道教委の部活動調査(元年9月末現在) 基準時間どおり実施96% 効果的実践「主体性育成」など
(道・道教委 2020-02-03付)

部活動表
部活動休養日・活動時間を道教委が示す基準で実施している部活動(クリックすると拡大表示されます)

 道教委は、令和元年度部活動にかかる調査結果(9月末現在)をまとめた。活動時間を道教委が示す基準(平日2時間、学校休業日3時間程度)に設定している学校の割合は98%で、96%の部が基準どおり実施できていると回答。短時間で効率的・効果的な実践を行っていると回答した学校は約半分で「生徒が練習メニューを考えるなど、主体性を育成する取組」が最も多く挙がった。

 調査対象校は、部活動の活動実績があると報告があった札幌市立を除く道内の公立中学校、高校、特別支援学校の計752校。

 部活動数は、運動部が4833部、文化部が2628部の計7461部。加入生徒数は運動部が8万4023人、文化部が4万2237人の計12万6260人で、部活動の加入率は75%だった。

 部活動休養日を、道教委が定めた北海道の部活動の在り方に関する方針等の基準(平日1日以上、休日1日以上の週2日以上)に設定している学校の割合は97・5%。設定どおり休養日を実施できていると回答した部活動の割合は95・7%で、うち、運動部94・2%、文化部98・5%だった。

 活動時間を道教委が示す基準(平日2時間、学校休業日3時間程度)に設定している学校の割合は98・1%。設定どおり実施できている部活動は96・9%で、うち、運動部96・1%、文化部98・2%。

 短い時間で効率的・効果的な部活動を実践していると回答した学校は51・9%。

 実践内容で多かったものは、①生徒が練習メニューを考えるなど主体性を育成する取組②練習メニューや指導方法・内容の工夫③部活動指導員・複数顧問制の導入④休養日の確保や活動時間の徹底⑤練習内容・目的の明確化⑥専門家による指導やICT機器等の活用―の順となっている。

◆部活動効果的な実践 各学校の具体的取組

 道教委の令和元年度部活動にかかる調査において「短い時間で効率的・効果的な部活動の実践をしている」と回答した学校の具体的取組はつぎのとおり。

▼生徒が練習メニューを考えるなど主体性を育成する取=118校

▽練習開始のアップを生徒が考えて実践(中学校)

▽試合後などに、個々のノートに練習の成果や課題を記載し、練習内容に活用(中学校)

▽部長が中心となり、生徒自身が課題を出すとともに、課題解消に向けた練習を考案(中学校)

▽定期的な部内ミーティングで練習方法や内容を検討(中学校)

▽生徒たちで練習内容や時間を考えた活動の実践(高校)

▼練習メニューや指導方法・内容の工夫=86校

▽筋肉の回復などを考慮したトレーニングの実施(中学校)

▽先進校の取組を参考とした練習方法の実践(中学校)

▽時間を制限し、効率的な練習方法の実践(中学校)

▽大会前後における短時間メニューの実施による集中力の育成(中学校)

▽班ごとに練習メニューを作成し、ローテーションで実施(高校)

▽専門的な知識、技術のある職員が考えた練習メニューによる取組(特別支援)

▽時間短縮に向けた練習内容の精選(高校)

▼部活動指導員・複数顧問制の導入=80校

▽外部指導者と連携した複数体制での指導・部活動指導員の活用(中学校)

▽茶華道部やボート部など特定の部活動における外部顧問の活用(高校)

▽顧問を複数配置し交代制による指導の実践(特別支援)

▼休養日の確保や活動時間の設定=49校

▽年間の休養計画(休養日カレンダー)の作成(中学校)

▽月2回程度、全校一斉に部活動停止日の設定(中学校)

▽会議の日を部活動停止日として設定(中学校)

▽部活動委員会による活動日の調整・部活動終了時刻の設定(中学校)

▽意欲的な活動を維持するために休養日を順守(高校)

▼練習内容および目的の明確化=40校

▽曜日ごとにテーマを決めた活動(中学校)

▽部活動通信や練習メニュー表の作成・配布(中学校・高校)

▽部活動ノートを活用し、生徒自身が課題を発見(中学校)

▽効果的なミーティングによる目的意識の明確化(中学校)

▽日常的に時間を大切にする指導の徹底(中学校)

▽短時間で集中して活動する意識の徹底(高校)

▼専門家による指導やICT機器等の活用=15校

▽科学的トレーニングのため、市販DVDの活用(中学校)

▽iPadの使用によって生徒の動作を視覚化しながら指導(中学校)

▽リハビリ専門家の講習会などに顧問が参加、生徒への指導に活用(中学校)

▽専門学校との連携によるメディカルルームの開設(高校)

▽VTRなどの活用(高校)

▽関係団体等が作成した指導手引の活用(中学校・高校)

▼その他

▽他校の効果的な実践資料を提供するなど職員の啓発活動を実施(中学校)

▽合同部活動を活用した複数指導者による効率的な練習(中学校)

▽他校の指導者と効率的・効果的な指導方法を相談(中学校)

▽各部の保護者会において学校の部活動にかかる方針を説明(中学校)

▽パソコンによる勤務時間の管理および部活動時間の把握(中学校)

▽練習方法に関する校内研修の実施(中学校)

▽出場大会の精選(中学校・高校)

▽各部活動で共通のトレーニングの実践(中学校)

▽体育館割り当てなどをもとに、部ごとの休養日の設定・活動時間の徹底(中学校)

▽柔軟に休養日を追加(高校)

▽部活動休養日の実施状況を毎月確認(高校)

(道・道教委 2020-02-03付)

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