第2回全道代表高校長研 道教委所管事項〈上〉 入選 特色生かし裁量事項検討 学びの保障へ適切に対応(道・道教委 2020-06-18付)
道教委主催の令和2年度全道代表高校長研究協議会(12日、道庁別館等)では、道教委各課等の担当者が所管事項を説明した。高校教育課は、新型コロナウイルス感染症にかかわって、年間指導計画の見直しや指導方法の一層の工夫改善などを進め、“学びの保障”のための教育課程を編成するなど、各学校において適切な対応を講じるよう要請。3年度の高校入学者選抜については、裁量を導入した成果等を検証するとともに、学校の特色を生かした選抜を行う観点から、学校裁量の事項について検討するよう求めた。所管事項はつぎのとおり。。
◆高校教育課・ICT教育推進課
【教育課程の編成・実施】
▼臨時休業に伴う学びの保障
令和2年5月19日付事務連絡「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における“学びの保障”の方向性等について」を踏まえ、学習指導要領に定められた各教科等の内容をすべての生徒に身に付けさせることができるよう、年間指導計画の見直しや指導方法の一層の工夫改善等によって、学びの保障のための教育課程を編成するなど、適切に対応いただきたい。
教育課程の特例的な措置として、一定の要件(家庭学習の内容が各教科等の指導計画に照らして適切に位置付けてあること、家庭学習における生徒の学習状況および成果を適切に把握できていること、生徒の学習状況および成果を確認した結果、十分な学習内容の定着がみられること)を満たせば、校長の判断によって家庭学習の内容を再度授業で取り扱わないことができることに留意いただきたい。
各教科等の学習指導については、2年6月3日付事務連絡「高校における学校再開後の学習指導について」で示した新たな学習スタイルの展開例を参考に、授業と家庭学習を組み合わせた授業展開を検討いただきたい。
▼教科書採択
各学校においては、平成26年6月9日付教高第413号教育長通達「“道立学校の教科書(中等教育学校の前期課程ならびに特別支援学校の小学部および中学部において使用する教科書を除く)の採択に関する実施要綱”の施行について」に基づき、適正かつ公正な選定を行うとともに、選定した教科書の報告については、各教育局から発出された「令和3年度に道立学校で使用する教科書の選定結果の報告について」(通知)に基づき、教育長の採択決定後に変更や追加などのないよう、正確に行っていただきたい。
特に、教科書の選定結果の報告および需要数報告の手続きなどにおいて、誤りがないよう、学校での確認・点検を確実に行っていただきたい。
なお、採択関係者に対する検定申請本の内容の開示に伴う不適切な行為や、宣伝活動等に関するルールを逸脱する行為が多くの教科書発行者において行われていたことが明らかとなったことから、各学校においては、2年4月8日付教義第36号教育部長通知「教科書採択における公正確保の徹底等について」に基づき、教科書採択の公正性・透明性の確保に万全を期していただきたい。
高校等において使用する教科書については、各学校における教科書の選定結果およびその理由を、高校教育課ホームページに掲載することとしている。本年度も同様に掲載するので、承知おき願う。
▼履修と修得の分離等(カッコ内は前年度の学校数)
▽2学期制=全日制194校(191校)、定時制35校(35校)
▽学期の区分ごとの単位修得の認定=全日制59校(62校)、定時制9校(9校)
▽卒業に必要な履修と修得の単位数の分離=全日制111校(108校)、定時制17校(16校)
▽学校外における学修の単位認定=全日制149校(149校)、定時制40校(41校)
▽土曜日授業=全日制30校(37校)、定時制4校(3校)
学期の区分ごとの単位修得の認定は、各教科・科目の授業を特定の学期に行う場合や、留学する生徒への対応などにおいて有効な方策であることから、学校の実情に即して検討いただきたい。
履修と修得の分離についても、生徒の能力・適性や興味・関心などが多様化している実態を踏まえ、個々の生徒について個性の伸長を図る観点から検討いただきたい。
また、学校外における学修の単位認定については、平成29年5月18日付教高第353号「高校等における学校外学修の単位認定について」で通知した。
生徒の実態や学校の実情等を踏まえ、特色ある多様な教育活動を展開するため、導入について引き続き、積極的に検討いただきたい。
