ＧＩＧＡスクール構想を加速化　端末整備　年度内完了へ　新型コロナ　国の緊急経済対策

（コロナウイルス関連 2020-04-09付）

　政府は７日、新型コロナウイルス感染症に対応した緊急経済対策を盛り込んだ令和２年度補正予算案を閣議決定した。文部科学省関連は２７６３億円で、うちＧＩＧＡスクール構想の加速化に２２９２億円を計上。５年度を目標としていた児童生徒１人１台の端末整備を本年度中に完了させる。このほか、学校におけるマスクや消毒液購入、学習指導員の追加配置に必要な経費を措置した。

　教育関連の事業をみると、学校休業時における子どもの学びを保障するため、ＧＩＧＡスクール構想の加速化に２２９２億円を計上。１人１台端末の早期実現、家庭の通信環境整備など、緊急時に学びを保障できる環境を整備する。

　学校における感染症対策事業には１３７億円を計上。マスクや消毒液の購入等を支援する。

　学校等衛生環境改善には１０６億円を措置し、トイレや給食施設の改修、体育・スポーツ施設の換気扇整備などを推進。

　学習指導員配置には８億円を計上。学年末における未指導分の補習などを支援する指導員を追加配置する。

　子どもの体験活動等への支援には２１億円を計上し、今回の新型コロナウイルスの影響によって失われた自然体験活動や運動遊びの機会の創出、文化芸術にふれる機会の充実を図る。

　修学旅行の中止・延期に伴うキャンセル料等への支援では６億円を措置。保護者の経済的な負担軽減へ財政的な支援を行う。

　新型コロナウイルス感染症対策のための国立青少年教育施設の活用に１２億円を措置。帰国する日本人留学生等受け入れのため、利便性が良く規模の大きい既存宿泊室の衛生環境を整備する。

　萩生田光一文部科学大臣は７日の記者会見で、今回の補正によるＧＩＧＡスクール構想加速化に伴い、５年度達成を目標としていた義務教育段階における児童生徒１人１台の端末整備を前倒しし、本年度末の完了を目指す意向を示した。

　緊急事態宣言の対象となった指定７都府県においては、端末を家庭で活用できるよう、文科省が借り上げたモバイルルーターを貸与するとし「リアルタイムのオンライン授業のみならず、録画した授業やデジタルコンテンツなどを活用してほしい」と述べた。

(コロナウイルス関連 2020-04-09付)