道教委 高校等インターンシップ 進路意識の向上に効果 課題は実施時期調整など(道・道教委 2020-05-08付)
道教委は、令和元年度における全日制高校・中等教育学校のインターンシップ実施状況をまとめた。生徒に関しては「進路意識を明確にすることができた」等の成果を確認。一方で「進路を決定していない生徒への指導が必要」「受け身の姿勢が多い」など、課題も判明した。受け入れ事業所側からは、学校のインターンシップ実施時期と繁忙期とが重なるなど企業の受け入れ可能時期と合致しないことを指摘する声などが寄せられた。
国立教育政策研究所の調査に基づき、全日制の道立高校、道立中等教育学校を対象に、ことし3月末現在のインターンシップ実施状況をまとめたもの。
元年度の実施学校数は193校で、実施率は99%。学科別では、普通科が99・3%、職業学科が98・5%で専門学科と総合学科は100%だった。
学年別にみると、1年生が前年度比0・4ポイント減の18・5%、2年生が3・3ポイント増の47・4%、3年生が0・3ポイント減の7・7%だった。
3年間を通してインターンシップを1回以上行った生徒の割合は、3・4ポイント減の60・7%。普通科、職業学科、総合学科は減少し、専門学科は増加した。
職業分類では「専門的・技術的職業従事者」が41・8%で最も多く、「サービス職業従事者」21・3%、「販売従事者」9・2%などの順に多かった。
インターンシップの実施日数は「1日」が37・7%、「2日」が31・5%、「3日」が25・7%など。日数に関して「そのままでよい」が90・3%と最多で、「増やしたい」が6・3%、「今後減らしたい」が3・4%となった。
事前指導にかける時間は「1~5時間」が59・9%で最も多く、「ゼロ」が22・4%、「6~10時間」が12・8%などと続く。事後指導は「1~5時間」が56・3%で最多。「ゼロ」が25・7%、「6~10時間」が16・3%などと続いた。
事前指導の内容で最も重視して取り組んでいるものでは「インターンシップの目的を設定・確認させる指導」が多かった。
事後指導では「報告書やレポート作成などインターンシップを評価させる指導」「発表会やポスターセッションなど、インターンシップの成果を共有させる指導」との回答が多く寄せられた。
生徒に関する成果では「進路意識を明確にすることができた」が69・9%、「自己の個性や適性を把握し、自己理解」が64・2%で多かったものの、いずれも前年度よりやや減少した。
生徒に関する課題として「進路を決定する期間が長くなっている。進路を決定していない生徒への指導が必要」「コミュニケーションをとることが苦手としている生徒が増えており、受け身の姿勢が多い」などが挙がった。
一方、事業所側の課題としては「学校の実施時期と繁忙期とが重なるなど企業の受け入れ可能時期が合わない」「期間が短いため実践的な体験を行えない。もう少し長期間の受け入れを行うべき」などが挙げられた。
(道・道教委 2020-05-08付)
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