▼教科・科目等の授業時数の確保
新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業にかかる授業時数の確保については、令和2年5月18日付教義第174号学校教育局長通知「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における“学びの保障”の方向性等について」および2年5月19日付同名事務連絡に基づき、各学校の実態に応じて授業時数の確保に努めていただきたい。
新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の期間が長期に及んだことから、授業時数の確保に向けて様々な工夫を講じるとともに、上記通知および事務連絡を踏まえて、学習指導要領等に定められた各教科等の内容を生徒に身に付けさせるようお願いする。
▼指導要録の改訂
道立中等教育学校については、2年3月11日付教高第2469号通達「中等教育学校生徒指導要録の改訂について」で改訂した。
主な改善点としては「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」で整理された3つの観点を踏まえ、各教科・科目の目標の実現状況を観点ごとに評価し、A、B、Cのように区別して評価を記入することとした。
道立高校に関しては、2年度中に指導要録の様式を示す予定であるが、高校においても、道立中等教育学校後期課程と同様に、観点別学習状況の評価の充実を図る観点から、指導要録において各教科・科目の観点別学習状況を記載していただく。
各学校における観点別学習状況の評価をさらに充実させ、学習評価の妥当性や信頼性を高める観点から、評価規準や評価の観点および評価方法を記載した各教科・科目の年間指導計画等を各学校のホームページに掲載するなどの検討をお願いする。
【公立高校入学者選抜】
▼2年度公立高校入学者選抜状況報告書(速報版)
例年同様、学力検査の得点や正答率等について速報版を作成し、今月中に公表する。
なお、出願者の状況を含めた公立高校入学者選抜状況報告書は、例年同様8月上旬に公表する。
▼3年度道立高校入学者選抜
▽学校裁量にかかる事項
3年度道立高校入学者選抜における学校裁量にかかる事項については、各学校における説明会の日程等を考慮し、6月12日に公表した。
各学校においては、裁量を導入した成果等を検証するほか、生徒の個性や能力などを一層多面的にとらえるとともに、学校の特色を生かした選抜という観点から、学校裁量にかかる事項について検討いただきたい。
▽中学校等の臨時休業の実施等を踏まえた入学者選抜等における配慮
2年5月14日付教高第316号通知「中学校等の臨時休業の実施等を踏まえた令和3年度高校入学者選抜等における配慮事項について」に基づき、現在検討中である。
▼入学者選抜の改善
昨年6月に「道立高校入学者選抜における改善について」を通知し、基本方針を示すとともに、ことし1月には、3年度入学者選抜(3年3月)から実施するインフルエンザ罹患者等を対象とした追検査について概要を通知した。
追検査にかかる具体的な内容については、ことし9月下旬を目途に、3年度入学者選抜実施要項を公表する予定。
【各種事業等】
▼元年度道高校学習状況等調査
本調査については、新型コロナウイルス感染症による臨時休業に伴い、集計表等の教育局への提出期日を2年6月26日までとしている。
調査を実施した学校においては、学習成果や課題を把握するとともに、自校の経年分析を行うなどして学習指導の改善・充実に活用するほか、その結果を教育課程や主体的・対話的で深い学びの視点からの学習・指導方法の改善に生かしていただきたい。
また、保護者に対し、学年懇談会や地区別懇談会などの多くの保護者が集まる機会に、自校の状況や改善策等について説明いただきたい。
▼道高校未来を切り拓く資質・能力を育む高校教育推進事業
▽カリキュラム・マネジメント推進プロジェクト
本年度は、胆振、上川、釧路で開催。本プロジェクトは、教育課程研究協議会における研究の成果を踏まえ、教科等横断的な視点による教育課程編成・実施についての理解を深め、教務主任の立場から自校のカリキュラム・マネジメントに関する課題解決の方策を考えることをねらいに、道立教育研究所研究研修主事が講師となり教員研修を実施している。
