道教委　アイヌ文化財専門職員研　学習指導要領の変更点は　北大院・谷本教授が講演

（道・道教委 2020-01-31付）

市町村教委の文化財専門職員ら６５人が参加

　道教委は２８日、道庁別館でアイヌ文化財専門職員等研修会を開いた。北海道大学大学院文学研究院の谷本晃久教授が「新学習指導要領と《アイヌ史》叙述～中学校社会（歴史的分野）を例にして」と題して講演。中学校社会の新学習指導要領において、アイヌについて取り扱うだけでなく、アイヌの文化についてもふれるよう改訂されたことなどを紹介した。

　研修会は、アイヌ文化財の価値や魅力を次代に伝え継承していくため、アイヌ文化に関連する文化財保護に携わる専門職員などを対象に、アイヌ文化財の保存・活用のための研修を行い、職員などの資質向上を図るもの。市町村教委の文化財専門職員やアイヌ文化に関心のある道民など６５人が参加した。

　開会式では、相川芳久文化財・博物館課長があいさつ。

　近年、アイヌ民族の文化に対する関心が高まっていることにふれたほか、白老町に民族共生象徴空間（ウポポイ）がことし４月にオープンすることを紹介した。

　続いて、谷本教授が講演した。

　文部科学省が告示した中学校社会の新学習指導要領において、アイヌに関する事項の改訂内容を解説。北方との交易をしていたアイヌについて取り扱うだけでなく、アイヌの文化についてもふれるよう明記されたことを紹介した。

　このあと、北海道大アイヌ・先住民研究センターの北原次郎太准教授が「多文化学習～地域学習の新しい波」、道教委義務教育課の田中智則主査が「学校教育におけるアイヌの人たちの歴史・文化等に関する学習の取扱い」と題し、それぞれ講演した。

(道・道教委 2020-01-31付)