小規模校の教育でアンケート 道研 求められる授業力 遠隔研修 8割以上未参加
(道・道教委 2020-03-04付)

 道立教育研究所は、文部科学省指定「少子化・人口減少社会に対応した活力ある学校教育推進事業」に関するアンケート結果をまとめた。へき地・小規模校の教員に求められる資質・能力について管理職・教員共に「コミュニケーション能力」「授業(指導)力」が上位を占めているほか、研修への参加状況については、管理職と教員とでは認識に差があることなどが分かった。また、8割以上が「遠隔研修に参加させた(した)ことがない」と回答していることを踏まえ、道研では、学校の実態に応じた効果的な遠隔研修などについて今後研究を進めることとしている。

 事業は、道教委が文科省の委託を受け、道研を中心としてへき地・小規模校における教員の指導力向上に向けた研修の充実や成果の普及を図るもの。

 昨年10月15日から11月29日の期間に実施したアンケートは、道内の市町村立小・中学校、義務教育学校のうち、へき地指定の学校、普通学級の数が小学校11学級以下・中学校5学級以下の学校916校に勤務する管理職および研修担当等教員が対象。628校の管理職、550校の教員が回答した。

 調査結果をみると、へき地・小規模校の教員に必要な資質・能力では、管理職・教員共に「コミュニケーション能力」「授業(指導)力」が上位を占め、両回答で70%を超えた。

 指導力の向上にかかわって自校で課題と感じていることについては、管理職・教員共に「授業(指導)力」「研修機会・時間の確保」が上位を占め、両回答で60%程度となった。

 授業力に関する自由記述の中で「研修時間の確保が難しい」などの趣旨の回答が多くみられることから、道研は「授業(指導)力と研修機会・時間の確保が関連して課題となっている」と分析している。

 教員が受講を希望する研修への参加状況では「すべて参加させている」に回答した管理職が54%、「すべて参加できる」に回答した教員が24%と両者で大きく異なった。

 道研は、その要因について、道へき地・複式教育研究連盟と連携して分析するとともに、次年度の研修講座で課題を設定し、校長の学校経営に生かす視点の一つとする考え。

 校内研修の充実に向けて構築している(必要だと思う)体制について、管理職・教員共に「研修組織づくり」「研修時間の確保」「全員で学ぶ場の確保」が上位を占めた。管理職で70%程度、教員で80%以上となっており、体制整備の必要性はほぼ同様の意識であることが分かった。

 「遠隔研修に教員を参加させたことがあるか(参加したことがあるか)」との質問に対しては、管理職・教員共に80%以上が「参加させた(した)ことがない」と回答した。

 主な理由として、遠隔研修の内容の周知がなかったことや、必要性が実感されていないことなどが挙げられた。

 一方、へき地・小規模校の教員に必要な資質・能力にかかわる回答では、遠隔授業などの実践の必要性を挙げる回答も一定程度みられたことから、今後、各校の実態に応じた効果的な遠隔研修や、遠隔研修に適した研修内容などについて研究を進める必要があるとしている。

(道・道教委 2020-03-04付)

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