本プロジェクトの成果を効果的に活用し、学校組織全体で主体的・対話的で深い学びの実現を図るための授業の工夫改善に努めていただきたい。
▽授業改善セミナー
実施方針等に大きな変更はない。今後、スペシャリストの委嘱や授業改善セミナーにおける会場の提供について依頼があった場合には、理解・協力いただきたい。
また、新学習指導要領の実施に向け、教科にかかわる研修が不足しているとの声が聞かれることから、各教科・科目の改訂の趣旨やポイント、学習評価等について説明する時間を設定する予定。
▽学校サポーター派遣事業
学習支援員の派遣による学習サポートとして、前年度は16校を指定し、大学生や退職教員による授業や放課後の予習・復習の補助を行ったが、本年度においても、学校サポーターの派遣時間を例年並みに維持し、効果的な活用を図っていく予定。
現在、希望調書の内容を参考に選定しており、決定後に連絡する。
▼地域医療を支える人づくりプロジェクト事業
▽メディカル・キャンプ・セミナー
本年度は、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を踏まえ、8月11日に遠隔システムを活用して、大学教授等による特別講義、数学および英語の学習アドバイス、医大生との座談会などの内容で実施する予定。
詳細については、今後、各医育大学および関係機関等と調整し、決定次第、知らせる。
各学校においては、医学部医学科への進学を希望する生徒(2年生)の参加について、配慮いただきたい。
▽高校生メディカル講座および医学部生の招へい事業
2年4月23日付教高第188号で医進類型指定校9校および協力校6校を指定。2年5月18日付教高第342号で「高校生メディカル講座」、元年5月18日付教高第343号で「医学部生の招へい事業」の実施について通知した。
これらの取組については、指定校および協力校において、高校教育課や教育局と連携し、医育大学等の協力を得て、内容の充実を図っていただきたい。
▽サポートチームの派遣
2年6月2日付教高第459号で「サポートチームの派遣」について通知。学校の取組状況を踏まえ、有効に活用していただきたい。
▼科学の甲子園北海道大会
科学技術振興機構(JST)において、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を踏まえ、本年度の科学の甲子園全国大会の開催の可否を検討し、7月上旬までに方針を示す予定。
科学の甲子園道大会の開催については、道内における新型コロナウイルス感染症の状況やJSTの方針等を踏まえて判断し、決定次第知らせる。
▼小・中・高校英語教育支援事業
本道の児童生徒が4技能5領域のバランスの取れた英語力を身に付け、主体的にコミュニケーションを図ることができる資質・能力を育成するため、小・中学校および高校10年間の系統的な英語教育の指導体制を整備することを目的に、本年度から2年計画で実施する。推進校、協力校の選定にかかわり、各学校の理解・協力に感謝する。
▽推進校
・蘭越高(蘭越町立蘭越小、昆布小、蘭越中)
・静内高(新ひだか町立三石小、三石中)
・富良野高(富良野市立東小、鳥沼小、富良野東中、富良野緑峰高(協力校))
・鹿追高(鹿追町立鹿追小、上幌内小、笹川小、鹿追中)
▽協力校
・滝川高(雨竜町立雨竜小、雨竜中)
・大麻高(江別市立大麻東小、大麻泉小、大麻東中)
・苫小牧南高(苫小牧市立明野小、美園小、明野中)
・知内高(知内町立知内小、涌元小、湯ノ里小、知内中)
・江差高(乙部町立乙部小、乙部中)
・富良野緑峰高(富良野市立東小、鳥沼小、富良野東中、富良野高〈推進校〉)
・遠別農業高(遠別町立遠別小、遠別中)
・稚内高(稚内市立稚内東小、声問小、稚内東中)
・北見緑陵高(北見市立高栄小、大正小、高栄中)
・士幌高(士幌町立士幌小、中士幌小、上居辺小、士幌町中央中)
・厚岸翔洋高(厚岸町立真龍小、真龍中)
・別海高(別海町立野付小、野付中)
各推進校においては、今後、小・中学校と連携し、CAN―DOリストの整備、小中高合同研修会の実施、英語力向上に向けた指導方法の工夫、検証・改善、コンソーシアムの構築、地元PRによる地域活性化、公開授業の実施などに取り組む。
協力校においては、中学校や高校の推進校と連携を図り、推進校における取組の一部に参加していただくとともに、本事業の成果の普及を図っていただく。
▼グローバル人材育成キャンプ
