道教委指定の渡島・檜山管内3校 デジタル化で作業効率化 働き方改革実施計画策定(学校 2020-06-22付)
【函館発】道教委の働き方改革推進事業の指定を受けた渡島・檜山管内の小中学校3校の実施計画がまとまった。学校行事の反省のデジタル化、ICカードや校務支援システムによる在校時間等の把握、ICT研修会、印刷作業の効率化などを計画。各校は校内推進組織で毎月、取組の進ちょく状況の確認や検証を進めながら、各項目に応じた到達目標の達成を目指していく。
事業は、道教委が作成した『北海道の学校における働き方改革手引 Road』の実践事例の普及啓発、道アクション・プランで掲げる取組を通じた好事例の普及・啓発、実効性の高い働き方改革の推進を目的に本年度から新たに開始したもの。渡島・檜山管内では、八雲町立八雲小学校、函館市立五稜郭中学校、今金町立今金中学校、函館養護学校の4校が指定を受けている。
このうち函館養護を除く3校では、必須項目として①手引に掲げる取組のうち、学校の実情に応じ、取り組むことが可能なものを主体的に実施②すべての教員の毎月の在校等時間を客観的に計測・記録③手引に掲載されていない業務改善(すでに実施している学校独自の取組を含む)を実施―の3つに取り組む。
選択項目については、小学校が9項目、中学校が12項目の中から選択して具体的な取組を実施。
八雲小は「若手教員への支援」と「学校行事の精選・見直し」を選択した。
中学校2校は、いずれも「教員と事務職員との役割分担の見直し」と「部活動休養日等の完全実施」を選択。これに加え、五稜郭中は「留守番電話やメールによる連絡対応」、今金中は「若手教員への支援」に関する取組を進めていく。
具体的な取組をみると、八雲小ではICカードで在校時間等を客観的に計測・記録し、教員に提示。また、学校行事の反省をデジタル化して管理し、次年度の計画案に反映させていくといった取組を予定している。
五稜郭中では、校務支援システムと接続したタイムカードを活用して勤務時間を把握。今金中は業務効率化に向けたICT活用研修会を8月と12月に予定している。
実施計画はつぎのとおり。
◆八雲小
【目指すべき学校の姿および目標】
▼職員が生き生きと働き児童が楽しく通う学校
▽適切な勤務時間を意識し、心身の健康を保ちながら自己研鑚に努める教職員
▽健康的に働く教師を手本に生き生きと生活する児童
▽役割を意識し協力して活動する保護者・地域
【必須取組】
手引きに掲げる取組のうち、学校の実情に応じ、取り組むことが可能なものを主体的に実施
▼具体的な取組
▽スクール・サポート・スタッフや事務職員・事務補等が、集金作業や支払い、会計簿の作成等、会計業務を一括して行う
▽チェックは別の職員が実施するなど、複数職員による万全の体制を整える
▼到達目標
▽担任の会計業務の負担が減ったという割合を90%以上とする
すべての教員の毎月の在校等時間を客観的に計測・記録
▼具体的な取組
▽ICカードの使用により、客観的なデータを月に2回(途中経過と月終了時)と大きな行事の前後にフィードバックし、自分の在校等時間を把握し、「月45時間以内」「1年間で360時間以内」とする目標を意識させる
▼到達目標
▽月45時間以上を12人以内とする
▽年360時間以上を12人以内とする
手引に掲載されていない業務改善(すでに実施している学校独自の取組を含む)を実施
▼具体的な取組
▽チームを活用し、前年度見直しをした日課表の検証をし、学力向上への取組や放課後の時間の有効活用を図るための方策を再検討する
▽前年度から進めている校務分掌の再編を検証し、更なる見直しや担当者、季節による業務量の平準化を図る
▼到達目標
▽チームによる日課表の改善・校務分掌の再編により、仕事がしやすくなったと答える教職員を80%以上とする
【選択取組】
若手教員への支援(優れた教材や指導案等の蓄積を共有した支援)
▼具体的な取組
▽初任段階教員研修等の機会を活用し、授業の仕方や分掌業務の推進についての交流を進める。若手教員に経験させる、実践させるしかけを通じて、業務が効率的に進められるよう、若手教員への適切な助言や支援を行う
▽学習プリントを単元ごとにファイリング、データはわかりやすく整理し、内容と方式を学年や教科の教員で共有し、質を高めながら使用する。また、次年度の同学年や同教科担当に引き継ぐ
▼到達目標
▽若手教員が仕事を効率的に進められるようになったと感じる割合を80%以上とする
学校行事の精選・見直し
▼具体的な取組
▽学校行事の反省は、デジタル化して管理する。反省をもとに次年度の計画案を作成し、提案する
▽運動会や音楽発表会の内容を音楽や体育で指導している内容や授業の延長、発表の場となるよう、今後の方策をチームや分掌で検討し、CSや保護者、地域と共有する
▼到達目標
▽学校行事の精選・見直しに向け、課題や方策をCSや保護者と共有することができる
◆五稜郭中
【目指すべき学校の姿および目標】
新学習指導要領の実施に即した教育を実践し、新しい時代に必要となる資質・能力の育成を行うとともに、家庭や地域社会と連携した取組を行う。また、キャリア教育や生徒主体の活動の充実を図る。
