第2期道子どもの貧困対策推進計画 「相談支援」 重点施策に 6年度まで全市町村で計画
(道・道教委 2020-05-13付)

 道は、本年度から5ヵ年を計画期間とする第2期道子どもの貧困対策推進計画を策定した。前期計画からの変更点として、重点施策に「相談支援」に関する項目を追加。外国人の子どもへの就学支援、発達障がいのある子どもとその家族への支援を盛り込んだ。令和6年度までの目標指標では、全市町村で子どもの貧困対策推進計画を策定することを新たに示した。

 計画は、すべての子どもが夢や希望をもって成長できる社会の実現に向け、教育・福祉・労働など道の各部局が連携し相談支援等の施策を総合的・効果的に推進するもの。期間は2~6年度までの5年間。

 道は昨年12月にパブリックコメントを実施。ことし2月に道子どもの貧困対策ネットワーク会議で有識者・関係団体から意見聴取し、市町村としての障がい児に対する具体的施策の追加、外国人児童生徒の就学促進や日本語教育等の充実などを追記して計画を決定した。

 計画は、重点施策として①相談支援②教育の支援③生活の支援④保護者に対する就労支援⑤経済的支援―の5点を設定。

 前期計画からの変更点では、①を追加して市町村の子どもの貧困に対する施策を支援することを盛り込んだ。また、成長段階に応じ切れ目のない必要な施策を実施できるよう「出生」「就学前」「就学期(小・中学生、高校生、大学生など)」「就職」の別に施策を整理した。

 6年度までの目標指標では、全市町村で子どもの貧困対策推進計画を策定することとし、子ども食堂など子どもの居場所の設置、新入学児童生徒学用品等の入学前支給を全市町村で実施することを掲げた。

 外国人の子どもなどへの就学支援として、対象児童生徒の就学促進や日本語教育、キャリア教育等の充実に努めることなどを追記。支援を必要とする特定妊婦への対応などを盛り込んだ。

 保護者の生活支援では、発達障がいのある子どもを育てた経験のある親を相談相手・ペアレントメンターとして派遣する体制を整備する方針を示した。

 計画で示す指標の概要はつぎのとおり(①現状値②目標値。年度の表記がない現状値は平成30年度、目標値は令和6年度。目標値の設定が困難な指標は目標値を設定しない)。

▽生活保護世帯に属する子どもの高校等進学率=①96・6%②99・3%

▽生活保護世帯に属する子どもの高校等中退率=①3・7%②1・7%

▽生活保護世帯に属する子どもの大学等進学率=①36・7%②50・0%

▽児童養護施設の子どもの高校等進学率=①96・6%②99・3%

▽児童養護施設の子どもの大学等進学率=①27・9%②50・0%

▽ひとり親家庭の子どもの就園率(保育所・幼稚園等)=①29年度86・0%②現状値を維持

▽新入学児童生徒学用品費等の入学前支給の実施市町村=①134市町村②全市町村

▽ひとり親家庭において、経済的理由で、電気・ガス・水道のいずれかの料金の支払いができなかった経験が「あった」と答えた割合=①29年度20・8%②減少させる

▽ひとり親家庭において、経済的理由で、家族が必要とする食料を買えなかった経験が「あった」と答えた割合=①29年度43・6%②減少させる

▽ひとり親家庭において、子どものことで困ったことや悩みがあるときに相談する相手がいないと答えた割合=①29年度8・8%②減少させる

▽ひとり親家庭の親の就業率(母子家庭)=①29年度77・6%②80・0%

▽ひとり親家庭の親の就業率(父子家庭)=①29年度87・8%②88・1%

▽ひとり親家庭の親の正規の職員・従業員の割合(母子世帯)=①27年度41・4%②44・4%

▽ひとり親家庭の親の正規の職員・従業員の割合(父子世帯)=①27年度70・2%②増加させる

▽「子どもの居場所」がある市町村数=①27年度78市町村②全市町村

▽母子・父子自立支援員を知らなかった人の割合=①27年度46・7%②減少させる

▽ひとり親家庭のうち子どもに期待する学歴を高校までと答えた割合=①26・9%②減少させる

▽子どもの貧困対策推進計画を策定した市町村=①29年度4市町村②全市町村

▽スクールカウンセラーの配置校(小学校)=①400校②設定しない

▽スクールカウンセラーの配置校(中学校)=①410校②設定しない

▽ひとり親家庭のうち養育費についての取り決めをしている割合(母子世帯)=①29年度58・4%②設定しない

▽ひとり親家庭のうち養育費についての取り決めをしている割合(父子世帯)=①29年度30・1%②設定しない

▽全世帯の子どもの高校中退者のうち、「経済的理由」で退学したものの割合(公立)=①0・6%②設定しない

(道・道教委 2020-05-13付)

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