事業の最終年度として、本年度も道内3会場で実施する予定であったが、今般の新型コロナウイルス感染症の情勢を鑑み、中止することとした。
スーパー・イングリッシュ・キャンプの開始から9年間で延べ653人の高校生が参加。
各高校においては、生徒の参加、英語教員やALTの派遣などにおいて特段の配慮をいただいたことに感謝する。
▼交換留学
新型コロナウイルス感染症の状況を慎重に見極めながら、年度内の実施に向け調整中。
カナダ・アルバータ州については、当初通知どおりの実施は難しい状況であり、時期の後ろ倒しや日程短縮も含め、調整中。また、出願者数の報告は、引き続き保留。
アメリカ・ハワイ州などその他の国・地域については、実施の可否も含め、調整中。
▼高大連携によるHokkaido Study Abroad Program
スケジュール変更等の可能性はあるが、道立校に派遣する北大留学生の募集などを進めるので、引き続き協力をお願いする。
【海外からの教育旅行の受け入れ】
各学校においては、海外の高校生等が日本を訪れた際に学校を訪問する教育旅行の受け入れ機会拡大について、積極的に検討していただいた。
本年度については、新型コロナウイルス感染症の影響によって、教育旅行の受け入れについては全面的に見合わせている状況であり、今後については状況次第である。
【キャリア教育】
▼就職未内定の生徒の状況等
札幌市を除く公立高校の3月末の就職未内定の生徒は130人であり、うち就職試験を受けなかった、いわゆるゼロ回受験者は64人。
前年同期に比べ27人減少し、理由として「アルバイトをすることにした」が最も多い状況である。
関係の高校においては、卒業後も丁寧に就職支援を行っていただいているが、引き続き、関係機関と連携した支援の充実を図るようお願いする。
▼進路希望が定まらないまま卒業した生徒に対する指導
2年3月に道立高校を卒業した者のうち、進学や就職などの進路希望が定まらないまま卒業したのは279人であった。
各学校においては、学ぶことや働くことの意義を理解し、自ら主体的に判断してキャリアを形成していく力を身に付けることができるよう、外部講師による講話やインターンシップなどの体験的な学習活動を通したキャリア教育の充実を図っていただきたい。
▼高校生就業体験活動推進事業
6月15日付で、これまでの高校生インターンシップ推進事業実施要項を改正し通知した。これまでと大きな変更はないが、学習指導要領の改訂を受けて文言を整理した。
また、道教育推進計画では、4年度の目標として、インターンシップなどの体験的な学習活動を経験した生徒の割合を100%と設定していることから、インターンシップは原則として、すべての生徒が参加することとしている。
進学希望者が多い普通科等においては、大学や裁判所、研究施設等の専門機関におけるアカデミック・インターンシップを実施するなどして、積極的に推進していただきたい。
▼キャリアサポートセミナー
本年度は4管内(空知、渡島、上川、十勝)の道立高校等を会場として、主に高校1・2年生を対象として実施する予定。
セミナーでは、仕事に就くことに対する意識の向上を図るため、電話対応などのビジネスマナーや労働法に関する講義のほか、生徒の希望に応じた職業体験ができるよう計画しているので、生徒に積極的に参加するよう働きかけをお願いする。
▼実践的職業教育推進事業
専門高校フューチャープロジェクトとして、本道産業を支える人材を育成するため、札幌工業高校と岩見沢農業高校を指定。大学や企業等と連携し、地域産業の課題解決に必要な資質・能力を育成するための実践研究に取り組むようお願いする。
【進学用調査書】
進学用調査書については、平成30年11月14日付教高第1519号通知「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しにかかる予告の改正について」によって、新たな様式を使用することについて通知した。
過年度生の調査書については、受験先大学が旧様式で対応可能な場合等は、旧様式も使用可能であることから、各学校と受験先大学との間で連絡を取り合っていただきたい。
【修学旅行の実施】
修学旅行の実施については、感染防止対策を最優先としていただき、3つの条件(換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離での会話や発声)が重なることがないよう、各学校において適切に判断していただいている。
