学校への苦情等　８割「ゼロ」　学校間で差　６割が勤務時間外に発生　道教委調査

（道・道教委 2020-02-03付）

　学校に対する保護者等からの苦情、不当な要求と思われる事案の約６割が勤務時間外で発生していることが、道教委の令和元年度『学校における働き方改革北海道アクション・プランにかかる取組状況調査結果報告書（令和元年７月１日現在）』で明らかになった。苦情等発生件数の内訳は「ゼロ」が全体の７８％と大半を占めている一方、道立学校で２５件、市町村立学校で９９件あった学校もあり、学校間の差が生じている。

　調査結果によると、昨年７月１日現在で苦情や不当な要求と思われる事案の発生件数は１４９５件。このうち、道立学校が３０８件、市町村立学校が１１８７件となっている。

　各学校における苦情等件数の内訳は「ゼロ」が全体の７８％と大半を占めており、「１件」「４件以上」がいずれも７％、「２件」が５％、「３件」が３％。

　１校当たりの苦情等件数は平均０・９件となった一方、１件以上あった学校（３４４校）の平均は４・３件。学校ごとに差が大きく、最も多かったのは道立学校では２５件（１校）、市町村立学校では９９件（１校）だった。

　苦情等件数が１件以上と回答した道立学校（８３校）における事案内容は「生徒指導」「交通マナー」「教員の言動」の順に多い。市町村立学校（２６１校）では、「児童・生徒指導」「交通マナー」「学校行事」と続く。

　勤務時間外における苦情等の発生件数は８９２件で、全体の５９・７％を占める。市町村立では小学校が４６９件、中学校が２４４件。道立では高校が１３５件、特別支援学校が４２件など。

　なお、道立学校においては勤務時間外の電話対応を順次導入しており、保護者からの緊急連絡に対してはほっかいどうスクールネットのメーリングリストなどを活用し、緊急連絡用メールアドレスを設定し対応している。

　保護者等からの過剰な苦情や不当な要求への対応マニュアル・手引の作成に取り組んでいると回答した学校の割合は３８％。「実施に向け検討中」が４９％、「取り組んでいない」が１２％だった。

(道・道教委 2020-02-03付)