別海町野付中 働き方改革実施計画 教員の“お膳立て”軽減 部活動一斉休止 月ごと設定
(学校 2020-07-02付)

 【釧路発】道教委の働き方改革推進事業の指定を受けた別海町立野付中学校(飯田雄士校長)は、実施計画をまとめた。年間通して蓄積した「改善アイデア」をリスト化し、その30%の具現化を目指すほか、外部人材による授業で委ねる範囲を広げ、教員の「お膳立て業務」を軽減することなどを盛り込んだ。部活動については、全校一斉休止日を月ごとに定め、定時退勤日を確保する。

 実施計画の概要はつぎのとおり。

◆推進地域の取組

【市町村アクション・プランに掲げる取組の推進】

▼具体的な取組

▽地域との協働の推進による学校を応援・支援する体制づくりの推進

▼到達目標

▽町内全学校区のコミュニティ・スクール導入

▼成果の検証方法

▽全学校区の取組状況の把握

【北海道アクション・プランに掲げる目標達成のための環境整備】

▼具体的な取組

▽校務支援システム配置校における活用推進

▼到達目標

▽システムを活用している学校の割合100%

▼成果の検証方法

▽町教委内部における取組の確認

【成果の把握、検証および各種研修会での普及】

▼具体的な取組

▽出退勤管理システム等による在校等時間の推移の把握

▼到達目標

▽在校等時間の推移を分析し、効果的な取組につなげる

▼成果の検証方法

▽全学校の取組状況の把握

◆目指す学校の姿

▼目標

 教員一人ひとりがワークライフバランスを意識し、誇りとやりがいをもって働くことができ、教員が自らを磨きながら子どもたちと十分に向き合うことができる環境によって、効果的で質の高い教育活動を持続的に実施できる学校。

▼成果の検証方法

▽調査による確認と分析

◆推進校の必須取組

【手引に掲げる取組のうち、学校の実情に応じ取り組むことが可能なものを主体的に実施】

▼具体的な取組

▽印刷作業や教材づくりなどについて、スクール・サポート・スタッフと連携する

▼到達目標

▽校内の体制を整備し、効果的に連携する

【すべての教員の毎月の在校等時間を客観的に計測・記録】

▼具体的な取組

▽パソコン打刻による出退勤管理によって勤務時間を確認し、職員の勤務時間を把握する

▼到達目標

▽1ヵ月の時間外勤務時間を45時間以内とする。記録の分析と校内での情報共有

【手引に掲載されていない業務改善(すでに実施している学校独自の取組を含む)】

▼具体的な取組

▽年間通して蓄積した「改善アイデア」を、全職員でのワークショップによって1月に検討し、次年度の教育課程編成へとつなげる改善サイクルの確立

・平成30年度末―教師の多忙への改善策

・令和元年度末―働き方改革の視点で見直す教育活動(やめられるかもリストの検討)

・2年度末(予定)―対負担・対時間効果の視点で、本当に必要なものだけを残す業務改善

▼到達目標

▽リスト化された改善アイデアの30%を具現化し、次年度の教育課程へと生かす(元年→2年度実績33件中9件、達成率27・3%)

◆推進校の選択取組

【学校行事の精選・見直し】

▼具体的な取組

▽総合で実施していたあさりの移植実習を、旅行的行事遠足の中で実施

▽毎年行っていた津波タワーへの避難訓練を3年に1度に変更

▽生徒会役員の任期を半年から1年間へと変更し、立会演説会・役員選挙を1回カット

▼到達目標

▽3年度に精選・見直し可能な行事を10以上リストアップし、そのうち30%以上具現化させる

【学校の組織運営に関する見直し】

▼具体的な取組

▽特定の教員に集中している業務量の分散(「ムリ」の排除、業務分担の均等化)

▽年間業務計画を作成し、見通しをもって隙間時間を有効活用する(「ムダ・ムラ」の排除)

▼到達目標

▽一般教諭9人の平均時間外勤務を40時間以内(前年11月47・6時間)とし、最多と最少の教員差を40時間以内(前年11月66時間)にする

【地域との協働による学校を応援・支援する体制づくりの推進】

▼具体的な取組

▽教員が行っていたスクールバス乗車指導をPTAへ移譲

▽学校運営協議会等の仲介によって年間100時間以上に及んでいる外部人材による授業の標準化を図り、地域人材に委ねる範囲を広げ、教員による「お膳立て業務」を軽減する

▼到達目標

▽安心して任せる体制を構築することで、「外部人材による授業はかえって負担」と感じる教員をゼロにする

【部活動休養日等の完全実施】

▼具体的な取組

▽年間20%(73日)以上の全校一斉部活動休止日の設定

▽年間40%(146日)以上の部活動休養日の確保

▼到達目標

▽各部とも365日のうち146日以上は休養日とし、そのうち73日以上は全校一斉部活動休止日(定時退勤日)とする

◆推進校における事業スケジュール

▼4月

▽新型コロナウイルス感染拡大防止のため、臨時休校18日間はすべて部活動休止。その他、全校一斉部活動休止日6日設定(定時退勤日1日)