その上で、当面の措置として修学旅行を取りやめる場合においても、その教育的意義や生徒の心情等にも配慮いただき、中止ではなく延期や見学地の変更を検討いただくなどの配慮をお願いする。
計画見直しに際し、旅費の会計年度は旅行日が属する年度の予算によって執行することとされており、令和2年度中に日程を変更して見学旅行を実施するよう、併せてお願いする。
【ICTを活用した教育の推進】
1人1台端末を活用した授業の実現に向け、先進事例を収集するなどして在り方を検討し、活用指針や授業モデル等を作成するとともに、クラウドを活用して指導案や教材を教員間で共有するなどの取組を進めることとしている。
各学校においては、授業においてICT機器を積極的に活用し、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善や学習活動の一層の充実を図るとともに、その実践について情報提供いただくなど、授業モデルの作成および指導案や教材の共有に協力いただきたい。
【高校における1人1台端末を活用した授業】
高校における1人1台端末を活用した授業を見据え、道立学校に対し、1校につき10台の学習者用PC端末や1学年の学級数分のプロジェクタ等を本年度から計画的に配備。
2年度は、96校程度に配備する予定。授業においてICT機器を有効に活用し、その実践を広く普及することのできる学校に優先的に配備したいと考えており、現在希望調査を実施中。
1人1台端末環境の実現については、安価な生徒用PC端末のBYOD(家庭用情報端末の学校での利用)による導入なども含め、有識者や関係機関・団体と連携しながら具体的な検討を行い、本年度中に、1人1台端末環境の実現に向けた取組計画を策定し、一定の方向性を示す考え。
【学校休業期間中におけるICTを活用した家庭学習支援】
学校休業期間中の子どもたちの学びの機会を保障するために、特に、効果的なICTを活用した学習支援の方法等を示した『新型コロナウイルス感染症対策にかかるリモート学習応急対応マニュアル』を作成し、全道の学校に配布した。
今後も、感染症や自然災害等で同様の事態が訪れる可能性もあることから、学校休業中におけるICTを活用した家庭学習支援について、日ごろから準備を進めていただきたい。
【多様なタイプの高校づくり】
▼多様なタイプの高校
それぞれのタイプの趣旨を十分に生かした教育活動が展開され、対外的に説明責任が十分果たせるよう、教育課程の不断の見直しに取り組んでいただきたい。
今後とも継続的に学校と高校企画・支援係が連携を深めることが必要である。
▼ホームページによる積極的な情報提供
今後、中学生や保護者が進路選択に当たり、各学校のホームページを見る機会が増えることが予想されることから、それぞれのタイプの特色や特色ある教育活動などを分かりやすく掲載するとともに、定期的に更新するなど、積極的な情報提供に努めていただきたい。
【地域連携特例校と地域連携協力校等の連携】
▼遠隔授業の計画的な実施
平成27年度から、一定の条件のもと、遠隔授業による単位認定が可能になったことから、地域連携特例校と地域連携協力校においては、積極的に遠隔授業を実施していただきたい。
▼遠隔システムの積極的な活用
30年3月に策定したこれからの高校づくりに関する指針では、地域連携特例校において、地域連携協力校以外の高校との遠隔システム等を活用した連携に取り組むことを検討する旨を記載した。
前年度は、地域連携特例校間の連携として、遠隔授業を13組15校で実施した。前年度末には、各校の希望等を把握し、地域連携特例校間での連絡・調整の上、本年度の実施予定を集約。引き続き、地域連携特例校間における遠隔システムを活用した連携を積極的に行っていただきたい。
【道立学校間連携】
道立学校における学校間の連携に関し、教員が相互に連携する学校に出向いて授業を行うことで教育課程の維持充実を図り、教育活動の一層の推進に資することを目的に実施。ことし5月末現在、2組4校(前年度3組6校)の申請があった。
教員数が少ない小規模校においては、遠隔授業の実施と並んで魅力化につながる有効な手段の一つとなる。
29年度から、特別支援学校も含めて、道立学校間の連携が可能となるよう要綱を改正した。
本制度については、年度途中からの申請も可能であることから、近隣校間で相談するなどして積極的に活用していただきたい。
