学校における体罰(札幌市除く) 元年度16件 授業中最多 研修重ね防止へ 道教委まとめ(道・道教委 2020-05-14付)
道教委は、道立学校、市町村立学校(札幌市を除く)における令和元年度の体罰にかかる実態調査結果をまとめた。体罰件数は、前年度比2件増の16件で、うち、今回の調査で判明したものが1件。被害を受けた児童生徒数は1人増の20人だった。体罰が行われた場面は授業中が12件で最も多かった。道教委は今後も引き続き、指導資料『望ましい指導の在り方』等を活用した校内研修を複数回実施するなど、体罰事故防止の徹底に取り組んでいく。
調査は、体罰に関する実態の把握と体罰事故防止の徹底を図ることを目的に平成24年度から実施。
元年度は、道立学校262校と札幌市を除く市町村立学校1316校の教職員、スクールカウンセラー、保護者および中学校、義務教育学校後期課程、高校、中等教育学校、特別支援学校中学部・高等部の生徒に対し、体罰の有無等についてアンケート調査を実施。対象者約51万人のうち、約35万人から回答を得た。
全校種を合わせた体罰の件数は、前年度比2件増の16件。うち、すでに報告を受けていたものが15件、教育委員会への報告がなく、今回の調査で判明したものが1件だった。
学校種別の内訳は、市町村立の小学校6校、中学校5校、道立高校5校。
被害を受けた児童生徒数は1人増の20人。うち、既報告分が18人、今回判明分が2人だった。
体罰が行われた場面は、授業中が12件、部活動中が1件、その他(清掃時間)が3件。前年度に比べ、授業中での体罰が増加した。
体罰の態様は、「殴る」が10件、「蹴る」が3件、「その他(黒板消しを投げ当てる、腕をつねるなど)」が3件。体罰によって傷害があったケースは1件(上腕部のあざ)だった。
体罰把握のきっかけ(複数回答)をみると、教員からの申告が11件、児童生徒からの訴え、保護者からの訴えがそれぞれ3件となっている。
なお、外部指導者による暴力は発生していない。
体罰防止に関する校内研修やその他の取組等を通じて指導した学校は、前年度に続き全校だった。それ以外に体罰防止に関する取組等を行った教職員の割合は、1・4ポイント増の53・8%だった。
道教委は、今回新たに把握した体罰に関して、すでに報告のあったものと合わせ詳細に事実関係を調査し厳正に対処する。
また、学校において、①指導資料『望ましい指導の在り方』などを活用した校内研修の複数回実施②事例研究など自ら考える内容を盛り込んだ研修の実施③体罰によって処分を受けた教職員を対象とした再発防止プログラムの実施―などによって、引き続き、体罰に対する教職員の認識を深めさせるとともに、体罰事故防止の徹底に取り組むとしている。
(道・道教委 2020-05-14付)
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