情報モラルの向上を 第2次道青少年健全育成基本計画(道・道教委 2020-04-16付)
道は、令和2~6年度を期間とする第2次道青少年健全育成基本計画を策定した。計画のテーマは「青少年が健やかに成長し、自立できる社会を目指して」。6年度までに教員が情報モラルの指導能力を「わりにできる」「ややできる」と回答する割合を100%とするなどの指標を設定し、情報化社会への対応や児童虐待の予防をより強化する。
道内の青少年を取り巻く環境の変化や課題などを踏まえ策定。近年の社会情勢の変化に迅速に対応するため、計画期間を5年間とした。
計画は、基本事項、青少年を取り巻く環境の変化と課題、青少年健全育成の基本的考え方、発達段階に応じた主な取組、推進体制の5章構成。「青少年が健やかに成長し、自立できる社会を目指して」を据え、「青少年に社会とのかかわりを自覚させながら、その自立を促す環境づくりを促進」など4つの基本方針を示した。
前計画からの変更点をみると、乳幼児期、学童期、思春期、青年期・ポスト青年期の4段階に該当する発達段階に基づく施策の取組を記載。家庭におけるフィルタリングの導入、ネットトラブルの防止、情報モラル教育の充実などの施策をより重点的に示した。
主要指標では新たに、情報化社会への対応として、教員が情報モラルなどを指導する能力を「わりにできる」「ややできる」と回答する割合を6年度までに100%とすることを設定。児童虐待予防のために1歳6ヵ月児健康診査や3歳児健康診査の受診率に関する目標値を定めた。
各施策の主要指標はつぎのとおり(①現状値②目標値。年度の表記がない現状値は平成30年度、目標値は令和6年度)。
青少年の豊かな人間性をはぐくむ環境づくり
【安心して子どもを育てられる環境づくり】
▼子育て支援の充実
▽ファミリー・サポート・センターの設置市町村数=①65②71
▽合計特殊出生率=①1・27②全国平均
▽地域子育て支援拠点設置個所数=①405②424
▼子どもの育成にかかわる人材の確保・育成
▽地域と連携した通学路の安全確保の取組状況(通学路を設置している学校のうち、PTAや地域住民のボランティアなどによる巡回パトロールを行っている小・中学校の割合)=①小・中学校各100%②小・中学校各100%
【豊かな心と健やかな体の育成】
▼家族のふれあい時間の推進
▽育児休業取得率(男性)=①3・5%②12%
▽年次有給休暇取得率=①49・1%②70%
▽子育てを支援する企業割合(子育て支援にかかる“一般事業主行動計画”を策定・届出している企業の割合)=①大企業97・3%、中小企業3・4%②大企業100%、中小企業25%
▽道家庭教育サポート企業等制度登録企業数=①2424社②4年度3000社
▽道立青少年体験活動支援施設実施主催事業における未就学児(親子を含む)対象事業の割合=①36・1%②4年度20%以上
▼基本的な生活習慣の習得▽「朝食を毎日食べている」小6、中3の割合=①小学校81・8%、中学校77・9%②令和4年度小・中学校各100%
▽体育の授業以外で1週間に運動・スポーツの総運動時間が60分以上と回答した小5、中2の割合=①小学校男子92・9%、小学校女子87・8%、中学校男子90・5%、中学校女子77・1%②4年度小・中学校男女各100%
▼地域の文化や活動を通じた豊かな心の育成
▽放課後等における子どもの活動拠点の整備状況=①97・8%②100%
▽異なる年代(学年)や他の校種と交流する活動を行っている学校の割合=①29年度小学校95・5%、中学校94・1%②4年度小・中学校各100%
▽規範意識や基本的な倫理観等の状況=①小学校88・4%、中学校94・6%②4年度小・中学校各100%
▽道立青少年体験活動支援施設の利用者数=①22万2725人②4年度23万3039人以上
▼生きる力を育む活動の充実
▽普段1日10分以上読書する小6、中3の割合=①小学校62・8%、中学校55・3%②4年度小・中学校各70%
▽学校や各学年の目標、教科等との関連などを示した全体計画を作成し、人権教育に取り組んでいる学校の割合=①29年度小学校95・9%、中学校95・6%②4年度小・中学校各100%
【困難を有する子どもを支援する環境づくり】
▼児童虐待の予防と早期発見
▽1歳6ヵ月児健康診査受診率=①97・6%②100%
▽3歳児健康診査受診率=①97・1%②100%
▼いじめ対策の推進
▽文部科学省調査の「いじめの認知件数」のうち、「解消しているもの」の割合=①29年度小学校97・3%、中学校93・4%、高校98・1%②4年度小・中・高校とも“認知したすべてのいじめが解消されることを目指す”
▽いじめに対する意識=①小学校88・0%、中学校80・8%②4年度小・中学校各100%
▽定期的にネットパトロールを行っている学校の割合=①小・中・高校各100%②4年度小・中・高校各100%
▼不登校、ひきこもり等の対策の推進
▽文部科学省調査「不登校児童生徒」のうち、学校内外の機関等において相談・指導等を受けた児童生徒の割合=①29年度小学校83・9%、中学校90・8%、高校65・5%②4年度小・中・高校各100%
▼ひとり親家庭、経済的困難を有する家庭への支援
▽新入学児童生徒学用品費等の入学前支給の実施市町村=①2年度134市町村②6年度全市町村
青少年の自立を促す環境づくり
【社会参加に向けた望ましい勤労観、関心の育成】
▼多様な体験機会の提供
▽体験活動を学校全体の計画に位置付けている割合=①29年度小学校66・2%、中学校49・7%②4年度小・中学校各100%
▽青少年向け木育教室等の実施割合=①29年度18・0%②8年度29%
▼国際交流活動の推進
▽グローバル人材の育成に取り組む学校の割合=①64・7%②4年度100%
▼キャリア教育の推進
▽体験的な学習活動を経験した道立高校生徒の割合=①70・0%②4年度100%
▽全国学力・学習状況調査において「将来の夢や目標をもっている」という設問について、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した小6、中3の割合=①小学校84・0%、中学校71・3%②4年度小・中学校各100%
▽卒業時に進路希望を設定できない生徒数=①23人②4年度ゼロ
▽新規大学等卒業者道内就職率=①68・6%②70・0%
青少年の福祉を阻害する行為の防止
【青少年を犯罪被害から守る環境づくり】
▼情報化社会への対策
▽学校における教育の情報化の実態等に関する調査において、「情報モラルなどを指導する能力」について、「わりにできる」「ややできる」と回答した教員の割合=①29年度84・8%②100%
(道・道教委 2020-04-16付)
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