【解説】教育分野のクラウド活用

（解説 2020-06-29付）

　クラウドサービスとは、クラウドコンピューティングを利用したサービス。クラウドコンピューティングは、ネットワークやストレージなど共用が可能なコンピューティングリソースの集積に対し、必要に応じてどこからでも簡便にネットワーク経由でアクセスできるモデル。

　教育の分野では、名簿・出欠・成績・保健などの情報管理、教職員の出退勤管理などを行う校務系システム、遠隔システム、協働学習支援ツール、デジタルドリルなどを利用する学習系システムでの利用がある。

　校務系システムでは教職員の自宅でのテレワークで活用することが可能に。学習系システムでは、遠隔授業、家庭学習のオンライン提供、教育委員会・学校間の連絡などで利用できる。

　総務省、経済産業省、文部科学省の３省は、教育現場におけるＩＣＴ化に向けて連携した取組を進めており、総務省は昨年７月、「教育現場におけるクラウド活用の推進に関する有識者会合」報告書を公表。教育システムのクラウド化に関する課題を整理・分析し、改善のために国が取り組むべき事項を整理して示した。

　これを踏まえ文科省は、昨年１２月に「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を改訂。教育委員会や学校が柔軟かつ効率的に環境整備を進めることができるよう、内容・構成を見直した。

　学校現場におけるクラウドサービス利用に関する考え方では、メリットとして、①効率性の向上②セキュリティ水準の向上③技術革新対応力の向上④柔軟性の向上⑤可用性の向上（災害による情報の破損・消失のリスク低減など）⑥保守・運用稼働の削減―を挙げている。

　このほか、特性に起因する留意点、情報セキュリティ対策の項目例などを示している。

(解説 2020-06-29付)