北見市上仁頃小と豊地小 外国語 へき複校の課題克服 遠隔授業で学びの保障も
(学校 2020-06-22付)

 【網走発】北見市立上仁頃小学校(浜崎成巳校長)は、本年度から遠隔教育支援システムを活用して市立豊地小学校(佐々木徹校長)との遠隔授業に取り組んでいる。両校はへき地・複式校。5・6年生の外国語で毎時間実施し、多様なコミュニケーションを図る機会として実践を積み重ねている。学校再開後の“学びの保障”にも効果を発揮するものと期待している。

 上仁頃小は、全校児童19人のへき地・複式校。5年生の在籍児童は1人となっている。

 本年度から小学校で新学習指導要領が全面実施となった。外国語では、目標が「コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を育成すること」と示されており、授業の中でコミュニケーションの場面を設定することが重要となっている。

 5年生が1人のみの中、通常の複式授業では児童同士でのコミュニケーションを通して多様な考えにふれる機会を確保するのが難しいことから、解決手段として、学校規模が同等の豊地小と遠隔授業を行うこととした。

 北見市教委の協力を得て、両校は遠隔授業が可能なシステムを2台ずつ導入。ことし2月ころから接続テストを重ね、本年度から本格的に活用を開始した。

 授業では、ウォーミングアップを5・6年生合同で行ったあと、2教室に分かれて単式で行っている。

 15日に行われた授業で、5年生は上仁頃小の野尻育代教諭が指導し、豊地小にいるALTがサポートに当たった。

 児童たちは、「When is your birthday?」「My birthday is~」などと本時で学んだ表現を使って会話。

 終わると手を振るなど、カメラ越しにコミュニケーションを楽しんだ。

 野尻教諭は、通信トラブルなどが発生した際、対応する間にライティングを課すなど「子どもたちの学びの時間が止まらないように意識している」と話す。授業の充実に向けて、試行錯誤を重ねながら取組を進めている。

 児童たちは「コロナの影響で外に出ることが少ないので、遠隔授業で顔が見られる」「中学校に上がると単式学級になるので、練習になる」などと感想を話していた。

 浜崎校長は、遠隔システムの活用を通して「学習の幅が広がる」「学びの可能性が広がる」といった効果に期待を寄せている。

 新型コロナウイルスの影響で近隣校との交流学習の機会などが減少している現状を踏まえ、緊急時における“学びの保障”にもつながるとしている。「オホーツク管内で唯一の事例なので、今後こうした取組が広まってほしい」と話している。

(学校 2020-06-22付)

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