【小規模総合学科校等による地域と連携・協働した高校魅力化推進事業】
小規模となった総合学科校等が、地域創生の観点から地域と連携・協働して実施する高校の特色化・魅力化に向けた取組を支援するため、対象校のうち、取組の成果が期待できると判断される高校(12校)で実施を決定。
該当校においては、魅力ある学校づくりに向けて事業を効果的に活用していただきたい。
第1学年2学級以下の総合学科高校において、時間講師を任用する経費を予算の範囲内で措置。年度途中からでも時間講師の予算措置は可能であるので、該当する推進校においては、時間講師の活用について積極的に検討していただきたい。
◆教育環境支援課
【遠隔授業の集中化】
来年度からの仮称・道高校遠隔授業配信センターによる遠隔授業の配信に向け、現在、配信拠点となる有朋高校を中心に、研究開発学校や一部の地域連携特例校に協力いただき、試行配信を実施している。
ことし5月には、地域連携特例校や離島にある道立高校の校長または教頭が、遠隔授業の導入に伴うカリキュラム・マネジメントや具体的な実施方法および地域への周知の在り方等について、学校教育局参事を兼職している5人の校長から助言や支援を受けることができる体制を整備した。
また、当配信センターは、授業のほか、進学講習の配信を計画しており、本年度、特例校等を中心に長期休業中の進学講習の同時配信を試行実施する予定。後日、実施する日程や教科・科目等が決まり次第、関係の学校に案内するので、生徒の参加について協力いただだきたい。
▽今後の主な予定
・6月末=令和3年度配信科目一覧の公表
・7月末=3年度受信科目申請(特例校等)
・8月=夏季講習の試行配信(実施の可否について調整中)、2年度遠隔授業運営協議会(札幌市)、遠隔授業指導力向上研修会(札幌市)
・9月=3年度配信先学校および配信科目の決定
・10月~=教科別研究協議会(学習内容や進め方等の検討)
・12月=冬季講習の試行配信、3年度配信スケジュール・時間割の公表
※運営協議会や研修会の日程は、新型コロナウイルス感染症への対応状況に応じて、変更となる場合がある
【ICT機器の整備】
道教委では、国のGIGAスクール構想を踏まえ、本年度中に、各道立高校のネットワーク配線を新規に敷設することとしており、現在、関係課や施工業者等と連携し、工事の行程を調整している。
今回の工事では、各普通教室および職員室に、学習系ネットワークとして無線LAN(Wi―Fi)アクセスポイントを設置するほか、すべての校内ネットワーク配線を新設する。
現在、スクールネットにおいて、セキュリティ対策上、外部サービスの利用を制限しており、各学校からのクラウドサービス利用に当たって不便をかけているが、工事後は、普通教室はもとより、職員室からも学習系ネットワークからクラウドサービスが利用可能となるよう準備を進めている。
工事開始は9月以降を見込んでおり、それまでに、生徒や教員のアカウントの管理方法を含め、スクールネットを利用したクラウドサービスの運用指針(ガイドライン)を示す予定。
各学校においては、クラウドサービスを活用した効果的な授業の在り方の研修を行うなど、校内のWi―Fi化に向けた準備を進めていただきたい。
【研修】
▼研修の成果の学校や地域への還元
各種研修について、研修の成果を受講者本人だけでなく、自校や地域における教育の充実に還元できるよう配慮いただきたい。
還元の機会や方法については、資料やレポート等の回覧のほか、研修受講者による校内や管内研究会での研修内容や成果についての報告、研修受講者を講師とする校内研修等の実施が考えられる。
新型コロナウイルス感染症対策として学校の臨時休業を実施したことによって、各学校において夏季休業中に授業を行うことなどが想定されることから、夏季休業中の教職員研修について当初の予定を見直す必要がある。
そのため、法定研修については、夏季休業中には集合研修や実習体験を行わないこととし、学校の負担軽減を図る。
法定研修以外の研修については、夏季休業中には実施しないこととするとともに、本年度の実施を見送ることも含めて再検討する。
▼中堅教諭等資質向上研修(旧10年経験者研修)
▽第Ⅰ期=オンデマンド形式による研修、8~9月(予定)
▽第Ⅱ期=集合形式による研修、3年1月5~7日
各学校においては、学校計画研修との連続性を重視し対象者へ指導いただきたい。
▼初任段階教員研修
