道教委 3~5年度公立高配置計画案 千歳北陽など学科転換 函館中部と北見北斗に理数科設置(道・道教委 2020-06-03付)
道教委は2日、令和3~5年度の公立高校配置計画案を発表した。普通科フィールド制を導入している野幌高校を普通科、千歳北陽高校を総合学科に学科転換し、新たな特色ある高校として位置付ける。中卒者数や学校・学科の配置状況などを勘案し、小樽潮陵高校など7校でそれぞれ1学級減。留辺蘂高校は、欠員の状況などを踏まえ、5年度に募集停止とする。
新型コロナウイルス感染症対策として本年度の第1回地域別検討協議会は書面で開催。4月下旬に各教育局、関係者などに会議資料を送付し、寄せられた意見を集約した。
関係者からは、高校教育全体の充実に関して「地元の魅力や抱えている問題を知るためには、高校生もまちづくりにもっとかかわったほうがよい」、特色ある高校づくりの推進に向けて「広大な本道では、それぞれの地域事情も異なることから、地域ごとに特性や実情を十分考慮した魅力ある高校づくりに取り組むことが大切」などの意見が挙がった。
計画案では、高校進学希望者数に見合った定員を確保することを基本に、中卒者数の状況を踏まえ、学校・学科の配置や規模の適正化を図るため、3~5年度の計画を策定。併せて6~9年度までの見通しを示した。
中卒者数の見込みとして、3年が前年比1492人減の4万1004人、4年が855人増の4万1859人、5年が659人減の4万1200人と推計。その後も総じて減少傾向にあるとした。
3~5年度の変更点をみると、全日制の学級減について、江別高校は各学科の欠員の傾向や当初出願の倍率など、生徒の進路動向の変化等を考慮し、3年度に1学級減とする学科を普通科から事務情報科に変更する。
また、生徒の多様な興味・関心や進路希望等に応じた主体的な学習が可能となるよう、滝川高校、登別青嶺高校、旭川西高校、北見緑陵高校に新たに単位制を導入する。
なお、北見緑陵高は、普通科フィールド制からの転換となる。
入学者数が減少傾向にある月形高校は、町内に通学困難地域があるなどの要件を満たすことから、教育環境の維持向上を図るため、地域連携特例校とする。
4年度の計画では、本道における理数教育の充実を図るため、函館中部高校、北見北斗高校において、それぞれ普通科1学級を理数科に転換する。
生徒の特性や進路希望等を踏まえ、教育課程の工夫改善を図るため、札幌丘珠高校普通科フィールド制を普通科に転換。
野幌高においては、基礎的な知識等の確実な定着や社会的・職業的自立に必要な能力などの育成に重点を置く、新たな特色ある高校に位置付け、普通科に転換する。
千歳北陽高は、同様に新たな特色ある高校に位置付けるとともに、専門教科も幅広く学習できるよう総合学科に転換する。
5年度の計画をみると、各学区の中卒者数や学校・学科の配置状況などを勘案し、小樽潮陵高など7校でそれぞれ1学級を減ずる。
留辺蘂高は、欠員の状況などを勘案し、募集停止とする。
地域連携特例校の穂別高校、南茅部高校、上ノ国高校に月形高を加えた4校においては、第1学年の在籍者数が2年連続20人未満となっているが、地域における取組等を勘案し、新たに再編整備を留保する。
道教委は、2日の教育委員会会議と道議会文教委員会で計画案を報告。今後、道議会での議論や7月に開く第2回地域別検討協議会で挙がった意見をもとに、9月上旬に成案をまとめる予定だ。
(道・道教委 2020-06-03付)
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