▽働き方改革コアチーム(企画委員会)の設置(3月まで毎月実施し、進ちょく状況の点検と改善を図る)

▽テーマ「全職員がかけがえのない存在だからこそ意識する月45時間」の策定

▽学校運営協議会委員・保護者への時間外勤務月45時間以内と、見直す教育活動の確認(前年度2月に説明した内容の確認を文書にて)

▼5月

▽自分にしかできない業務とスクール・サポート・スタッフ(SSS)に依頼できる業務を見極めながら効果的に活用するSSS(3月まで)

▽新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時休校のため、31日間すべて部活動休止(分散登校5日間を含む)

▽北海道の働き方改革の手引きRoadの理解を深める校内研修の実施

▽野付中働き方改革推進計画の策定と職員への周知

▽人事評価シート「業績評価」の「目標」に全職員が「月45時間以内」を明記。「取組方法」をそれぞれの職員が考えて記入した上で、期首面談を実施

▼6月

▽全校一斉部活動休止日4日設定(定時退勤日4日)、各部における部活動休養日の適切な設定

▽精選・見直し可能な行事をリストアップし、3年度の教育課程に具現化させるための「やめられるかも・スリム化できるかもリスト」への入力(12月まで)

▽道立教育研究所オンデマンド研修「北海道の学校における働き方改革手引Road解説動画」を視聴する校内研修

▼7月

▽全校一斉部活動休止日5日設定(定時退勤日2日)、各部における部活動休養日の適切な設定

▽1~6月期の年休取得状況を確認。年休を取りやすい状況をつくりながら、取得率が低い職員への声かけを行う

▼8月

▽全校一斉部活動休止日2日設定(定時退勤日2日)、各部における部活動休養日の適切な設定、学校閉庁日3日設定

▽第2回学校運営協議会において、地域との連携・協働で実施する教育活動について、さらに質を高めるための協議

▼9月

▽全校一斉部活動休止日6日設定(定時退勤日6日)、各部における部活動休養日の適切な設定

▽修学旅行、宿泊研修にかかわる勤務時間の割り振り変更の実施

▽宿泊研修翌日に生徒が出席しない回復休養日を設け、引率教員が勤務不要日を設定しやすくする

▽人事評価シート「業績評価」の「目標=月45時間以内」について自己評価を実施。前期の反省を踏まえて後期業績評価の取組方法を設定する

▼10月

▽全校一斉部活動休止日17日設定(定時退勤日3日)、各部における部活動休養日の適切な設定

▽文化祭前2週間の事前準備業務にかかわる割り振り変更の実施

▽生徒会役員の任期を半年から1年間へ変更(生徒会規約の変更を促す)

▽期末面談・期首面談

▼11月

▽全校一斉部活動休止日6日設定(定時退勤日5日)、各部における部活動休養日の適切な設定

▽学校運営協議会における学びの土台づくり部会、ふるさとキャリア教育部会による、学校を応援・支援する活動

▼12月

▽全校一斉部活動休止日4日設定(定時退勤日4日)、各部における部活動休養日の適切な設定、学校閉庁日3日設定

▽学校評価アンケート・職員自己評価アンケートの実施

▽「やめられるかも・スリム化できるかもリスト」の集約

▼3年1月

▽全校一斉部活動休止日2日設定(定時退勤日2日)、各部における部活動休養日の適切な設定、学校閉庁日3日設定

▽3年度の教育課程編成にかかわる全職員でのキックオフミーティング「対負担・対時間効果の視点で、本当に必要なものだけを残す業務改善」

▼2月

▽全校一斉部活動休止日6日設定(定時退勤日5日)、各部における部活動休養日の適切な設定

▽キックオフミーティングの内容を踏まえ、各分掌において3年度に「やめる」「スリム化する」教育活動を具体化

▽第3回学校運営協議会において、地域との連携・協働で実施する教育活動にかかわる本年度の反省と次年度の見通しを協議

▽人事評価シート「業績評価」の「目標=月45時間以内」について、自己評価を行った上で期末面談を実施する

▼3月

▽全校一斉部活動休止日6日設定(定時退勤日5日)、各部における部活動休養日の適切な設定

▽それぞれの職員の得意を活かし、可能な限り業務分担を均等化する3年度校内人事配置の決定

(学校 2020-07-02付)

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