▽1年次第Ⅱ期=オンデマンド形式による研修(5講座)
▽1年次第Ⅲ期=10月5日
▽2年次第Ⅰ~Ⅲ=期=夏季休業終了以降、学校視察1日
▽3年次=夏季休業終了以降、管内ごとに集合形式半日
▽4年次=夏季休業終了以降(現在検討中)
▽5年次=夏季休業終了以降(現在検討中)
各学校においては、より効果的な研修となるよう、研修対象者に各研修の目的や内容等を事前に十分に把握させるとともに、研修対象者が自己の課題等について整理して研修に臨むよう指導いただきたい。
◆健康・体育課
【新型コロナウイルス感染症への対応】
学校における新型コロナウイルス感染症への対応に関し、学校の新しい生活様式として、文部科学省から衛生管理マニュアルが示された。
生徒に感染が判明した場合等については、2年5月26日付教健体第147号「小学校、中学校、高等学校および特別支援学校等の再開について」に基づき、①生徒が新型コロナウイルス感染症と診断された②生徒が濃厚接触者となった③同居する家族が濃厚接触者となった―ことについて保護者等から学校に情報提供があった場合、①の場合は休日を含めてただちに、②および③の場合は速やかに教育局を通じて健康・体育課に、状況を電話で報告いただきたい。
なお、生徒や保護者等から連絡があるまで、第三者である学校の教職員が感染の有無を聞くことは、プライバシーの侵害に該当することに留意願う。
臨時休業については、生徒または教職員に感染が判明した場合、保健所によって濃厚接触者が特定されるまでの間、必要に応じて学校の全部または一部の臨時休業を実施することとなる。その後、保健所の調査や学校医の助言等によって、感染者の学校内での活動の状況や地域の感染拡大の状況を踏まえ、学校内で感染が広がっている可能性が高いと判断された場合は、その範囲に応じて、臨時休業の規模や期間を検討することとなるので、速やかに教育局まで連絡いただきたい。
各学校において、新型コロナウイルス感染症に関する適切な知識をもとに、自ら感染のリスクを避けたり、差別や偏見のない適切な行動を取ったりすることができるよう、科目「保健」や特別活動、保健だより等を通じて感染症対策に関する指導の充実を図るようお願いする。
生徒の心身の健康状態の把握については、発熱等の風邪症状がある場合は自宅で休養するよう指導を徹底するとともに、引き続き健康観察シートによる登校時の健康観察や、学校が再開した初期の段階は、すべての生徒を対象とした健康相談等を実施するなど、長期間にわたる臨時休業明けの生徒の健康状態に一層の配慮をお願いする。
毎年6月末までに実施している生徒の定期健康診断に関し、本年度は7月以降の実施となることもあり得るが、このことで、心疾患等の発見が遅れるなどの可能性も考えられることから、より一層日常的な健康観察等に努めるとともに、健康上の問題があると認められる場合は早期に健康相談や保健指導を実施するなど、適切な支援に努めていただくようお願いする。
【体育活動および部活動中の事故防止】
学校における体育活動および部活動中の事故防止については、これまでも安全指導の徹底をお願いしてきたが、特に、これからの時期は、熱中症のリスクが高いことを踏まえ、水分補給等の予防対処や保健指導の徹底を図るよう留意願う。
各学校においては、それぞれの実施状況に応じて、生徒の安全確保について適切に対応いただくようお願いする。
【2年度の学校体育関連の各種研修等】
現在、昨年8月に帯広市で実施した授業等改善講習会ならびに11~12月に江別市、苫小牧市で実施したダンス講習会について、新型コロナウイルス感染状況や各学校の状況等を踏まえ、実施の可否について検討している。
オリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業については、本年度は、小学校の7校を推進拠点校とする予定。
【中学校における武道の必修化に伴う柔道授業の支援】
平成29年度から中学校における柔道の授業を支援することを目的として、柔道の指導力を有する教員12人程度をチーム員に委嘱している。本年度も引き続き計画しているが、新型コロナウイルス感染症や中学校の教育活動等の状況を踏まえながら、慎重に進めていきたい。
なお、実施の場合、チーム員には、初任者および初めて柔道を指導する教員が所属する中学校の柔道授業の視察および指導助言などを依頼する予定。
【5年度全国高校総合体育大会における会場地担当教員】
