【解説】ＳＮＳ被害等の増加続く

（道・道教委 2020-02-12付）

　令和元年に児童虐待で通告された１８歳未満の子どもの人数は９万７８４２人となり、平成２１年の１５倍以上となっていることが、警察庁の令和元年犯罪情勢で明らかになった。ＳＮＳで被害に遭った子どもの数は２０９５人で前年より１５％増となり、こちらも増加が続いている。

　児童虐待の通告子ども人数は９万７８４２人で、前年に比べ２１・９％増加。平成２１年の６２７７人から増加し続け、１１年間で１５・６倍、５年間で２・６倍となった。

　児童虐待の検挙件数は１９５７件で、４１・８％の増。５年間で２・４倍となった。

　ＳＮＳに起因する事犯で被害に遭った子どもの数は２０９５人で前年より１５・７％増。平成２４年の１０７６件以降、増加傾向にあり、サイバー空間を通じて他人を知り合うことなどを契機に被害に遭う事件が発生している。

　アンケートでは、全国１万人を対象に、該当する犯罪被害の経験について調べた。

　結果をみると、インターネット等を利用した児童買春・児童ポルノ違反・青少年保護育成条例違反の被害について、２・５％が「経験がある」と回答。このうち、「過去１年以内」と「２～５年以内」がいずれも０・８％、「５年以上前」が０・９％。

　ＳＮＳ・掲示板・ブログなどにおける名誉毀損や誹謗中傷など、その他のサイバー被害については４・０％が「経験がある」と回答した。

　警察庁は、犯罪被害者と対面することなく犯行に及ぶ匿名性の高いサーバー犯罪などについて、対策に応じて犯行手口が変化するものが多いと分析。児童虐待など家族的関係の中で多い犯罪に対しては、潜在化しやすい傾向にあることを踏まえ、対策に当たる必要があるとしている。

(道・道教委 2020-02-12付)