道教委が全道生徒指導連絡協議会　ＬＧＢＴの現状を理解　９割は相談経験なし

（道・道教委 2020-02-04付）

より良い生徒指導の在り方について理解を深めた

　道教委は３日、札幌市内のかでる２・７で令和元年度第２回全道生徒指導連絡協議会を開いた。「ＷＩＴＨ　ＵＳ（私たちとともに）性同一性障害」実行委員会の日野由美代表が「特別な配慮を要する児童生徒への対応」と題して講演。ＬＧＢＴの児童生徒における現状を説明しながら特別な配慮が必要な児童生徒におけるより良い指導の在り方を説いた。

　協議会は、各教育局および各市町村のいじめ・不登校等の対策に関する取組や連携の在り方などについて情報交換や研究協議などを行い、学校教育指導等における生徒指導上の諸課題への指導助言、充実に資することがねらい。各教育局、市町村教委の生徒指導を担当する指導主事など６８人が参加した。

　はじめに、田中賢一生徒指導・学校安全課長が生徒指導の考え方について解説した。児童生徒に身に付けさせるべき事項として、①自己存在感②共感的な人間関係③自己決定―の３点を提示。それらを学習指導と関連付けながら教育活動を展開し、生徒指導の充実につなげる必要性を示した。

　尾形友秀主幹が道内における生徒指導上の諸課題について説明したあと、「ＷＩＴＨ　ＵＳ（私たちとともに）性同一性障害」実行委員会の日野代表が講演した。

　「非当事者よりＬＧＢＴ当事者のほうがいじめられた経験が多い」「ＬＧＢＴの当事者の９割は誰にも相談したことがない」など、ＬＧＢＴの児童生徒における現状を説明。その上で、特別な配慮が必要な児童生徒の対応の在り方やＬＧＢＴへの共通理解の促進を呼びかけた。

　このあと、「特別な配慮を要する児童生徒への対応」をテーマとした研究協議や生徒指導にかかる取組の説明などを実施。

　また、生徒指導・学校安全課の荒瀬匡宗主査がいじめ重大実態調査報告書を活用した研修をテーマに事例研究を発表した。

(道・道教委 2020-02-04付)