網走市白鳥台小 オンラインで授業研究 授業公開中に意見収集 チャット機能活用など工夫
(コロナウイルス関連 2020-07-07付)

白鳥台小授業公開授業
宮田教諭が筆者のねらいをとらえさせる授業を展開

 【網走発】網走市立白鳥台小学校(大岩芳江校長)は2日、同校でオンライン授業研究会を開いた。新型コロナウイルス感染防止の観点から、初の試みとしてウェブ会議システムZoomを活用し、配信する形式で国語の1授業を公開。チャット機能を活用して研究会参加者からリアルタイムで公開授業への意見を募る工夫を取り入れるなど、効果的な研究の推進に努めた。

 同校は、研究主題「心を耕し、学びの種をまく~話す・聞く・書く活動を重視した授業づくりを通して、自己の生き方についての考えを深める子供を育てる」のもと、道徳と国語科を中心に研究を進めている。

 授業研究会は、国語科の授業改善を目的に毎年開催しているもの。本年度は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、参加者を同校に招いて開催することが困難なため、3密を避ける研究会の開催方法として、Zoomで授業を配信するという初の試みを実践することとした。

 市内小・中学校10校から教諭など約30人の申込があり、事前に指導案やZoomへのリンクなどを送付。参加者は、それぞれ所属する学校から参観した。同校の教職員らは、職員室に設置したテレビを通して授業を視聴した。

 オホーツク教育局の管内教師力向上セミナーと共催。平山道大義務教育指導班主査や佐藤鮎美指導主事が助言者を務めた。

 6年生国語「時計の時間と心の時間」(宮田一央教諭、児童数10人)を公開。本時の目標は「事例と自分の経験を結び付けることを通して、筆者の意図に迫ることができる」と設定した。

 宮田教諭は、教材の筆者が示した「心の時間」の進み方に関する4つの事例について、児童自身の経験と比較しながら共感できるかどうか考えをまとめ、意見を交流させる活動を通して、それぞれの事例の内容の理解を深めさせた。

 その上で、「最初の事例が一番分かりやすい」「心の時間に関することだけを挙げている」など、4つの事例について気付いたことをもとに、筆者のねらいをとらえさせた。

 研究協議は配信せず、同校の教諭のみで授業の内容について話し合った。その代わり、参加者に授業後から研究協議開始までの間にアンケートを提出してもらったほか、授業中にはZoomのチャット機能を活用してリアルタイムで意見を募った。

 平山義務教育指導班主査は、Zoomを活用した授業公開について、「学習展開や教師の手立てについて検討する上で有効」と評価。「児童のノートの記述や発言が分かると、また違った視点から検討できるのでは」と話した。

 研究協議や助言の内容は資料としてまとめ、後日メールなどで参加者に配布する。

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白鳥台小授業公開職員室
教職員は、職員室で授業を参観した

(コロナウイルス関連 2020-07-07付)

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