各競技種目大会の準備に当たり、専門性が高く、大会運営等を熟知している教員が、4年度から会場地市町村実行委員会において、大会実施要項の作成や運営計画等の業務を行う必要がある。
会場地担当教員は、原則として1競技につき1人で、会場地市町村の近郊の学校に勤務していることなどを条件とし、大会準備にかかる従事日数は、開催前年度は週3日以内、開催年度は9月まで週5日以内の予定である。
今後は、7月末までに高体連の各専門部長から候補者を推薦していただき、異動が必要な場合は、関係学校と道教委関係課で調整しながら、3年度(4年度)の人事異動で配置するため、協力をお願いする。
(道・道教委 2020-06-18付)
その他の記事( 道・道教委)
十勝局と幕別清陵高がICT研修 新たな学習スタイルとは 物理基礎、英語の授業視察
【帯広発】十勝教育局と幕別清陵高校(澤田慎也校長)は16日、ICTを活用した授業改善プロジェクトの特別企画として管内高校教職員と事務職員を対象に研修会を開いた。管内高校・特別支援学校の教職...(2020-06-22) 全て読む
道教委 時間外勤務で意識調査 「調査の回答」に多忙感 保護者等対応 負担感が増
忙しさを感じる学校業務に「事務処理(調査への回答)」を挙げる副校長・教頭、主幹教諭・教諭が全体の8割を占めている―。道教委の令和元年度教育職員の時間外勤務等にかかる実態調査の教育職員等の意...(2020-06-19) 全て読む
2年度中学校免許外教科担任解消 38人を117校に加配 解消教科135教科 道教委
道教委は、令和2年度の中学校免許外教科担任解消のための加配教員の配置状況をまとめた。前年度より3人増の38人を加配。深川立市深川中学校など新規を含む本務校・兼務校の合計は15校増の117校...(2020-06-19) 全て読む
第2回全道代表高校長研 道教委所管事項〈下〉 多様な教育相談体制構築 いじめを見逃さず対応
道教委主催の令和2年度第2回全道代表高校長研究協議会(12日、道庁別館等)における、各課等担当者による所管事項の説明概要はつぎのとおり。 ◆生徒指導・学校安全課 【生徒指導】 ▼いじ...(2020-06-19) 全て読む
道教委 学校図書館振興へ調査研究 道内は北広島市教委など 副読本電子化や司書活用
文部科学省は、本年度新規事業となる学校図書館の振興に向けた調査研究の委託先を決定した。道内の委託先は北広島市教委、紋別市教委、道教育大学へき地・小規模校教育研究センター。北広島市教委は社会...(2020-06-18) 全て読む
道教委 ステップアップ・プログラム 本年度は14校で実施 新規に札幌琴似工定時制など
道教委は、令和2年度高校生ステップアップ・プログラムの実施校を決定した。札幌琴似工業高校定時制など新規5校を含む14校を指定。各実施校は、生徒のコミュニケーション能力の育成を図るため、計画...(2020-06-18) 全て読む
道議会質疑 予算特別委員会(令和2年3月19日)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】 【質問者】 ▼真下紀子委員(日本共産党) 【答弁者】 ▼...(2020-06-17) 全て読む
道教委 少人数学級実践研究事業 小3追加し177校で 4年度までに4年も35人学級
道教委は、少人数学級実践研究事業の令和2年度研究校をまとめた。対象学年に小学校3年を追加し、小・中学校合わせた研究校は177校。内訳は、小学校2年74校、3年37校、中学校1年66校となっ...(2020-06-17) 全て読む
令和3年度(2021年度)公立高校推薦入学者選抜における普通科の「推薦の要件(志望してほしい生徒像)」(札幌市立・岩見沢市立・知内町立・奥尻町立・三笠市立・音威子府村立・大空町立高校を除く)
道教委が定める実施要項に基づいて実施する公立高校普通科の推薦要件一覧表は①から始まり、②③および④左半分へと続きます。 市町村独自の要項で実施する岩見沢市立・知内町立・奥尻町立・三笠市...(2020-06-16) 全て読む
道教委 教育職員の時間外勤務実態 元年度学内勤務 週51時間 減少も過半数が目標未達成
道教委は、令和元年度教育職員の時間外勤務等にかかる実態調査結果をまとめた。1週間の学内勤務時間は全体で51時間1分となり、平成28年度の前回調査と比べ1時間36分減少。中でも、副校長・教頭...(2020-06-16) 全て読む