヌ語を、どのように読むといいか~アイヌ語の発音の基本」をテーマに演習した。
このあと、第2部として「絵本の読み聞かせを学ぶ~基本のキからお悩み克服まで」を展開。札幌市図書情報専門員で絵本専門士の笹山愉香氏が「絵本の読み聞かせと絵本選びのコツ」をテーマに講義したほか、「自分らしい絵本で読み聞かせを楽しむコツ」と題して演習を展開した。
参加者は読み聞かせに当たって必要な発声法や自分の声・キャラクターの特性を知り、絵本の選書・読むコツを基礎から学んだ。
(道・道教委 2020-01-22付)
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