教職員の働き方改革を推進し、業務改善を効果的に行い、生徒と向き合う時間を確保し、生徒や保護者、地域社会とともに教育改革を推進する。
【必須取組】
手引きに掲げる取組のうち、学校の実情に応じ、取り組むことが可能なものを主体的に実施
▼具体的な取組
▽打ち合わせ時間の確保
▽職員会議の効率化、時間の短縮
▽年度初めの家庭訪問の工夫
▽定期テストの見直し
▽通知表所見欄作成の工夫▽生徒への対応の質の向上▽印刷作業などの効率化
▼到達目標
▽空時間を該当者でそろえて時間を確保する
▽会議内容の事前周知、徹底
▽全学年の家庭訪問の廃止
▽定期試験を各学期1回
▽所見を1・2学期廃止し、3学期のみとする
▽生徒に関するタイムリーな情報共有
▽スクールサポートスタッフの効果的な活用
すべての教員の毎月の在校等時間を客観的に計測・記録
▼具体的な取組
▽校務支援システムと接続したタイムカードの設置と活用
▽平日、週休日等の職員の勤務時間の記録
▼到達目標
▽勤務時間を意識した出退勤の推進
▽職員の勤務時間の把握
手引に掲載されていない業務改善(すでに実施している学校独自の取組を含む)を実施
▼具体的な取組
▽学校行事等の見直し
▼到達目標
▽旅行的行事をキャリア教育に係る行事に変更
▽生徒会活動を精選し、自治能力を育む活動に特化
▽経営方針に即した行事に重点化
【選択取組】
留守番電話やメールによる連絡対応
▼具体的な取組
▽勤務時間外の留守番電話の設置および保護者・職員への安心メールの活用
▼到達目標
▽年間を通して、留守番電話による対応や安心メールの活用を、適切に行う
教員と事務職員との役割分担の見直し
▼具体的な取組
▽教員と事務職員にかかわる業務が効率よく効果的に推進するよう、業務改善を行う
▼到達目標
▽教員と事務職員の業務が円滑に行われるよう調整する
部活動休養日等の完全実施
▼具体的な取組
▽部活動の活動時間を平日2時間、休業日3時間とする
▼到達目標
▽年間を通して、部活動の活動時間や休養日の設定を適切に行う
◆今金中
【目指すべき学校の姿および目標】
▼教員一人ひとりがワークライフバランスを意識し、誇りとやりがいをもって働くことができ、教員が自らを磨きながら、子どもたちと充分に向き合うことができる環境によって、効果的で質の高い教育活動を持続的に実施できる学校
【必須取組】
手引きに掲げる取組のうち、学校の実情に応じ、取り組むことが可能なものを主体的に実施
▼具体的な取組
▽印刷作業などの効率化。学年・分掌の依頼事項を整理し、具体的に依頼する
▽チラシ配布の効率化。配布物関係を学級ごとの棚に仕分けし、効率的に配布する準備をする
▽採点方法の工夫。明確な採点項目基準に沿った採点作業
▽教頭業務の見直し。本来教頭業務ではない業務の明確化を図り、サポート業務を行う
▽アンケート集計作業の工夫。学校評価等のアンケート結果集計した資料づくり
▽会計業務の工夫。会計業務作業補助
▽学校行事の準備・運営の見直し。学校行事に係る障害関係の業務の補助
▼到達目標
▽タイムカードでの時間外勤務時間を20%短縮を目指す
▽点検作業の効率化を図り、会計業務の点検作業を20%削減を目指す
すべての教員の毎月の在校等時間を客観的に計測・記録
▼具体的な取組
▽出退勤管理システムによる記録
▼到達目標
▽1ヶ月の時間外勤務時間を45時間以内とする。記録の分析と校内での情報共有
手引に掲載されていない業務改善(すでに実施している学校独自の取組を含む)を実施
▼具体的な取組
▽業務効率化を目的としたICTの活用に関する研修会の実施
▼到達目標
▽研修会毎のアンケートによる満足度80%以上、教職員アンケート結果の分析
【選択取組】
教員と事務職員との役割分担の見直し
▼具体的な取組
▽事務職員の主体的な学校運営への参画
▼到達目標
▽教頭が担当する調査業務のうち、より事務職員の専門性を生かせる業務の洗い出しと移行
若手教員への支援
▼具体的な取組
▽優れた教材や指導案等の蓄積を共有した支援
▼到達目標
▽メンター制度の活用と他校教員との積極的交流促進
部活動休養日等の完全実施
▼具体的な取組
▽部活動休養日を平日1日、週末1日以上
▽部活動の活動時間を平日2時間、休業日3時間
▼到達目標
▽部活動休養日週2日以上、長期休業期間中の部活動休養日の設定
◆校内組織改編など独自項目 函館養護
【函館発】道教委の働き方改革推進事業について、渡島・檜山管内の指定校のうち函館養護学校では、小・中学校と勤務環境が異なるため、独自の項目を設定している。
具体的な取組では、今後の職員数の大幅減を見据えて校内組織を改編。校務支援システムへの移行などにも取り組むとしている。
内容はつぎのとおり。
▼取り組んでいく項目
▽校内組織改編
▽会議の持ち方の見直し
▽日課表の変更
▽文書様式の統一
▽その他
▼具体的な取組
▽今後の職員数の大幅減に伴う組織改編について教職員のアイデアを募りながら変更するほか、職員室・教室環境の効率化、校務支援システム・教務支援システムへの業務移行、協働の業務執行体制などに取り組む
(学校 2020-06-22付)
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