道教委 元年度体罰調査の分析 感情コントロールを 指導上のポイント示す(道・道教委 2020-06-09付)
道教委は、令和元年度『体罰調査の分析』をまとめた。先に公表した体罰に関する実態把握の調査をもとに、発生状況や体罰に至った要因などを分析。怒りの感情をコントロールする有効手段としてアンガーマネジメントの学びを深め、指導に生かす必要性などを示している。
調査は、体罰に関する実態把握と体罰事故防止の徹底を図ることを目的に平成24年度から実施している。
元年度調査結果から体罰発生にかかる指導上のポイントとして、①校種にかかわらず発生に注意②授業中や部活動だけでなくその他の場面での発生に注意③教室や運動場・体育館だけでなく、その他の場所での発生に注意④特に夏休み前後から秋ごろに注意⑤中堅・ベテランの教員こそ発生に注意―の5点を示した。
教職員の体罰に関する認識について「依然として体罰を指導の範囲内であるとの認識がある」とし、「自ら主観的な基準で体罰か否かを判断する誤った認識をもつ教職員が依然としてみられる」と分析。
体罰に至った要因では、指導の過程で自分の感情をコントロールできないケースが大半となっている結果から「アンガーマネジメントを有効な手段とし、怒りの感情をコントロールすることを学び、指導に生かす必要がある」と指摘。児童生徒が従わない場面をなくすため、教職員がコミュニケーション能力の向上を図るなど生徒指導の力量を高める必要性を示した。
研修の実施に対する教職員の意識では、「職員のアンガーマネジメントに関する意識が高まっている」とし、「知識として理解するだけでなく、研修や日々の指導等を通じて身に付け、指導の場面で生かす必要がある」と指摘している。
分析結果から、道教委は、各学校の体罰防止に向け「体罰に関する正しい知識を身に付けさせて指導する」「アンガーマネジメントなど、感情をコントロールできる指導を行う」などの取組を推進する重要性を提起。特定の教職員が問題を抱え込むことがないよう、複数の教職員で役割分担するなど、学校現場での指導の在り方や校内体制を点検し、校内巡視等を通して、体罰事故の未然防止に努めるよう呼びかけている。
(道・道教委 2020-06-09付)
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